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過ぎ去ったラノベのピーク

 小説家になろうで小説を書かれている皆さん、もしくはネット検索でこの作品に辿り着いた皆さん、おそらくラノベの書き手もしくは読者の方だと思います。



 そんな方々に数値を用いてラノベの厳しい現実をお伝えし、今後の書き手の目指すべき姿を提案するのが本作の主旨です。




 早速本題です。ラノベのピークは2010年ころです。これはよく言われていることで、みなさんは耳にタコができるほど聞いたことがあるでしょう。それって、本当? 何を根拠に言っているのか? という人のために一つのデータを提示します。



 ここではラノベのピーク=シリーズでの累計部数が多い作品の出版年、としています。下記のデータは筆者がネットで調べたものなので、誤りがある可能性もあります。また、作品名は略語です。




転スラ 4000万部 2014年開始

とある 3100万部 2004年開始

薬屋のひとりごと 3100万部 2011年開始

SAO 3000万部 2009年開始

劣等生 2500万部 2016年開始

ハルヒ 2000万部 2003年開始

スレイヤーズ 2000万部 1989年開始

ダンマチ 1500万部 2013年開始

カゲロウデイズ 1500万部 2012年開始

オーバーロード 1400万部 2010年開始

オーフェン 1400万部 1994年開始




 上記はシリーズ累計部数が多いトップ10です。ちなみに筆者が馴染みのある作品ですと、リゼロは1300万部で2012年開始、12位。シャナは1100万部弱で2002年開始、17位です。



 さて、トップ10の連載開始年数を単純に足して、10で割ると2005年です。2010年ころがピークということの一つの指標になったかと思います。




 鋭い方はこう思うのではないでしょうか。「日本の人口はゆるやかに減少しているのだから、読者が少なくなる。したがって、ラノベの発行部数が減るのも必然だ」と。では、日本の人口の数値を出しましょう。



2005年 1億2700万人

2013年 1億2730万人

2023年 1億2399万人



 少子高齢化で毎年人口が減っている日本ですが、意外に減少スピードはゆるやかです。右肩下がりですが。ちなみに人口のピークは2004年です。ラノベは2010年ころがピークですから、そこまでは右肩上がりなわけです。人口とラノベのピークは微妙にズレています。ラノベのピークの方が後ろです。人口とラノベ、この二つに相関性はなさそうです。




 人口以外に考慮すべきは書籍の売り上げでしょう。では、書籍全体の市場規模の推移を見てみましょう。



1996年 2兆6000億

2010年 1兆8000億

2022年 1兆6000億



 人口と同じく右肩下がりです。これもラノベのピークとは合致しません。ピークの順番としては書籍、人口、ラノベの順です。



 ここまでを総括すると「ラノベのピークは2010年ころで、人口や書籍市場とは関係がない」ということです。次のエピソードでは、今後のラノベ作家が目指すべき方向性を示します。



※追記

 上記の記述だと「筆者が恣意的に自分に都合の良い数字を拾っているのでは?」という反論があり得ますので、より具体的な数字を追加します。数値は出版科学研究所からの引用です。より正確に言うならば、「2023年6月の文春オンラインの記事に引用された出版科学研究所の数字」です。


・文庫ラノベ市場のピークは2012年の284億であり、2021年には123億円と半減


 ここで「文庫ラノベ市場って具体的な定義は何?」という問いが生まれるかもしれませんが、あくまでも一つの参考値としてください。また、「文庫ラノベ市場」です。単行本、電子書籍は対象外です。ご注意ください。

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