転生
居酒屋前。
「なぁ、もお一軒いかねぇか〜?」酔っ払いながら、俺の友達が
話しかける。「もう遅いからさ、俺はやめておくよ。」
笑いながら、俺は居酒屋向かいの横断歩道に足を運んだ。
「分かった!また明日な〜」そう言われ、俺は後ろを振り返る。
「うん。また明日
ドン。大きな音を出し、俺をトラックが轢いた。即死だった。
俺の人生は、そこで終わりを迎えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
ぴちょん。ーーぴちょん。水滴の音がする。
目を開けるのが、何故か怖かった。
「目を開けてくれ。」力強い様な、低い声がした。
「.....。」無言のまま、俺は恐る恐る目を開ける。
ーーー困惑した。ただ真っ白な天井。
把握ができなかった。俺は事態を知りたくて、体を起こした。
目の前には、奥に神殿のような建造物と、手前に池の上に建てられている
一本の白い橋。「渡れ。」脳内に直接誰かが語りかけてくる。
不思議な感覚だったが、俺は気になり、言葉を信じ、橋を渡った。
橋を渡った後、次の語りを待ったが、何も言ってくれなかった。
(今から自分で行動を考えろってことか?)少し考え込んだあと、
俺は目の前の神殿へ、足を運んだ。
神殿の屋根の下。目の前に居たのは、銀髪の、白い衣服をまとった男が一人。
「すまぬ..今時の件を簡潔に話す。お主は手違いで死んだのだ。」
「....?」「私は人間で言うところの神だ。」
その一言で、少し話が見えてきた。神様が言うには、
下級天使が間違って人間界の運命を動かし、その反動で俺を殺すことになったらしい。
当然俺は落ち込んだ。俺には親友と言える人もいたし、会社での生活も
波に乗ってきた頃だったからだ。だが、俺は一つの疑問が頭の中から浮上した。
「..そんな事で神様が俺に介入するんですか?」
時が止まったかのように、静かな時間が流れた。
「..前世の縁があるからな。」小さな声で、神は呟いた。「前世?」
「...いや、この話はよそう。話を変える。霧島ハル、お前には異世界に行ってもらう。」
「異世界...ですか?」
「そうだ。」「....」(漫画で読んでいた世界は、本当にあったんだな...)
「今の世界に戻ることは..できないんですね。」
「すまない...。」「そう...ですか。」俺は、下を向きながら言った。
「賠償の話に移るとしよう。異世界ではスキルなどがある。
できる範囲での願いは聞き入れよう。」...沈黙の後、俺は神に声をかけた。
「不老不死...が良いです」「む...?」「不老不死になりたいです..。」
震える声で、霧島ハルは口を開いた。「...それでいいのか?」
「............。はい!」「願いを聞き入れよう。次に、転生の儀式に入る。」
そう言うと、神は指パッチンをし、漫画で見た、魔法陣のようなものを
床に出現させた。「その魔法陣の真ん中に立ってくれ。」
言われるがまま、俺は魔法陣に向かい、歩きだした。
「...ここで良いですか?」「...ああ。今から転生を始める。」
そう言い神は、詠唱を初めた。
パアっと、魔法陣が光る。
(...落ち込んでもしょうがない。気持ちを入れ替えよう。)
頬を叩き、気持ちを入れ替え、俺は神に向かっていった。
「さようなら!短い間お世話になりました!」「....。」
「....."久しぶり"に話せて嬉しかった。こんなことしかできなくて
すまない...。どうか許してくれ.。」その言葉を聞き終えた時、俺は転生した。




