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二度寝……の間に話が進んでました

 小鳥のさえずりが聞こえ、私は目が覚める。窓から日が射し込んでない。どうやらまだ朝早い時間みたいだ。


「ん、んー! 」


 手が握られてる感触がする。

 横を見るとミラが私の手を握りながらすやすやと寝ていた。その可愛さに私は微笑ましくなる。

 そして、反対方向を見ると──


「きゃあぁぁ!」


「むふふふ。」


「尊いです。」


 ネリネとプリムラが恍惚とした表情でこちらを眺めていた。


「なな、なにしてるの……?」


「リリーちゃんとミラちゃんの寝顔を見ていただけよ。」


「二人の寝顔を見ているととても幸せな気持ちになれます。朝からありがとうございます。」


「ど、どういたしまして?」


 寝顔を見ていただけにしてはものすごい顔をしていたけど、私が寝ぼけてただけなのかな。


「んーママ?」


 ミラが寝ぼけながら私の手を探している。少し泣きそうな顔をしていた。ミラの手を握ってあげると、途端に柔らかい笑顔を浮かべ、またすやすやと寝始める。

 ミラとプリムラのいうとおり、この子の寝顔を見ていると幸せな気持ちになれた。


「まだ朝食まで時間があるし、リリーちゃんももう一度寝ていいわよ。」


 そういうけれどネリネは外出の準備をしていた。


「ネリネはどうするの?」


「これからも冒険を続けるんだから馬車を買ってくるわ。お母さんに紹介状をもらってるの。安く譲ってくれるんですって。じゃあプリムラ留守をよろしくね。」


「はい、わかりました。」


「ネリネ、いってらっしゃい。」


 私はまだ眠かったので、ミラの手を握りながらもう一度目を閉じた。


「……プリムラ、なんでずっと見てるの。」


「お気になさらず。私のことは置物だとでも思ってください。」


「見られてると寝にくいよ。」


「そんな! 私の幸せを奪うのですか!?」


 プリムラがこの世の終わりとでもいうような泣きそうな顔をした。


「わ、わかったから。そんな泣きそうな顔をしないで。」


 私が焦ってそんなことを言うと、


「はい! では遠慮なく見させてもらいますね。」


 一瞬のうちに、プリムラは笑顔を咲かせた。どうやらうそ泣きだったみたい。

 そこで私はプリムラがお姫様だったことを思い出した。

 まだ知り合って間もないのに、もうすでにずっと一緒にいる気がしていた。こんなに大好きになったんだから、離れたくないと思っちゃう。

 でも、一緒にいられるのも王都まで。

 だから、それまで過ごせる時間を忘れないように目に焼き付けておこうと思う。

 私はミラの手を握る反対の手でプリムラの手を握る。


「り、リリー!?」


 なんか焦った声が聞こえるけど、私は眠気に身を任せそれに答えることはなかった。


「もう、こういうところがリリーは可愛いです。……こんなにも大切な仲間と離れたくないです。でも一緒にいられるのは王都まで。王女という立場が恨めしいです。」


 ***


「ただいまーっと、寝てるから静かにしないとね。プリムラも留守をありがとう。」


 リリーが寝てすぐに、ネリネが帰ってきた。


「ネリネおかえりなさい。二人の寝顔を見れて幸せな時間でした。」


「羨ましいわね。まだ時間もあるし私もまた眺めることにするわ。」


「こうしてみるとこの二人、お母さんと娘よりは姉妹って感じがしますね。」

 

 そのくらいリリーとミラは似ている。容姿がというわけではない。明るくて優しいけど子どもっぽいところとか性格が似ている。


「それならプリムラと私が夫婦かしら。」


「それも楽しそうですね。」


 私とネリネで、リリーとミラを育てる姿を想像して、思わず笑みがこぼれてしまう。


「……それでどうしたの。」


「何がですか?」


 私はネリネが言っていることがよくわからなかった。


「元気がないように見えるわ。話ぐらい聞くわよ。」


「ネリネはすごいですね。気づかれるとは思ってませんでした。」


 私も王女。顔には出してないはずです。


「当たり前じゃない。リリーちゃんやミラちゃんも気づくわよ。みんなプリムラのことが好きなんだから。」


 その言葉に泣きそうになってしまう。涙をグッとこらえる。しかし、思わず呟いてしまった。


「私離れたくありません。」


 そこからは言葉が止まりませんでした。


「王都までとはわかったています。けれど、この四人で過ごす日々が何にも代えれないぐらい大切なものとなってしまったのです。でも、私も王女です。王族としての責務があります。わがままなんて言ってはいけないことぐらいわかってます。でも……。」


「それならこれからも一緒にいましょう。」


「え……?」


「1度王都には行く。けどそれは離れるためじゃなくて王様に許可をもらうため。これからも一緒に冒険を続ける許可をね。」


「でもそれでは王族としての責務が……!」


「あら、世界を見て学ぶことも立派な責務よ。それに、王族といっても同じ人間なんだからわがままを言ってはならないなんてことはないわ。」


 私はネリネたちにあって初めて、王女としてじゃない、1人の人として接してくれる人たちに会った。そして今はわがままを言ってもいいといってくれる。

 もう涙をこらえるのが限界だった。


「あり、がとう、ござ、います。」


「気にしなくていいわ。私もプリムラと離れたくはなかっただけよ。」


 そして、ネリネは頭を撫でてくれた。その優しさは温かく胸に広がっていく。


「私、皆さんと一緒にいたいです。これからもよろしくお願いします。」


「これからもよろしく、プリムラ。二人には起きたら伝えましょう。」


「はい!」


 これからもみんなと一緒にいることができる嬉しさに私は自然と笑顔になる。

 そして、これからも楽しい日々が続くことに胸が踊った。

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