武器を見ます
「次は武器を見ましょ。」
「リリーちゃんってどういった戦い方をするの?」
「えーと、とにかく魔法で攻撃です!」
「だったら杖かしら。魔法の発動をスムーズにしてくれるわ。確か、売れ残……じゃなくて、いいのがあったはず。」
売れ残りと聞こえたのは気のせいなのだろうか。
出してきたのは、私の体でも持てるくらいの杖だった。
片手でも持てるぐらい。というか、私の腕ぐらいの長さしかない。
「あ、あの、これは本当に杖なんですか?」
「あら、これでも魔法の発動をスムーズにしてくれるわよ。小さい子が持つ姿を見たくてね、作ってみたのだけど誰も買ってくれなくて。」
それはそうだろう。だって、見た目がお遊びに使うようにしか見えない。杖の先端にはご丁寧に星までついている。これで実践用の杖と言われても普通は信じないだろう。
「どうかしら。リリーちゃんが持つととってもかわいいと思うの! 今ならあの耳付きパーカーとセットで安くするわよ!」
それでもさすがに、これは悩んでしまう。なんせ、冒険者は見た目が命。舐められたら終わってしまう。
私が悩んでいると横から興奮した声がした。
「リリーちゃん買いましょう! 大丈夫、似合わないなんてことはないから。むしろこれはリリーちゃんのためにあるようなものよ!」
「ね、ネリネ。落ち着いて。これを着てる私を想像してみて。」
ネリネに舐められてしまうことを伝えようとした。
「かわいいと思うわ。」
しかし、意図を読み取ってくれなかった。無駄にキリッとした顔で返されてしまった。
「違うよ!? 冒険者は舐められたら終わりってことを言いたいの!」
「何を今さら。どんなことをしてもリリーちゃんは可愛いんだから。舐められないようになんて無理だよ。」
なんか当然といった感じで返されてしまった。
ものすごく不服だ。
「そ、そんなことないもん!」
「あはは、私もネリネとどう意見かな。」
「お姉さんまで! むー。」
「もう諦めて買っちゃいましょ。」
「そうよ。それに、舐めらたくないなら私が常に周りを威圧するわ!」
「うぐっ。そこまでいうなら……。」
「「やったぁー!」」
こうして私の武器も決まった。
「はあ。ウサギ耳付きのパーカーと星付きのおもちゃ杖で冒険者をやっているのかな。」
「大丈夫よ。強ければどうとでもなるわ。」
「ネリネの言うとおりよ。それで値段だけど、銅貨5枚でいいわ。」
普通の防具と武器をセットで買うなら最低でもその2倍、銀貨1枚はかかる。まして、見た目はともかくこの性能ならもっとかかるだろう。
「いいの?」
「ええ、どうせ売れ残りだし。リリーちゃんに着てもらえるんだから格安でいいわ。」
「ありがとう!」
「よかったね、リリーちゃん。」
「じゃあ、また来てね。」
「「はーい。」」
カランカラン
こうして、私の初めての武器屋見物ベルの音ともには終わった。
「次はどこに行く?」
「寝袋とかも欲しいな。それに回復薬も買わないと。」
「それなら道具屋ね。こっちよ。」
買ったばかりの防具と杖をもってネリネに手を引かれ、道具屋へと向かった。




