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無自覚だけど世界最高の男  作者: かめごろう
第2章 修行後と集い
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37話 危ない実験

カインVS竜型ナニカ…。

 「さぁ、始めようか…。」


 カインは、ゆっくりと竜型ナニカに向けて歩き始めた。しかも、左手は漆黒の刀『天夜叉』にえたままだ。

 

 キュルルルルルルッ!!!


 まだ完全に闇のゲートから出ていない竜型ナニカだったが、そのままの状態で闇オーラを溜め始めた。再び、あのブレスを放とうとしているのだろう。


 「…………………。」


 しかし、そんな様子を見てもカインの歩みは止まらない。ゆっくりと、そして静かに竜型ナニカに向けて進み続ける。

 カインと竜型ナニカの距離は現在50m…。


 「グルルルルルルルッ!!!!」


 ブォォォォオオオオッ!!!!


 その時、竜型ナニカはオーラの収束を終えて、雄叫びを上げながら闇のブレスをカインに向けて放った。

 50mと短い距離、広範囲で高速にカインへと迫っていくブレス。

 そして、そのままカインに直撃して………いや、カインの身体が消えた。


 「遅い…。」


 突然、竜型ナニカの側面にカインが出現。縮地法により、一瞬で側面まで移動したのだ。直線的に広範囲のブレスだったが、側面がガラ空きだった。

 そして、カインは呟きながら漆黒の刀を抜き、隙だらけの竜型ナニカに向けて闘技を放つ。


 「……[五景天斬光]。」


 火、水、風、土、雷の闘気を順番に刀に纏わせた闘技をほぼ同時に5つ放った。凄まじい闘気を纏っている5つの斬撃は、超高速で竜型ナニカへと向かって行く。


 シュウ…。シュウ…。シュウ…。

 

 しかし、初めに着弾した3つの斬撃は竜型ナニカの身体に吸収された………だが、残った2つの斬撃が切り裂く。


 ブシュッ!!!!ブシュッ!!!!


 「グギャァァァァアアーーっ!!」


 カインの闘技により、竜型ナニカの吸収量を超えた攻撃を受けて身体の右半分が飛び散る。それにより、竜型ナニカは自分の身体が飛び散った痛みで叫び声を上げた。


 (上級闘技を5つ放って半分以下のダメージか……。それに、痛みは感じるだろうが傷の方は…。)


 先程カインの放った闘技は、天夜叉の能力を使って放ったオリジナル技だ。上級闘技の[一天斬光]を天夜叉の能力で5つ発生させて、それぞれ違った系統で放ったのだ。{火、水、風、土、雷の系統。}

 カインの持つ全系統の闘気と、放った斬撃を増加させる天夜叉の2つが無ければ絶対的に使えない闘技だ。


 「グルルルルルルルッ!!!!」


 竜型ナニカは雄叫びを上げた。そして、飛び散った身体が再生を始めている。やはりエレメント以外の攻撃では、どんなに破壊しても再生されるようだ。


 (やっぱり、闘技では再生されてしまうな…。

  次は、同じ部分を通常攻撃で連撃したらどうなるか試してみるか…。)


 カインは、自分の放つ上位の闘技でも再生される事を確認した。あの闘技でもダメージを再生されるなら他の闘技でも然程さほど変わらないと判断をする。

 そして案外、通常攻撃でも効くかもしれないので実験として試して見ることに決めた。

 

 「グルルルルルルルッ!!!!」


 完全に再生を終えた竜型ナニカがカインを威嚇している。物凄い死のオーラを全力で展開した。

 しかし、カインには全く無意味な威嚇である。


 「その程度のオーラでは話にならない。俺を震え上がらせたければ、もっと濃いオーラを放つんだな。」


 「グルルルルルルルッ!!!!」


 竜型ナニカは、カインの発言を理解したのか更に威圧を高める。だが、それでもカインには意味が無い。


 「さて、次は俺から行くぞ…。」


 発言とともに、再びカインの姿が消えた。そして、一瞬で竜型ナニカの背面に姿を現す。

 そのまま漆黒の刀で竜型ナニカを一閃。


 ドロン…。


 しかし、天夜叉の刃が全く通らずに、すり抜けてしまった。それでもカインはそんな事は気にせず同じ部分を連続で斬り付けていく。


 ドロン…。ドロン…。ドロン…。ドロン…。

 ドロン…。ドロン…。ドロン…。ドロン…。

 ドロン…。ドロン…。ドロン…。ドロン…。


 天夜叉の能力で、一度斬るたびに複数の斬撃が追加される。超高速の斬撃が複数に膨れ上がり、5秒間で数百以上竜型ナニカを斬り付けていた。

 

 「グルルルルルルルッ!!!!」


 ドォォォォンッ!!!!ドォォォォンッ!!!!ドォォォォンッ!!!!


 竜型ナニカもただ黙って斬られている訳じゃない、巨体な身体を振り回して暴れている。しかし、その攻撃全てをカインにかわされた。


 「そんな攻撃が当たるわけ無いだろ。

  お前はただ俺に斬られておけっ!!」


 そして、カインは再び同じ部分への攻撃を開始した。超高速の斬撃が竜型ナニカを襲う。


 ドロン…。ドロン…。ドロン…。

 ドロン…。ドロン…。ドロン…。

 ドロン…。ドロン…。


 ドォォォォンッ!!!!ドォォォォンッ!!!ドォォォォンッ!!!


 ドロン…。ドロン…。ドロン…。

 ドロン…。ドロン…。ドロン…。

 ドロン…。ドロン…。ドロン…。ドロン…。


 ドォォォォンッ!!!!ドォォォォンッ!!!ドォォォォンッ!!!


 カインは竜型ナニカの同じ部分を超高速で斬り付けながら、相手の攻撃を躱し続けている。

 もう既に、数万回以上斬り付けているが全く変化が見られない。


 (キリが無いな。それなら次は……。)


 このままでは無駄な攻撃で終わると思い、そろそろ次の手段に変更しようと思ったその時……。


 ドロン…。ドロン…。ブシュッ!!!!


 「グギャァァァァァアーーッ!!!!」


 突然、竜型ナニカの身体が斬れた。カインが連続して同じ部分を斬り付けていた所だ。

 これで、全く闘気を使っていなくても吸収量を超えてダメージを与える事が可能だと分かった。

 カインが、わざわざこのような事をしたのには理由がある…。


 (ようやくダメージを与えられたか…。この天夜叉でもかなりの時間がかかったな。

  しかし、通常攻撃だけでもダメージが入るという事は、ナニカを武器だけでも倒せる可能が生まれた…。

  エレメントだけに頼らないで、対ナニカ専用の武器の開発をしてみる価値はあるな……。)


 カインがずっと作りたかった物、それは対ナニカ専用の武器や防具の製作だ。エレメントが使えない者でも倒せるようにしたいと思っていた。

 エレメント主義ではない世界を作る為には、エレメント無しでもナニカを討伐できるという事が必要なのだ。


 そんな事を考えながら、再生を始めた竜型ナニカを眺めていたカイン。自分のスピードがあれば、相手の攻撃を受ける事は無いと思っていた。

 だが、次の瞬間…………。


 「グルルルルルルルッ!!!!」


 ドガァァァァァァァァァァンッ!!!!


 突然、再生途中だった竜型ナニカが爆発した。凄まじい闇の力による圧力が、カインに一気に向かってくる。


 「なっ!!!」


 まさかの爆発にカインの反応が遅れた。しかも、爆発は3kmの範囲で起こっているので避けられない。


 「ちっ!!![ホーリーバリア]ッ!!」


 咄嗟に魔力を練り上げて、光のバリアを張るカイン。しかし、ナニカの闇の力はエレメント以外では防げない。


 パリィィィンッ!!!!


 カインの張ったバリアは、ほとんど抵抗無く割れてしまった。そして、凄まじい衝撃波と闇の圧力がカインに直撃する。

  

 「ぐっ……。」


 カインの身体が吹き飛んでいく。咄嗟に刀を持っている左手を前に出して防いだものの、全く意味が無く身体の左半分が弾け飛んだ。


 そして左半分消失により、身体のバランスが崩れたカインは体勢を立て直す事が中々出来ない。そのまま、かなりの距離を吹き飛ばされていく。


 (くそ…。少し甘く見ていたか…。)


 巨体でそれなりに速度はあるが、自分には当たらないと思っていたカイン。まさか、広範囲の爆発を再生の途中に引き起こすとは予想外だった。


 それでも、何とか体勢を立て直して地面へと着地する。しかし、身体の左半分をもっていかれたので、かなり出血していた。

 更に……。


 キュルルルルルルッ!!!!

 

 遠くの方から、ブレスの収束音が聞こえてきた。再びカインに向かって放とうとしているようだ。


 (ははっ、容赦がないな……。

  ようやく向こうも本気を出してきたという事か…。)


 カインは苦笑しながら、追撃のブレスを放とうとしている竜型ナニカについて考えた。どうやら向こうも手加減していたみたいだ。

 とりあえず、カインは消失した身体の治療を行う。


 「再生の天光を[リジェネレーション]。」


 カインは上級仙術を発動させた。全身を淡い青色の光が包み込んでいく。そして、身体の左半分が再生を始めた。


 「グルルルルルルルッ!!!!」


 ブォォォォオオオオッ!!!!


 しかし、竜型ナニカが先にブレスを放出した。距離はあるが超高速で一直線にカインへ向かって来る。


 「ちっ!![飛翔天翼]っ!!」


 カインは、向かって来るブレスに舌打ちしながら仙術を発動させた。すると、カインの背中から光の翼が出現する。


 ブォォォォオオオオッ!!!!


 竜型ナニカのブレスが近くまで迫って来た。

 まだ再生が完了していないカイン。しかし、先程仙術で作った翼を羽ばたかせて、空へと向けて上昇を始めた。


 ブォォォォオオオオッ!!!!


 カインは空を飛ぶ事で、ぎりぎりブレスを回避する事が出来た。そして、そのまま空を羽ばたこうとするが何かの力によって翼が消失する。


 (……やっぱり、この樹海では飛行を制限されるらしいな…。だが、そろそろ肉体も再生を終える頃だ。)


 カインは、地面に向かって落下しながら肉体の再生が終わるのを待った。そして、淡い光が消えていき完全に元の身体へと戻ったようだ。


 キュルルルルルルッ!!!!


 再び、遠くから収束音が聞こえて来る。再びブレスを放つつもりだろう。

 その音を聞いて、治療を終えたカインは…。


 (近くに行けば、回避不可能な大爆発を起こすかもしれない。だが、遠くにいてもブレスで狙われるだけか……。

  それなら俺もここから絶技を放って、覇気ならナニカを倒せるのか確かめてみるか。)


 カインは、アイテムボックスから『デュランダル《天光》』を取り出して右手に持った。そして左手の天夜叉と右手のデュランダル《天光》をそれぞれ鞘から抜いて構える。


 「グルルルルルルルッ!!!!」


 ブォォォォオオオオッ!!!!


 竜型ナニカがカインに向けて再びブレスを放ってきた。

 そして、カインも覇気を溜め始める。


 ゴオオオオオオ…。


 両手に持つ剣と刀から覇気が溢れ出て、凄まじい圧力によって周囲の空間が振動を始めた。

 

 ブォォォォオオオオッ!!!!


 先に竜型ナニカのブレスが目の前まで迫ってきた。しかし、そのブレスに対してカインも絶技を発動させる。


 「滅びよ…[ジャッジメント《終焉》]…。」

次回、ナニカの弱点を…。


読んで頂きありがとう御座いました┏○ペコッ

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