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無自覚だけど世界最高の男  作者: かめごろう
第1章 覚醒と覚悟
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閑話 新たな皇族

エルミナの話です。(ㆁωㆁ*)

 これは私がカインくんをナニカ達から守った後の話。


 結局、私が覚醒して四色のエレメントを顕現させたけど、夢中だったので何をしたかあまり覚えてないんだよね…。

 そして、全てのナニカを倒したら気が抜けちゃって、私も意識を失っていたみたい。


 目が覚めた時、私は見た事も無い部屋にいた。

 ここが何処か分からなかったけど、すごい豪華な部屋で少し驚いてしまった。

 とりあえず、ベットから出て部屋を物色していると、扉をノックする音が聞こえて来た。


 コンコンッ。「失礼致します。」


 そう言う声が聞こえて、黒い制服を着た女性の人が入って来た。


 「あっ!目が覚めたのですね。

  勝手に入ってしまい、申し訳ありません。」


 「え?…わ、私の部屋では無いので別に構いませんよ。」


 黒い制服を着た女性は、水色の少し短い髪をしており、背が高くて多分20代くらいの人族かな。

 私が相手の女性の様子を窺っていると。

 

 「申し遅れました。私は七星天兵団の第一師団に所属している、アンドラ・センナハルと申します。天族ウィンゴード家の圏内にある、センナハル王国の第二王女です。

  私がエルミナ様のお世話係となりましたので、以後お見知りおきを。」


 「えっ?王女様っ!!……えっと、私のお世話係?…。ど、どういう事ですか?」


 いきなり一国の王女が現れ、そして自分のお世話係という発言に混乱する私。

 ……エルミナ様って?


 「エルミナ様は四色のエレメント。しかも今までに存在していない属性と聞いております。1000年ぶりの新たな皇族として、まだ若いエルミナ様の補佐を務めるように言われてきました。

  そのような誉れある、新たな皇族のエルミナ様のお世話係となれる事に非常に光栄に存じます。

  どうぞ、よろしくお願い致します。」


 「えっ?…。こ、こちらこそよろしくお願いします…。」


 私はあまり状況が分からなかったけど、とりあえず返事をする。

 四色のエレメントか…。

 まさか私にこんな力があったなんて。

 でも、これだけの力があればカイくんを…。


 「では。とりあえずお食事の用意を致しますので、暫くお待ち下さい。お食事が終わりましたら今後の予定についてお話致します。

  では、失礼致します。」


 アンドラさんは部屋を出て行った。

 とりあえず返事をしていたけど、皇族になるってどういう事なんだろう。

 今までそういう事気にして来なかったなぁ。

 

 ……あれ?カイくんはどうなったの?

 ナニカは全て倒した筈だから大丈夫だよね?

 私がここに居るって事はカイくんも居るのかな?

 …会いたい………。

 私はカイくんが側にいないと不安になる。

 だって、ずっと一緒だったんだから…。 


 「カイくん…。何処にいるの?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あの後も流されるまま、良くも分からない場所に行って、偉い人と面談した。

 第一師団長とか言ってたかな?

 物凄い強そうな40代くらいのおじさんだった。

 そのおじさんは、


 「私の圏内にある土地に、君の城を建てよう。とりあえずはそこに住むといい。」


 とか、良くわからない事を言っていた。

 私はとりあえずお礼をいったが、城って?私の城?ど、どうしてこんな事になったの?

 元々、私はカイくんの言う通りにして来たし、交渉とか話し合いには参加した事が無いから、何がなんだか分からない。

 

 ……何時になったらカイくんに会えるの?


 次は、私の叙任式が行われた。

 黒い豪勢な制服を来た人が沢山いた。

 普段良く見掛ける七星天兵団の制服よりもかなり良い物っていうのは分かる。

 その中には第一師団長のおじさんも居た。

 あの人凄い人だったんだ…。


 私の家名が決まった『アフェリー』だそうだ。

 この世界の言葉で慈愛という意味かな。

 そして、エレメントの名前も決まった。

 私の四色のエレメントの属性は〚星〛。


 〚星〛のエレメントのエルミナ・アフェリー。

 それが新しい皇族、新しい私の名前だ。


 ……カイン・アフェリー…。

 …うん、悪くない。でも、こういうのは男性の方の家名になるのかな?でも、カイくんは家名無いし…。

  うーん…。でもカイくんなら私と同じ皇族になってもおかしくないかな。


 ………早く会いたいなぁ…。


 私が目覚めてから、2週間が経った。

 色々な天族や皇族の人の所へ挨拶回りを行っている。

 アンドラさんに、カイくんに会いたいって言っても、今は忙しいとか、立場を考えてとか色々言って会わせてくれない…。


 ………カイくん……。スズちゃん…。

 …そういえば、ティアちゃんは何しているんだろう?


 コンコンッ!!「失礼致します。」


 アンドラさんの声だ。別に勝手に入ってもいいのに。

 

 「はい、どうぞ。」


 アンドラさんと女の子が入って来た。

 ん?あの子は…。


 「ティアちゃんっ!!…どうして此処に?」


 「えっと…。久しぶりだねエルミナちゃん。

  ……私、謝らなければならない事があって…。」


 「…?謝らなければならない事?」


 少し言い難そうにしているティアちゃん。

 綺麗な茶髪の髪をいじっており、ちょっと可愛い。 


 「ご、ごめんなさいっ!!私本当の名前はティアでは無いんですっ!!

  本当の名前はクレハです。クレハ・オニキスです。」


 「えっ?ティアちゃんはクレハちゃん?

  それにオニキスって…。」


 「う、うん。〚空〛のエレメントを持つ天族、レティアナ・オニキスの娘だよ…。」


 「えぇぇーーっ!!!…ティアちゃん、じゃなくてクレハ様、今まですみませんでした。」


 私もオボルの街出身で、その国ひいては圏内を統治しているオニキス家の事は良く知っていた。孤児院でも勉強したし。

 現在居る所の、どこかの第一師団長のおじさんよりも良く知っていた。

 

 「あ、謝るのは私の方だよ…。それに様付はしなくてもいいよ。エルミナちゃんとは友達だし、しかもエルミナちゃんも今は皇族でしょ?」


 「そ、それはそうだけど…。フォルティナからわざわざ来たの?」


 「まあね、友達が皇族になったんだから来ないわけには行かないよ。」


 「……クレハちゃん、カイくんは来てるの?」


 「え、えーと…。ごめん、今はナニカの出現で色々と忙しくてね。ゲートの調子も良く無いから魔導飛行船でここまで来たんだ。

  だから、カイくんの事は私にも分からない…。」


 「…そ、そうなんだ…。

  私ね、ずっとカイくんと一緒だったから、こんなに長い間離れた事ないんだよ。離れ過ぎてると不安になるんだよね…。

  そ、それに、私のいない間に違う女の子がカイくんの側に居たら嫌だし…。スズちゃんなら別に良いんだけどね。」


 「エルミナちゃんとカインくんはずっと一緒に暮らしていたんだよね…。まぁ、女の子の話なら大丈夫だよ。あのスズちゃんが許す訳ないし、カインくんちょっと鈍いから問題ないかな…。」


 「……カイくん朴念仁だから、そもそも相手がどう思っても関係ないか…。

  でも、会いたいなぁ…。」


 私はアンドラさんの方に目を向けて言った。


 「私を見られても困ります。エルミナ様は皇族なのですから、しかも現当主です。新たに皇族になられたばかりなので、色々とすべき事が多いのですよ。」


 「わ、分かっています。でも……。」


 「とりあえず、アフェリー家の事が落ち着いてからにしましょう。それにカイン殿の持つエレメントによって関係も変わってくるでしょうし…。」


 「……関係が変わってくる?」


 「その件については、後日お話致します。城の建設についての協議がありますので、そろそろ準備して頂かないと。」


 「…分かりました。クレハちゃん、ごめんね。終わったらまたゆっくりと話そうね。」


 「うん。暫くは此処に居るから、今度お茶会でもしようね!」


 「ふふっ、楽しみにしてるね!」


 私はクレハちゃんと別れて協議の場に向かった。

 

 ……関係が変わる?

 …どういう事だろう…

 また一緒に暮らせるんじゃないの?

 それとも、カ、カイン・アフェリー…?

 私が当主よりカイくんの方が絶対向いてるよね。

 今度会った時にその事を話してみようかな?

 

 私は皇族になった。

 これでカイくんの隣に居ても、相応しい存在になれた筈。

 カイくんを守れる…。

 今まで見ている事しか出来なかった私。

 でも今は一緒に、カイくんの隣に立って戦える存在になれた。


 次会う時が楽しみだなぁ…。

 堂々と胸を張ってカイくんを迎えに行こう。


 その為にも今は頑張って皇族の仕事をしようかな。

 また会える日を楽しみにして…。





 私がカイくんを迎えにオボルの街に行ったのは、その2年後だった…。

次回、スーパーヒーロー登場(`・ω・´)b


読んで頂きありがとう御座いました┏○ペコッ

感想と評価もよろしくお願いします。

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