かぐやから、愛する貴方へ五つのお願いをします
光る竹から生まれた少女、かぐやは、誰もが気に掛ける程に美しく育ち、年の頃になると、公家、皇族、武士、農民の多岐に渡る人々が、又と無い美しいかぐやを娶ろうと、かぐやの家に押し寄せました。
かぐやはあまりにも多くの人が押し寄せたので、一人一人会って話す訳にもいかなくなり、そこで五つのお願いをすることにしたのです。
五つのお願いを全て備えし殿方とのみ面会する。そうかぐやは言いました。
一つ。酒、煙草、賭事は一切しない方であること。
これを聞いた人々は「私は大丈夫」「俺は無理だな」等と口々に話していましたが、かぐやを諦める者は僅かしかありませんでした。
二つ。なるべく早く帰り、家事を率先して行い、子育てをきちんと出来る方であること。
これを聞いた人々は「家の事は女の仕事だ」「面倒な女だ」等と口々に話していましたが、かぐやを諦めきれない者が半分近く残りました。
三つ。小遣いを貰わず、趣味に打ち込まず、そして私と私の子ども達に全てを捧げる方であること。
これを聞いた人々は「……え?」「は?」等と口々に戸惑い響めきましたが、まだかぐやを諦められない者が少しばかり残りました。
四つ。新たに二人が住む家を建て、そこで日曜大工に打ち込み、アウトドア派になり、細マッチョでいること。
これを聞いた人々は最早言葉を交わす事すらしませんでしたが、かぐやを諦めきれない者が、僅かばかり残りました。
五つ。私は器用ではないので、あなた方が私に合わせること。
これを聞いた残り人は無言で去りました。しかし一人だけ若い青年がその場に残りました。そしてかぐやはその青年と結婚しました。
「五つのお願いは冗談だよ? だってあれくらい言わないと皆諦めてくれないから」
かぐやが笑顔で青年の手を取ります。
「好きな物食べて好きな物飲んで、好きなことして、浮気もいっぱいしていいよ?」
青年はそこまで自由に言われると、逆に申し訳なくなり、何も出来なくなってしまいました。
許されてるけど許されてない。
かぐやは今日も笑いながら青年に自由を勧めています。




