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テーマ詩集:電話帳

ウォーリー

作者: 歌川 詩季

 ぬりかべ、好きな妖怪です。

 ついたてになって めかくししたかとおもえば

 からだをはって まもってくれたりもしたよな


 たちふさがって とおせんぼしたかとおもえば

 そっちじゃねえよって みちをしめしてくれたし


 ここまでだぜって へだてやがったとおもえば

 ごちゃまぜにならないように しきってくれたんだ



 なぁ、おまえのことを

 えっちならくがきでもしてやりたいって

 わるくいうやつもたくさんいるし

 よぉ、ウォーリー! なんて

 あだなをつけたおまえにむかって

 あわだつジョッキを あげてみせるやつもいる


 二面性 なんて こむずかしいこと

 いうなら そいつはやぼってもんさ

 あつみは ごくあつだろうが ぺらっぺらだろうが

 しょせんは あっちと こっちじゃねえか

 おもても うらも つながってるんだから

 いちまいのいたに はりついてるんだから


 むこうがわには

 おれからはみえないかおが うかんでたとしても

 そいつは おまえのもうひとつのかおなだけで

 やっぱり そいつもおまえのかおには ちがいないんだぜ



 どんって たたきつけてやることも

 そっと なでてやることも

 つぅって ゆびをはわせてやることも

 ぴたって みをよせることも


 あるとおもうけど これからも

 ひとつよろしく たのむよ

 こいつは オレンジジュースだけど

 おまえにむかって グラスをあげてあいずするんだ


 なぁ、きぶんはどうだい?



 よぉ、ウォーリー!

 ウォール(WALL)の、愛称です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 壁には二つの意味がある。外から中を守るため、と中のものを外に出さないためだ、とあったのは何だったかな。 この意味で思い出すのは、やっぱりウォールマリアとかそちらだったりしますねえ。
[一言] 最初、探す方かと思いました。 無表情で何を考えてるか分からないけど それなのにどこか独特の表情を感じて愛嬌も覚える それは、実際の壁も、 壁のようと揶揄される人も おんなじなのかも。 …
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