↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無自覚だけど世界最高の男  作者: かめごろう
第2章 修行後と集い
51/65

47話 戦う人達

カインの奮闘は…。

 メリルの鍛冶屋で戦いが始まろうとしていた頃…、一方でカインも奮闘を続けていた…。


 ジェニファの犯した罪の証拠を集める為に、カインがザックへと成り代わりバルシリガ城に来てから5日目…。


 カインは今、ザックの妹リンシアと一緒にバルシリガ城の中にある庭へとやって来ていた。その庭にある長椅子で2人で並んで腰掛けているカインとリンシア。


 「お兄様、これを私にですか?」


 「そうだ。リンシアと先日話をした時に、新しい髪留めを欲しがっていたみたいだから俺が作ったんだ。」


 カインはリンシアに深緑色のリボンを手渡した。リンシアはいつも灰色の金髪を後ろで結んでいるので、その髪によく似合うリボンをカインが天宝製作術により作ったのだ。

 このリボンは『神葉のリボン』といい、SS級以上の品でもある。リボンに魔力を流す事によって使用者の範囲3mを光の障壁で覆う事が可能だ。もちろん、神樹の葉で作ってあるのでナニカの攻撃を防ぐ事も出来る。


 「あ、ありがとう御座いますっ!!とても綺麗なリボンですね…。それに強い力も感じます…。」


 とても嬉しそう言いながらリボンを受け取るリンシア。そして、神葉のリボンから特別な力を感じ取っているようだ。


 「俺が付けてあげよう。ちょっと後ろを向いて。」

 

 「は、はいっ!!」

 

 少し頬を染めながら後ろを向くリンシア。

 カインは後ろを向いたのを確認するとリンシアの綺麗な灰色の金髪をアイテムボックスΩから取り出したくしかし始めた。


 「……櫛なんて持ってました?」


 突然、くしで髪をとかれている状況を不思議に思ったリンシアが尋ねた。


 「まぁ、これも後で説明しよう。俺は従者達や妹の関係で櫛をたくさん持っているから、それぞれ専用の櫛を作っている。そして、これはリンシア専用の櫛だな。」


 カインは最近まで、毎日従者達の髪と尻尾やメルトの髪を櫛でかしてあげていた。なので、それぞれ専用の櫛を使い分けており櫛の所有も多いみたいである。


 「私専用ですかっ!!嬉しいですっ!!」


 とても弾んだ声で喜ぶリンシア。後ろを向いているので顔は見えないが、とても笑顔なのは間違いないだろう。

 

 そして、5分間櫛でリンシアの髪を梳かしたカインは神葉のリボンを後ろで髪を束ねて結んであげた。


 「これでよしっ!!」

 

 意外にも髪をかす事にはこだわりを持っているカイン。孤児院にいた頃からエルミナやスズの髪を櫛でかしていたので無駄にスキルが高い…。

 

 「わぁっ、髪がサラサラになっていますっ!!ありがとう御座いました、お兄様っ!!」


 特別な櫛でといたリンシアの髪は非常にサラサラになっていた。その事に感動したリンシアがカインに抱きつく。


 「お気に召したようで良かった。」


 抱きついたリンシアの頭を撫でながら微笑むカイン。5日間で2人もかなり仲良くなっていた。


 そんなカイン達のところへ……。


 「ザックちゃーーんっ!!」


 難敵デブエルフのジェニファがザックを探してやって来たようだ。

 それにより、現在もザックに偽装しているカインは作った笑顔で演技を始めた…。


 「お母様、どうかされたのですか?」


 完璧な微笑みを作りながら問いかけるカイン。


 「もうっ!またリンシアと一緒に居るなんてっ!!」


 少し口を尖らせながら文句を言うジェニファ。顔は若く見えるが、かなりが太っているので可愛くない…。


 「私はナタリシア家で色々と学んで帰って来たと言ったはずです。こうして、自分の妹とも今まで出来なかった分だけ交流を深めているのです。」


 一応、ジェニファにもザックが更生したむねを伝えている。毎日ジェニファと一緒に居るのが辛いので、妹と交流を深めている事にしているのだ。


 「まぁっ!!私とも交流を深めるのは大事だわっ!!」


 「お母様とは、十分深まっている筈です…。」


 さっきまで3時間以上ジェニファの相手をしていたのに、まだ足りないと言っているジェニファに対して内心呆れているカイン。

 このバルシリガ家に来てから、殆どの時間をジェニファと過ごしているカインは非常に疲労が溜まっている。


 「ダメよっ!!ザックちゃん、一緒にお買い物に行きましょっ!!」


 無理やりカインの腕を引っ張っていくジェニファ。


 「ちょ、お母様っ!!昨日も行ったではないですかっ!!」

 

 物凄い力で引きずられるように連れて行かれるカイン。なんとか抵抗を見せるが…。


 「昨日は昨日、今日は今日だわっ!!」


 やっぱり、ジェニファを止めるのは無理のようだ。そんな言葉を聞いたカインは、渋々諦めてジェニファの買い物に付いて行くことになってしまった……。


 そんなカインを見ていたリンシアは…。


 「カインお兄様…頑張って下さい……。」


 小さい声で呟きながら、心配そうに見守っていた。スナイデルの準備が出来るまで、カインはジェニファと相手をするしかないのだ…。


 なんとなくリンシアの思いを感じ取ったカインは…。


 (はぁ…。リンシアも応援してるし、結局は頑張るしか無い…。)


 ジェニファに引きずられながら、完全に諦めてしまったカイン。作戦成功の為に自らを犠牲にして地獄へと向かうのだった…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「カイン様の敵は死んでください…。」


 ソフィアが高速でエルミナに詰め寄っていく。

 あまりの速度により、近接戦闘が得意では無いエルミナの反応が遅れる…。


 「エルミナ様っ!!!」


 アンドラは、咄嗟にエルミナの前に出てソフィアの攻撃を受け止めようとするが……。

 

 シュッ!!


 ソフィアの姿が攻撃を受け止めようとしたアンドラの目の前で消えた。


 「なっ!!」


 そんなソフィアの動きについていけなかったアンドラは驚愕する。そして、姿を消していたソフィアは一瞬でエルミナの隣まで移動していた。

 

 「エルミナ・アフェリー…。カイン様を裏切った事を謝罪しながら死になさい。」


 短剣を両手に片方ずつ持っているソフィアが、そんな言葉を放ちながらエルミナに斬りかかる。


 「くっ!![インパクト]っ!!」


 咄嗟に無詠唱で無系統の中級魔法インパクトを発動させたエルミナ。ソフィアに向かって衝撃波が発生する。


 ドォンッ!!


 短剣の当たるギリギリのタイミングで、エルミナの魔法によって吹き飛ばされるソフィア。

 しかし、5mくらい吹き飛ばされたが直ぐに空中で一回転をして体制を立て直した。


 「…………無詠唱ですか…。」


 周りに濃い殺気を放っているソフィアは、物凄い笑顔をエルミナに向けながら呟いた。

 

 「エルミナ様っ!!ソフィア様が完全に戦闘態勢に入ってしまいましたっ!!あの方が笑顔で攻撃なされている時は、もう誰にも止められませんっ!!」


 再び、エルミナの元へ駆けつけて注意を促すアンドラ。しかし、エルミナの方も引く気は無いみたいで…。

 

 「アンドラは下がってっ!!私もあんな事を言われて黙っていられないよっ!!」

 

 ソフィアにカインを裏切ったと言われて、珍しくエルミナが怒っているようだ。

 袋型のアイテムボックスから自分の武器である錫杖しゃくじょうを取り出して構える。


 「いいでしょう…。カイン様を悲しませた貴方を私は許す事が出来ません。

  全力で殺して差し上げます…。」


 その言葉とともに殺気を最大限に放ち始めるソフィア。さっきまでフィリップに向けていた殺気と比べても数十倍は濃い殺気である。


 「凄い殺気…さすがナイトリーツ家の長女だね…。でも、カイくんの隣に立つ為には同じ皇族である貴方に遅れを取るわけにはいかない……。」


 エルミナの身体から魔力が溢れてきた。エルミナの髪の毛と同じ、輝く銀色の光を周囲に放ち始める…。


 「貴方にはカイン様の隣に立つ資格はない…。」


 1人の男を巡る女の戦い、ソフィアとエルミナの戦いが今まさに始まろうとしていた…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 一方、アルディオとフィリップは…。


 「よし、では我らもはじめるかっ!!」


 エルミナとソフィアの戦い見ていたのたが、突然アルディオがフィリップに告げた。

 ソフィアの成長に1人でうなずいていたフィリップだったが……。


 「お前…何を言っているんだ?」

 

 よく知りもしない、自分を変態扱いする背の低い狼耳を持つ美少女に疑問を持った。


 「ん?殺り合うに決まってるだろっ!!」


 その言葉とともにアルディオがフィリップとの距離を詰めていく。


 「おいっ!!何でだよっ!!」


 まさかの行動に咄嗟に距離をとるフィリップだったが、アルディオの方が早かった…。


 ドンッ!!


 「うぉぉぉおおーーっ!!」


 一瞬で距離を詰めたアルディオにお腹を殴られたフィリップは吹っ飛んでいく。

 そして、そのまま壁まで一直線に向かっていき…。


 ドガンっ!! 


 フィリップが壁に直撃し、大きな音を立ててながら壁までふっ飛ばした。そして、ぶつかったフィリップの身体はそのまま外に出てしまう…。

 それにより、メリルの鍛冶屋には大きな穴が完成…。


 「弱いな変態兄貴っ!!主なら軽々かわせる攻撃だぞっ!!」


 壁に出来た穴から外で転がっているフィリップを見るアルディオ。しかも躱せなかった事に文句を言っている。いきなり奇襲をしかけているのに酷い言い草だ。


 「は、はやい…。俺が躱せないだと…。」


 ヨロヨロになりながらもなんとか立ち上がったフィリップは、アルディオの攻撃に驚いていた。

 速さには定評があるナイトリーツ家の長男フィリップ。まだ15歳と若いがナイトリーツ家の者が躱せなかったのだ。見た目同世代の美少女の攻撃を、不意打ちとはいえ躱せないとは思わなかったらしい。


 「この程度で主を殺そうなどと……お前は噛犬ごうけんみたいな奴だなっ!」


 噛犬もといチンバンと同じく口だけの奴だと言っているアルディオ。実際はチンバンもフィリップも強いのだが、神獣が相手では可哀想である。


 「誰だよっ!!……ちっ、思ったより重たい一撃だったな…。」


 反論したフィリップだったが、アルディオに喰らった一撃が結構堪こたえてるらしい。舌打ちをしながら身体の痛みを我慢している。


 「主は優しいから、お前が侮辱しても何もしないだろう。だが、従者としては殺すと言われて黙っていられない。

  それと……我も暴れたいのだっ!!」


 最後に本音が漏れるアルディオ。なんだかんだ言っても暴れたいだけなのだ。


 そして、再び超高速でフィリップに詰め寄っていくアルディオ。


 「くそっ!!」


 身体のダメージが残っているので思うように動けないフィリップは回避が遅れてしまい、もう一度アルディオの攻撃を…。


 「そこまでですっ!!」


 その声を聞いたアルディオの身体がピタッと止まった。あと1秒遅かったらフィリップの身体は再び吹っ飛んでいただろう。

 

 アルディオはその声の持ち主を見て…。


 「…………お前は…。」

次回、停戦協定…。


読んで頂きありがとう御座いました┏○ペコッ

ブクマ登録、感想評価もよろしくお願いします。

誤字脱字などのご指摘がありましたらお願いします(;•̀ω•́)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。