道に迷っていたことを忘れてました
色々なことがあったけど、ようやく洞窟を出た。
目の前に広がる森に私とネリネ、ミラは手を繋いで歩いていく。
しばらく歩いて、ネリネが口を開いた。
「そういえば、私たち道に迷ってたよね。」
「あ……。」
すっかり忘れてた。道に迷って雨に降られたから洞窟で雨宿りしてたんだった。
「うーん。ここからどこに向かえばいいんだろ。」
「ねえ、ママ、パパ今どこに向かってるの?」
「うーんとね。海の見える町だよ。」
「じゃああっちの方にあるよ!」
ミラは今進んでいる方向と逆方向を指した。
「何でわかるの?」
「えっとね、あっちから海の匂いがする!」
まさかの嗅覚でした。
「ミラすごい!」
思わずミラに抱きつき、頭を撫でる。
「えへへー、ミラすごいでしょ。」
「でも狐って嗅覚すごいっけ? 魔物だからなのかな。」
ネリネが細かいことを言うけど、気にしない。
こんなにもどや顔のミラが可愛いんだから。私もママと呼ばれることが嬉しかったみたい。もうミラが娘以外には考えられなくなっている。どんなミラでも可愛い気がしてきた。親バカなのかな。
「じゃあそちらに向かいましょう。」
***
しばらく歩くと、ようやく舗装された道が見えた。
「やっと抜けたー!」
「抜けたー!」
ミラも私に真似した両腕をあげて叫んでいる。
「ふふふ、二人ともそっくりね。本当の家族みたい。」
「パパも一緒で家族だよ?」
何を当たり前なという顔でネリネを見る。
「そうだね、みんなで家族だよねー!」
私もミラにのっかって、ネリネを見る。
「もう、二人とも可愛いわ! 」
二人まとめてネリネに抱き締められた。
私もミラも笑顔になる。
ますますミラが頬を擦り付ける。
スリスリスリ
ちょっと長くない?
スリスリスリスリスリスリ
え、あの
スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリ
「も、もういいよ!」
ようやく、ネリネは満足したのか離してくれた。
「うぅー頬が痛い。」
「二人の成分を充電できたわ。」
私たちが疲れた分、ネリネは満たされたような顔をしている。
「もう、ネリネひどいよ。」
「パパー。」
「二人とも可愛いのがいけないわ。」
なんかキリッとした顔で言われた。
ネリネもすっかり親バカになっている気がする。
いや、もとからそのままだった気がする。うん、もとからだった。
「気を取り直して、行きましょうか。」
「なんか腑に落ちない。」
「パパの愛が大きいー。」
先を歩くネリネの後ろをついていった。
「きゃあぁー!!」
どこからか悲鳴が聞こえた。
「今のは!?」
「誰かの悲鳴みたい! ネリネ、そこにいくよ!」
「やっぱりリリーちゃんならそういうと思ったわ! ミラちゃんは私が背負っていくわ!」
「わわ、パパすごい!」
ネリネがミラを背負う。
「先にいくね! フライ!」
私は飛行の魔法を使って、ネリネより先に悲鳴の方向に飛んだ。




