21話 作戦名は…
作戦はいかに…。
本日は、シリアクヤ王国の王様ダマン・シリアクヤに会いに行く日だ。
ただの平民であるカイン達が行ったところで、あの下衆は会ってくれないだろう。なので、会う為の作戦を考えていた。
その作戦名は…。
「背後から瞬殺作戦ですね。」
「正面から蹂躙作戦だ。」
「………お前ら、話聞いてなかったろ…。」
元貴族の奴隷商人キリークと緻密な作戦を話し合ったのに、全く理解してなかったアルディオ。
そして、後から説明したが自分の得意な隠密で暗殺すると言ってるソフィア。
完全にキリークと話し合った作戦を無視した作戦名に呆れるカイン。
「お前ら、殺す事は確定じゃないからな。もし殺して白だったらどうすんだよ?」
「「あの男の責任だ(です)。」」
「鬼かっ!!キリークが処刑されるわっ!!」
後先を全く考えてない野獣二匹。後処理を任せたキリークが哀れになってくるカイン。
「もう一度説明するから、ちゃんと聞けっ!」
「うむっ!」「はいっ!」
何だかんだ言っても、きちんとカインの言う事には順従であり、素直で可愛い従者達。
「ふぅ…。素直でよろしい。
まず、ソフィは城に潜入して城内の様子を伺ってくれ。
その後は俺の近くに居て、直ぐに行動に移せる場所に待機。もし戦闘になったら遊撃としての役割を任せた。」
「はいっ!隠密はお任せ下さいっ!」
カインに向けて満面の笑顔で返事をする狐耳メイド。現在は、カインに『ソフィ』と愛称で呼んでもらっているので非常に喜んでいる。
「で、アルはキリークと城の近くで待機。
戦闘になったら俺が合図を送るからキリークと一緒に突入してくれ。
一人では絶対に突っ走るなよ。味方まで攻撃しそうだからな。」
「うむ、心得た。」
戦闘しか能がないアルディオは、豊満な胸を張って答える。キリークが駄犬の手綱を上手く引く事を願う。
「そして、俺は正規の手続きで謁見する。キリークの代理奴隷商人としてダマン(王)に会って、なんとか上手く聞き出してみせる。
まぁ、戦闘なった時は全員で行かなくても、俺だけで十分かもしれないけどな。」
カインはキリークの代理として、奴隷についての現状報告をする。そして、その後失踪した元国の王族についても聞き出すという訳だ。
正直、何かあった時の為にソフィアとアルディオを待機させているが、たとえ戦闘になってもカイン一人でも十分なのだ。
「これがキリークと考えた作戦だ。遊びじゃないから普段みたいな態度をとったら…俺は許さない。」
「はい、分かりましたっ!」「うむ、大丈夫だっ!」
もしかしたら、人の命も関わってくる。そんな作戦に遊び半分は許さないカイン。二人もそんなカインの気持ちは分かっているので、もちろん了承した。
(………要するに、普段はふざけてるのか。)
頷く二人に、何か納得出来無いカインだった。
「後は……まぁ、いっか。
ソフィっ!昨晩作ったメイド服一式を渡しておこう。無圏内で狩ったモンスターの素材から作った物だ。俺特製のかなり良い品だぞっ!」
昨晩カインは、鍛錬の時間を削って(それでも鍛錬はした)ソフィアの戦闘用メイド服を作っていた。Sランクのモンスターを贅沢に使用して、カインの術を付与をさせた完全特注品だ。
「あ、ありがとう御座いますっ!!!カイン様から正装を頂いて感激ですっ!!」
ソフィアは耳と尻尾を物凄い動かして、泣きながらカインに詰め寄って来る。
とりあえず、可愛いので撫でてあげる。
「良いなぁ…。頭ナデナデ…。」
ついでにアルディオも撫でてあげる。
「さすが主だっ!」「えへへ…。」
カインに撫でてもらって、二人ともかなり嬉しそうだ。喋ってない従者達は可愛いものだ。
「まぁ、作戦前に着替えておけ。その『メイド服《月影》』は、隠密性と耐斬撃性に優れた物だ。靴と服は全ての音を吸収して無音で移動出来る。それに感知遮断も繊維に編み込んでいるので、察知される事は殆ど無い筈だ。」
「はいっ!完全に私専用ですね。この服の性能に見合った活躍をして見せますっ!!」
「ソフィ、期待しているぞっ!」
まだカインに撫でられているソフィアは、とても嬉しそうにガッツポーズをしている。先日隠密技も見せてもらったので、カインもソフィアを信頼している。
「主よ…我には無いのか?」
ソフィアがあまりにも嬉しそうにしているので、アルディオが羨ましそうにしている。
「アルには舞踏の衣を作っただろ?それに、天狼の篭手もな。」
「て、天狼の篭手には我の毛を……。」
大事な毛を切られた件を思い出して、アルディオは俯いてしまった。
「その件は、俺がお前にキスしてあげた事で終わったはずだ。」
「キ、キ、キスをカイン様がぁぁぁーーっ!!」
突然、ソフィアが叫びだした。カインがアルディオにキスをしたという事に反応したようだ。
そんな、ソフィアに対して首を傾げるカイン。
「キスなんて親しい女の子との挨拶だろ?
どうしてそこまで反応するんだ?」
「そんな理由でキスするなら親しいにも程がありますっ!!それは一定以上の間柄での挨拶ですよっ!!」
「俺とアルディオは親しい間柄だし、ソフィともそんな間柄だと思っていたが……。俺の勘違いだったんだな…。」
自分はソフィアと親しい間柄になったと思っていたカインは少し残念な様子だ。しかし、ソフィアはそういう意味で言ったのでは無い。
「か、勘違いじゃ無いですっ!!!私とカイン様はとても仲が良くて、キスも出来る主従関係ですよっ!!」
ソフィアは慌てて否定する。
「そうか、良かったよ。なら、ソフィともキスをしようか。」
と、言いながらカインはソフィアに近付いて行く。
近付くカインに身体が固まるソフィア。
そして、カインの唇がソフィアの唇に近付いて…。
「んんんーっ!!!」
カインの唇に口を塞がれたソフィアは、声にならない叫び声をあげた。ソフィアの顔は真っ赤である。
そして暫くキスをして、カインはソフィアから離れていった。
「どうかしたのか?顔が赤いぞ。」
ソフィアとは反対に平然としているカイン。これが恋人同士がやる事の自覚は全く無い。
カインの無自覚の被害者?は、ソフィアで5人目だ。
「………は、初めてのキス。
こんなに早くカイン様と出来るなんて…。」
一人でボソボソと呟くソフィア。顔を真っ赤にして俯き、余韻に浸っている。かなり嬉しそうである。
「主よ…キスのハードルだけは低いな…。」
子供が欲しいと言っているアルディオは、カインに猛アタックしているが相手にされない。だが、キスだけは頼むと直ぐにやってくれる。
「はぁ…。女の子は難しいな…。」
よく分からない女の子の行動に溜息が出るカインであった。
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カインは一人で王城にやって来た。キリークの代理奴隷商人として、当たり前のように手続きをする。
「なるほど、キリーク殿は休みか。………通行証も持っているな…。よし、通っていいぞ。」
キリークの代理証明書と通行証を見せて、すんなりと門番に通してもらったカイン。ここまでは順調な流れである。
アルディオとキリークは城の近くで隠れて待機しており、ソフィアも先に城内に侵入している。
カインは城の兵士に案内された部屋で、ダマン(王)に呼び出されるまで待機していた。
兵士は扉の前で待機しており、部屋の中はカインだけである。
(予定通りに行きそうだ。後はどうやって話を失踪事件に誘導するかだが、まぁ考えはある。
今は武器を所持していないが、この腕輪がマジックボックスだとは思わないよな。まぁ素手でも武王術が使えるので問題は無い。
しかし、一応三色のエレメント顕現者だから油断せずにいくか。)
計画通りに進めるための最終確認をするカイン。もうすぐ会う事になるダマン(王)と、うまく駆け引きしていく予定だ。
色々と準備していたその時……。
ドォォォォォンッ!!!
「っ!!!」
突然、遠くの方から爆発音が聞こえて来た。城内が慌ただしくなってくる。
カインは扉を開き、待機していた兵士に声を掛ける。
「何があったんですか?」
「わ、分かりませんっ!!どうやら城門の方から音はしましたけど、それ以上の事は…。」
「城門ですか…。」
一国の城の城門が爆発したという事は、誰かが襲撃して来たと見て間違いないだろう。
普通は、そんな馬鹿な事する奴がいるとは思えないが一人だけ心当たりが有る。
〘正面から蹂躙作戦だ。〙
アルディオの言葉がカインの頭をよぎる。あの音がしたという事は確実にそういう事だろう。
「と、とりあえず私は様子を見て来るので、カイン殿はこの部屋で待機して下さいっ!!」
そのまま兵士は城門に向かって走り去った。
その場に残されたカイン。
「おい、ソフィっ!!近くに居るかっ!!」
カインは気配を感じ無かったが、一応ソフィアに大きな声で問いかけてみる。
「…………………。」
やっぱり近くには居ないみたいだ。
少し思案するカイン。
(確証は無いが、アルの仕業に違いない。このままではダマンに会えない可能性もあるが…。バカだが俺の命令を勝手に無視するアルでは無いという事は、多分予想通りか………。
それに、ソフィも近くに居ない。俺の近くで隠れて待機の筈だったが、偵察中に何か発見したか?それに……。)
〘背後から瞬殺作戦ですね。〙
一瞬、ソフィアの言葉が頭をよぎる。
カイン直感が当たっていれば、この次に起こる事は………。
ドォォォォォンッ!!!
「っ!!!」
今度は謁見の間から爆発音がした。
誰かがダマンを狙ったという訳だ。
「ふぅ、始まったか……。」
一言呟いて、カインは謁見の間に向かった。
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時は遡り、カインが城内に入っていった頃。
「キリーク、そなたは旧王族が失踪した事についてどう思っているのだ?」
城近くで待機していたアルディオが、突然奴隷商人キリークに話しかけた。
「ん?まぁ…ダマンが殺ったんだろうな。旧王様は強かったから、それを殺せる者は限られて来る。三色エレメントの顕現者同士なら、殺せない事も無いしな。」
「……キリークは、その時何をしていたんだ?確か貴族だったんだろ?我は貴族の事は良く分からない。」
「……………王の近くに居たな。」
少し間があってキリークが答える。
それに対してアルディオは…。
「で、その時に旧王族を殺したと?」
「っ!!!!」
突然の問い掛けに驚愕するキリーク。アルディオは旧王様を殺したのはダマンでは無く、キリークだと言っているのだ。
「我は鼻が利くのだ。貴様からはずっと嫌な臭いがしていた。人を殺しても何も思わない腐臭がな。」
「………いつから気が付いていた?」
アルディオの言葉を聞いたキリークが聞き返した、その言葉は自分が殺ったと認めている。
「ついさっきだ。今までは隠していたと思うが、我と二人になったから気が緩んだみたいだな。今の貴様からは嫌な臭いが漂っている。」
「はぁ…上手く隠していたんだが…。カインとか言う”皇族”のガキが居なくなったから油断したか?
あの時奴隷の情報を聞きたがるから、適当に相手をして殺すつもりだったんだが、あいつ化物みたいに強そうだったからな。あの時怒りで溢れ出ていたオーラを感じて、絶対に勝てないって分かった。だからその場で殺せなかった。」
キリークは溜息をついた後。聞いても無いのに淡々と自白を始めた。本当はカイン達を殺すつもりだったと言う事も。
「だから、ダマン”様”の事を話して、お前らを信用させたんだ。城内にあいつ一人を誘導して確実に殺す為にな。ちゃんと本当の話をしたから俺は疑われ無くて助かったぜ。
お前らも終わりだなっ!!お前はここで俺に殺される。それに、いくら皇族のガキが強くてもダマン様とアレには勝てないっ!」
キリークは完全に勝ち誇ったような顔でアルディオに全てを自白した。もう、お前らは終わりだとでも言うように。
だが、キリークは知らない。目の前にいる少女が神獣と言われる、この世界でも上位の存在であるという事に。そして、本当の皇族は別に存在しているという事を。
それに………。
「よし、作戦通りだなっ!さすが主だ。我は良く分からなかったが、思った通りに自白してくれた。」
「な、なんだとっ!!」
虚をついたと思っていたキリークだったが、アルディオが既に予想していたと言う発言に驚愕する。
「貴様は主を舐め過ぎだ。主は聡明で、直感も優れている。初めに話し掛けた時から、お前が怪しいと思っていたらしい。
それに、『いつから気が付いていた?』と聞いてきたな?その時答えた事は嘘じゃない。主はずっと気が付いていたが、我が気が付いたのはあの時が初めてだったからなっ!」
「ふ、ふざけるなっ!!あのガキが初めから気が付いていただとっ!!」
「まぁ、我も主の考えている事は分からない。だが、今回の真の作戦名を教えてやろうっ!!
その名も『騙された振りをして逆に全部自白させてから殺る作戦』だっ!!」
ドヤ顔で言い放つアルディオ。
だが、もちろんカインはこんな作戦名など言ってない。明らかに長過ぎる作戦名に、気が付かないのは駄犬のみ。
それは、作戦名では無く内容の方だ。
「だ、だがっ!お前を殺してあのガキも殺せばっ!」
作戦名など全く聞いておらず、キリークは無視して叫び出す。二人とも殺せば問題無いと。
「貴様、主の考えた作戦名を無視するとは…。」
告げた作戦名を無視されて落ち込むアルディオ。
てか、その作戦名カインは考えてねぇーから。
「うおぉぉぉっ!!」
そんなアルディオの様子を見てチャンスだと思ったキリークは襲い掛かった。
旧王族も油断した時に不意を付いて殺したのだ。一気にアルディオに接近するキリーク。
そのまま剣がアルディオに刺さるっ!
………とは、いかない。
「仕方無いっ!『正面から蹂躙作戦』に変更だっ!!」
剣が刺さる手前まで接近していたキリークに、話しながら盛大なカウンター攻撃を繰り出したアルディオ。
物凄い剛力のカウンターを食らったキリークは、そのまま城門まで吹き飛ばされて行き…。
ドォォォォォンッ!!
物凄い爆音と共に城門が破壊された。キリークは城門に物凄い力で叩きつけられて、そのまま息を引き取った。
「主を謀った報いだっ!我は蹂躙を開始するっ!」
アルディオは城内へと突入を開始した。
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またもや時は遡りカインが城に入る前…。
ソフィアは城内に侵入していた。
(……カイン様の作戦通りなら、私の攻撃合図はアルディオが送ってくれる筈です。それまでにダマンの居所を掴んで、何も問題が無ければカイン様に報告。何かあればそのまま続行。その為にも、いつでも行動に移せるようにしないと…。)
ソフィアは影術による隠密と探知で、周囲の状況を把握しつつ城内を移動している。
ソフィアの実家ナイトリーツ家は、隠密に優れた家系だ。〚夜〛のエレメント以外にも、影術という独自の術を代々継承している。自分の影を動かして情報を集めたり、人の影の中に入り隠れたりする事も可能である。
そして、城内の兵士の影から影へと移動しながら、ダマンの居る場所に向かっていく。
「きゃぁぁぁーっ!!」
ある城の一室で女の子の悲鳴が聞こえてきた。
「や、やめて下さいっ!!」
その言葉に反応したソフィアはゆっくりと扉に近付いて行き、そっと扉を開けて中に入っていく。
そして、気付かれない様に姿を隠してその部屋を見ると…。
「へへっ!逃げても無駄だっ!!」
まだ、10代くらいの兎耳の少女が、ニヤニヤしている男に追いかけられていた。男は少女に襲い掛かっているみたいだ。
そんな下衆な男に対して、ソフィアは行動に出る。
シュッ!!
一瞬で男の背後に回るソフィア。
そのまま短剣を引き抜いて男の首を斬る。
「がぁっ!!」
殆ど音もない斬撃に、僅かに声を出した男の首は床に転がっていく。
「……………。」
襲われていた少女は、あまりの出来事に声が出ないようだ。
そんな少女の側に近寄りソフィアは話し掛ける。
「大丈夫ですか?……貴方の名前は?」
その言葉で我に返った少女は…。
「わ、私は第一王女のフェルミ・ラダサトリです。」
「ラダサトリっ!旧王族のですか?」
そう、元々この国の名はラダサトリ王国だった。王族が全員失踪した事により、今のシリアクヤ王国となった。
だが、失踪した旧王族の王女が生きていたという事だ。
「……やっぱり、今は違う国になっているのですね。私は2ヶ月くらい地下牢に閉じ込められていました。そして、本日この部屋に連れて来られて、この男に……。」
とても辛そうに語る旧王族のフェルミ。王族が1ヶ月も牢獄に入れられ、ついさっき助けられたとはいえ、もう少しで貞操の危機だったのだ。
「私達が来たからには大丈夫です。後はカイン様の作戦通りに行けば問題ありません。」
「カイン様?作戦ですか?貴方はいったい…。」
いきなりの出来事に状況を把握出来てないフェルミ。そもそもソフィアの事も知らないのだ。
「申し遅れました。私はカイン様にお仕えしている従者でソフィアと申します。現在は作戦名『騙された振りをして逆に全部自白させてから殺る作戦』を実行中です。」
うぉぉぉーいっ!!お前もかっ!!!
そこで同じ間違えをするのがソフィアだ。
「な、長い作戦名ですね…。よく分かりませんが、助けていただけるという事でよろしいですか?」
「はいっ!カイン様は素晴らしいお方なので安心して下さい。とりあえず、ダマンの居る場所に向かうのですが……一緒に行きますか?」
「ありがとう御座います。足手まといですが、よろしくお願いします。」
ソフィアはフェルミを連れてダマンの捜索を開始した。
影術をフェルミにも行使して一緒に影移動をしながらダマンを探していく。
そして、最も居る可能性の高い謁見の間までやって来た。そして影探知を使用し、扉の向こうに居る強い反応を感じダマンと判断する。
ソフィアはフェルミに小声で話し掛ける。
「とりあえず、合図があるまでここで待機です。」
「わ、分かりました…。影術は凄いですね。人の影や色々な物の影に入って、身を隠す事が出来るなんて…。」
「まぁ、私の家系しか使えない術ですけどね。……しかし、カイン様は使えそうです。」
自分の家の者しか使えないと言ったが、何でも有りのカインならば…と思うソフィア。
「……ソフィアさんはカイン様の従者ですよね?こんなに凄い方を従えているカイン様は、もしかして皇族か天族の……。」
「まぁ…私よりも圧倒的に上位のお方なのは確かです。」
皇族では無いが、ソフィアはカインが誰の血脈を継いでいるのかを教えてもらった。自分よりも遥かに尊い存在であると……。
「…少し深入りし過ぎました。申し訳ございません。」
「構いませんよ。カイン様は寛大なお方ですから。」
そんな感じで会話をしていた二人だったが…。
ドォォォォォンッ!!!
少し離れた場所で爆発音がした。
それはソフィアに対する合図でもある。
「では、私達も行きますよっ!カイン様に合図を送りますっ!」
ソフィアは闇の闘気を溜めていき、謁見の間の扉に向けて闘技を使用した。
「[影斬連破《爆》]っ!」
ソフィアの短剣から2つの影の斬撃が扉へと迫って行き…爆発する。
ドォォォォォンッ!!!
そして、本日2度目の爆発音が城内に鳴り響いた。
次回、本当の作戦名は?
お読み頂きありがとう御座いました。
ブクマ登録、評価などよろしくお願いします(○´∀`)b
他、誤字脱字、アドバイスなどありましたらご指摘おねがいします( ・ิω・ิ)