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国の姫様でした

「あなたが無事でよかった。」


 少女の頭を撫でる。すると、少女は泣き出してしまった。


「え、あ、どうしたの!? どこか怪我してた!?」


「い、いえ。本当は怖くて……。もうだめだと思ったときに助けてもらったので。」


「よく頑張ったね。もう大丈夫だよ。」


 私は少女を抱き締める。


「あー私もリリーちゃんのああいうところに落ちちゃったんだよね。」


「ママ優しいもんねー。」


「あれはあの子も落ちたね。」


 ネリネとミラがなにかを言っている。

 しばらくして、ようやく少女が落ち着いた。


「ねー何て言う名前なの? ミラはね、ミラって言うの!」


「私はリリー!」


「私はネリネよ。」


「あ、すみません。私、シュタート国第1王女プリムラ・シュタートと申します。この度は助けていただきありがとうございました。」


「シュタート国の第1王女!?」


「ネリネ知ってるの?」


「知ってるもなにも、シュタート国ってこの国のことよ!」


 どうやらこの国はシュタート国と言うらしい。初めて知った。


「国の名前を知らないってリリーちゃんってどこから来たのよ……。」


「えーそれはまだ秘密かな。」


「もうリリーちゃんは本当に不思議の多い人だね。それで、プリムラ様はどうしてこの様なところに?」


「恩人なのですから、プリムラで構いません。本当は、視察と休養の目的でシータウンに向かうつもりなのでしたが、そこで先程の男たちに襲われてしまって。」


 そういうプリムラの体はよほど怖かったのか震えている。

 私はそっとプリムラの手を握った。プリムラがこちらを見つめる。私は見つめ返して、にっこりと笑った。すると、震えが収まったとともに、プリムラの頬が赤く染まる。


「リリーちゃんはすぐに女の子を落とすんだから……。」


「落とすってなんのこと?」


「いや、何でもないよ。それでプリムラは、なんで襲われたのかわかる?」


「おそらく第2王子を次期王にと推してるものたちの仕業だと思います。」


「それならまず第1王子を狙うんじゃない?」


「この国の王位継承権は生まれた順。私は第1王子の次に生まれたので先に亡き者にしたかったのだと思います。」


「ひどい! そんな理由でこんなに可愛い子を襲うなんて!」


 私は思わず叫んでしまった。


「リリーちゃんは怒りで魔力を暴走させないようにね。それでプリムラはこれからどうする?」


「王都に戻りこの事を王に報告したいと思います。それで相談なのですが……。」


「それなら次の行き先は王都だね! プリムラと一緒の旅!」


「私もリリーちゃんに賛成よ。」


「王都! 王都!」


 ミラは何が楽しいのか腕をあげて飛び上がっている。


「あのいいのですか? 私と一緒だとまた襲われる可能性が……。」


「いいのよ。リリーちゃんは困ってる子を放っておけないもの。まあ、その前にシータウンで食べ物と服を買わないとね。」


 ネリネがプリムラをみると、ようやく服を切られたことを思い出したのか顔を真っ赤にして布で胸を隠した。


「シータウンには何があるの?」


「うーん、魚が美味しいって聞くけど。」


「「魚!?」」


 私とミラは目を輝かせる。まだ見ぬ魚によだれが垂れてきそう。


「リリーさんは戦っているときはあんなにも凛々しいのに、普段はこんなに可愛いのですね。」


「リリーでいいよ、プリムラ!」


「それなら私もネリネで。」


「ミラも、ミラ!」


「はい、リリー、ネリネ、ミラ。」


「パパ、ママ! プリムラの笑顔可愛い!」


「そうだね、可愛いね。」


「パパ、ママ!?」


「あー、この子はね拾ったんだよ。それならリリーちゃんのことをママ、私のことをパパと呼ぶんだよ。」


「そ、そうなのですか。」


 なぜかプリムラがしゅんとしてる。どうしたのかな。


「それじゃあ、そろそろ行こうか。この男たちはどうやって運ぶ?」


「それなら私に任せて! クリエイト・ストーン」


 私が魔法で石の台車を作り、そこに男たちを乗せる。


「そして、ジェット!」


 台車に風魔法でシータウンの方向に飛ばした。


「リリーちゃんえげつないことするわ。」


「す、すごいですね。」


「なんのこと?」


 私にはネリネとプリムラが何をいってるのかわからなかった。


「早く私たちもいこ! ミラおいで。」


 ミラと手を繋ぎ、先を歩く。

 すぐに、ネリネとプリムラが落ち着いてきた。

 この調子なら昼前にはシータウンには着くだろう。

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