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無自覚だけど世界最高の男  作者: かめごろう
第1章 覚醒と覚悟
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7話 目には目を○○には○○を

ようやく7話目です!ブクマ登録よろしくお願いします┏○ペコッ

 盗賊との戦闘から4時間後…。ようやく、もう少しでサラナ山の麓の村へ辿り着く。

 ここまで来れば、かなり気温が下がっている。防寒具のマジックアイテムが無ければ、かなりの拷問だ…。


 「お、おお、おいっ!」 


 「…………。」


 「おお、お、おい、お、おいっ!!!!」


 「なんだよ、うるさいなぁ…。」


 「さ、さっきから、ら、ず、ずっと、よ、よんでんじゃ、ね、ねぇかっ!!」


 さっきから文句を言っているのは、カイン達を襲った盗賊である。いくら盗賊といえども、武器を放棄して降参してきたので、仕方なく村の警備所まで連れて行っているのだ。

 しかし、10人いた盗賊は、今では頭領を合わせても3人しかいないが。


 「命拾いしたんだから文句は言うなっ!!ティアが怖がっているじゃないかっ!!」


 「だ、だが、こ、ここ、これは、な、ないんじゃ、な、ないか?…。」


 何故、盗賊共が文句を言っているのかというと、カインが盗賊の防寒具を取り上げたからである。さっきから盗賊共の顔は真っ青だ。

 いくら殺さなかったとしても、1度殺し合いをした相手にこれ以上の慈悲はない。

 

 「少しは反省したか?ティアがどうしてもって言うから、仕方なく生かしたんだからなっ!」


 「わ、わ、わかっ、た、たよ…。」


 盗賊達は、あそこで死んだ方が楽はできた。どちらにしても、警備所に連れて行かれた後で、犯罪奴隷として一生働くことになる。

 カインは、身内には優しいが、敵対したら徹底する。今回はティアの提案により仕方なく生かしておいたのだ。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 盗賊3人を縛って連行してるカインとは少し離れた場所で…。


 「流石に、ちょっと可哀想だよね…。」


 「だめだよティアちゃん。向こうは、私達に死ぬより酷いことしようとしてたんだからね。あまり情けをかけたら、逆に私達が殺られるよ。」


 「まぁ、一応報酬も貰えるから良かったんじゃないかな。カイは敵対した、特に、命を賭けた相手はいつも皆殺しにしてるからな。」

 

 「カイ兄は私達の為に、少しでも危険を避けようとしているんだよ。手間もかかるしね。」


 「う、うん…。普段ならやらない事だし、私もこういう経験を大事にするよ…。」


 最近、冒険者の登録をしたばかりのティアには、少しきつい出来事みたいだ。

 そんな話をしていると、村の門が見えて来た。

 カイン達は、ギルドカードを見せて、門の警備隊に盗賊を引渡し、事情を説明した。見た目は子供あるが、カインはランクCなので問題なかった。ギルドのランクにはそれ程の重みがある。

 ちなみに報酬は金貨3枚である。

 

 そしてカイン達は、村の宿へと向かうのであった…。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 カインは、宿の受付のおばちゃんに話しかけた。

 

 「すみません。5人なんですけど、部屋空いていますか?」


 「あぁ、空いてるよ。でも、1番広い部屋が4人部屋だからねぇ。部屋割りはどうするんだい?」


 「そうですねぇ…。少し相談して来ます。」


 カインは、みんなの元へ行き状況を説明した。


 「なるほど!さすがの俺でも、女の子達と一緒に寝るとは言えないな。カイと俺で2人部屋、女の子達は3人部屋っ感じかな?」


 「「「えっ!!!あのヒロくんっ(バカ兄貴)が!!!!」」」


 女の子達3人は、とても驚愕の表情である。まさに青天の霹靂…。


 「ちょっ!!!俺の印象マジ最悪じゃねぇかっ!!!!流石にそこら辺の事は弁えているさっ!」


 カインは、ヒロの肩に手を乗せながら。

 

 「ヒロ…。お前も我慢って事を覚えたんだな…。俺は嬉しいっ!」


 「うぉぉーーいっ!!俺は子供かっ!!!!」


 「「「「子供だろ(でしょ)。」」」」


 「………………。まぁ確かに子供だな。」


 うん、カイン達はまだ12歳くらいなので子供である。

 無かったことにして、カインは話を切り出す。


 「それはどうでもいいんだけど、結局部屋割りはどうする?」


 「え、えーとね…。私はいつも通りカイくんと一緒に寝たいなぁ…。」

  

 エルミナが、おずおずといった感じで手を上げた。顔はほんのり赤い…。

 銀髪の美少女が、恥じらいながら手を上げる姿は非常に可愛い。可愛いのだが…。


 「「「えっ!!!」」」 「うん、いいよ。」


 カインと他の3人の反応は違う。


 「あ、ありがとう、カイくん…。」


 「……………。て、ちょっと待てぇぇーーーーーいっ!!!!お前ら一緒に寝てんのかっ!!!!」


 「あぁ、物心ついた時からずっと一緒だけど。それがどうかしたのかな?」


 「どうかしたのかな?…じゃねーーよっ!!!!まじかよお前らっ!!!しっ、知らなかった…。」


 カインは平然と答えるが、エルミナ以外はそうは行かない…。


 「カ、カイ兄とエルミナちゃんが…。ず、ずるい…。」


 「…………。いいなぁ…。」


 スズとティアは羨ましいそうに2人を見ている。

 

 「きょ、今日からお前らも2人で寝るの禁止なっ!!その歳になってそう言う事はダメだっ!!!これは、一般常識だからなっ!!羨ま…けっ、けしからんっ!!」


 「ん?そうなのか。じゃ仕方ないなぁ。俺とヒロで2人部屋にするか。」 


 カインは受付のおばちゃんの元へと向かった。

 カインはよく分かってなかったが、そう言う事もあるんだなぁ的な考えなので、あっさりと改めたようである。


 「ふぅ…。なんて奴らだ…。」


 ヒロは一安心したが…。


 「そ、そんなぁ…。」  


 エルミナは、今にも泣きそうな顔である。


 「エルミナちゃんよしよし。」「そのうち良いことあるよ。」


 スズとティアは、エルミナを慰めているが、カインと1人でのそれは許容出来ないみたいだ…。

 そんなこんなで、部屋割りが決まり、各々部屋でゆっくりした後に食堂へ行く事にした。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「ふぅ、この肉旨いなぁっ!!カイっ、これ食ってみろよっ!!」


 「ん?これは雪山に生息する【ホワイトファング】の肉か。へぇ、流石に地元の食材はおいしいね。」


 ホワイトファングは雪山に多く生息するEランクのモンスターである。ファング系統のモンスターの中でも、雪山で育ったホワイトファングは、脂が甘くてとても人気のある食材だ。


 「だろっ!!俺らもサラナ山に入ったら、ホワイトファングも狩って少し持って帰ろうぜ。魔法で凍らせてアイテムバックに入れたら日持ちもするし。」


 「そうだな。でも、やっぱりこういう時はアイテムボックスが欲しくなるなぁ。アイテムバックと違って中の時間も止まるし、容量も大違いだからなぁ…。」


 アイテムボックスは、とても貴重品だ。いくらお金を持っていても、作られる人と材料が限られているので、コネが無いと手に入らない。それで、少し高いが簡易であるアイテムバックが多く出回っている。

 

 てな感じで、談笑しながら食事をしていた5人だったが、こっちに向かって来る10代後半の男達に気が付いた。嫌な予感がしていたカイン達だったが…。


 「やぁ、美しいお嬢様達っ!!そんな汚い顔の……、っ!!。ちょ、ちょっとマシな顔の男共は放っておいて、僕達と一緒に行かないかい?」

 

 結局、こっちに向かっていた3人組の男が、エルミナ達に話しかけて来た。カイン達は美男美女であり、年の割に背も高く、特に女の子達は10代後半と言ってもいいくらいである。カインとヒロは160cm後半で、女の子達は160cm前後の身長だ。

 

 エルミナ達が目当てで来た男達だったが、彼女達しか見ていなかったので、カインとヒロを馬鹿にしようとしていた。が、自分達よりも容姿が整っていた為、少し慌てて言い直している。

 うん、これはアレだ!ナンパだっ!!


 「……。おい、ヒロ出番だ。行けっ。」


 「な、なんでだよ…。どうせ相手にする気もないんだから、カイでもいいだろうが…。」


 「いや、あれナンパだろ?だったらヒロだろ?」


 「いや、意味わかんねぇしっ!!!!」


 「だって、類は友を呼ぶとか、ナンパにはナンパ師をとか…。言うだろ?『ナンパ=ヒロ』…。ほら、適任だろ?」


 「言わねぇーーよっ!!!!てか勝手に『ナンパ=俺』にするなっ!!!あんなん友でも何でもねぇっ!!」


 カインとヒロはナンパ野郎どもを無視して、2人でヒソヒソと話している…。

 エルミナ達は完全に、初めからいない者として扱っている。


 「………。お、おーい!君達聞いているのかい?…。てか、男共はさっきから何をコソコソしているんだっ!!!」


 ナンパ共は痺れを切らし始めている。

 

 「ヒロ呼ばれてるぞ。チャンスだっ!!」


 「呼ばれてねぇしっ!!!てか、チャンスてなんだよ…。はぁ…、仕方ない相手するか。」


 「よっ!流石世界一のナンパ師だっ!!」


 「やかましいわっ!!!!!ちっ、行って来るぜ!」


 ヒロはナンパ野郎どもの目の前に立ち塞がった。

 

 「何だてめぇはっ!!すっこんでろっ!!」


 「ふぅ、お前らはナンパ師失格だなぁ。そんなんだからダメなんだよっ!」


 「な、なんだと…。どういう事だよっ!!」

 

 ナンパ野郎どもは少したじろいだ。

 すると、ヒロは突然熱く語りだした。


 「ナンパってのはなぁ、絶対に成功させきゃならないんだよ。成功確率を上げるために、最大まで高めてから挑戦するもんなんだよ。色々な材料を集めてな。それに、失格する確率が高いのなら絶対に手は出さねぇ。…もう分かってるだろ?自分達じゃもう無理だって。ナンパってのはな、引き際が肝心なんだ。わかったか?」


 ヒロが今まで、1番輝いている!

 そんなヒロからの見えないオーラに圧倒されるナンパ野郎ども。

 

 「す、すみませんでした。こ、これからはもっと精進します。」


 「おうっ!頑張れよっ!!」


 ナンパ野郎どもはそそくさと退場して言った…。

 ヒロはドヤ顔でカイン達の方へと向かったが。


 「「「………………。」」」


 「じょ、冗談だったのに通用するとは…。なんか、まともな事言ってるようにも見えたけど、内容が悪すぎてな…。リアルに引くわ…。」


 「待て待て待てぇぇーーーーーいっ!!!!なんで1番頑張った俺が損してんだよっ!!!ふざけんなぁーーーー!!!」


 「よし、そんな君にはキングオブナンパの称号を与えよう。感謝したまえ!」


 こうして、彼はこう呼ばれるようになった…。

 キングオブナンパ、そう、『ナンパマスターヒロ』と!!


 「全然いらねぇーーよっ!!!!くそっぉおおおおおおおおっ!!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そして、翌日5人はサラナ山へと向かうのであった…。


 ようやくアイアンリザード戦、好ご期待っ!!


 読んで頂きありがとうございました(`・ω・´)b

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