10歳になりました
今日でやっと10歳になりました! これで冒険者になれます。
今日までに色々なことを学びました。魔法の使い方や薬草のこと。魔物の種類や弱点。お金の使い方等も。
そして、言葉遣いも直しました! もうこれからは大人になるのです。マリー先生は少し残念そうにしていたけど。
「じゃあ、お母さん! 私、もう行くね。」
「気をつけて行ってらっしゃい。元気でね。」
「り、リリー。何かあったら、すぐ戻ってくるのよ。寂しくなっても戻ってきてね。ああ! やだ、私も一緒に行きたいー!」
私やお母さんより、マリー先生の方が寂しがっていました。
「全く、この娘は。リリー。気にせず行きなさい。そして、自分の目でこの世界を見てきなさい。」
「はい! じゃあ、行ってきます!」
そして、私は自分で転移魔法を使い、町の近くの森に転移した。
「よし、うまくできた! 早く町までいくの!」
やっと一人で冒険に出ることができる嬉しさから、言葉遣いが少し、戻ってしまっている。
しかし、リリーは浮かれていて気づかなかった。
歩いて数分で門が見えた。
門には1人の衛兵が立っている。
「こんにちわー!」
「おう、元気のいい嬢ちゃんだな。親御さんはどこだい?」
衛兵さんは私の頭を撫でた。
「むぅ。もう子供じゃないです、10歳です! 冒険者になるために一人できました!」
「悪い、悪い。10歳ならもう子供じゃ、ってまだ子供だろ。それなら、今は銅貨二枚預かっておくから、冒険者ギルドに行ってギルドカードを作ってきな。それを見せにきたら銅貨は返すから。」
「はいです!」
「冒険者ギルドはここをまっすぐいったところの突き当たりにある。大きな看板があるからすぐにわかるさ。じゃあ、気を付けていくんだぞ。」
やっぱり子供扱いしてくる衛兵さんでした。
でも、衛兵さんの優しさに思わず笑顔になりました。
私は冒険者ギルドまで走りました。
門からそう遠くなかったのか、すぐにギルドの看板が見えた。
【冒険者ギルド イーノ町支部】
ここから私の冒険が始まると思うと、胸の高鳴りが止まらなかった。
「よしっ!」
そして、私はギルドの入り口をくぐった。