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世界樹物語Ⅰ〜真っ白な鍵〜  作者: hyo
第1章
7/10

病院

「鍵師、ねぇ。」


ユウの話に、医者のハスロは疑問の声をあげた。


問診を受ける中、ユウは正直に聞いてみることにした。

自分が日本から来たことや、鍵師として鍵を集めて回らないといけないこと。

自分の置かれた状況もよくわからず支離滅裂になりながらも、2人は最後まで耳を傾けてくれた。


ただし打ち明けてはみたものの、2人は困ったように顔を見合わせてしまった。


「鍵師ってのはよくわかんないけど、異世界から来てるって事は、もしかして”樹人”ってことなんじゃないの?」


コッチの”ジュビト”と言う言葉に、ハスロは確かにと返した。

また新しい言葉が出てしまった。


「もうそんな時期だったか。でも鍵を集めるなんて話は聞いたことないな。」


「そんな時期?」


ユウは難しい顔で口を挟んだ。

そんな時期ということは、先人がいるということだろうか。


「うん、樹人。何十年かに1度、異界から現れる人のこと。世界樹の使者って呼ばれることもあるかな。突然現れては突然消えていく、不思議な存在って言われてる。」


世界樹の使者。

あの男は、ユウは世界樹に選ばれたと言っていた。

突然消えるというのは、鍵を集め終わったということだろうか。

こんな不確かな情報しかないのに、自分の状況と重ね合わせてしまう。


ジリリリと、アラームのような音がハスロの胸ポケットから鳴り響いた。

ユウは思考の海からグイと引き戻される。


「呼び出しだ。この後のことはコッチに任せるよ。1晩程度なら泊まっていっても構わないし、身体が大丈夫なら退院してしまって構わない。特別悪そうな場所も見当たらないしね。それと、」


ハスロは1度言葉を切り、目線をコッチに移した。


「コッチなら大丈夫だと思うが。さっきの話、わかっているな?」


コッチの大丈夫だよという返答を待って、ハスロはイソイソと部屋を出ていった。

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