12話 常闇よりいでしモノ
いよいよ新展開!今後共よろしくお願いします!
ミスティ達は、カインがお披露目している新魔法を見ていた…。
「………また、よくこんな事を。」
「でも、あれは燃費も悪いよ。カイくんやミスティさんとか、限られた人にしか使えない。」
「カイ兄は出来てるけど、ミスティさん実際どうなんですか?」
「あたしも出来るかもしれないねぇ。だが2つ…いや3つの同時発動か…。まぁ慣れれば行けそうだけど魔力操作の問題か…。」
「カイ…。お前は人間を越えたな…。」
今、カインは遥か上空にいる。そう空を飛んているのだ。
ミスティは興味深そうに自分でも出来るか思案している。
エルミナとスズは前に見せてもらった事があるので慣れているが、ヒロはハブられていたので初めて見て唖然としている…。
そんな調子で見ていた4人の元へカインはが戻って来た。
「ただいまっ!!ふぅ、やっぱりかなり魔力使うなぁ。それに一瞬でも集中切らしたら直ぐに落ちてしまいそうだよ。」
「見たところ、重力魔法と風魔法はわかるんだけど…。もう一つが分からないねぇ。3つの同時発動だろ?」
「流石ミスティさん見ただけで解るなんて…。
そう、これは重力魔法で自分の体重を軽減し、風魔法で浮かしているんだ。だけどそれだけではうまく飛べないんだよね。
それで、考えたのが3つ目の結界魔法だよ。」
「あぁ、なるほどね。方向転換する時や加速させる時に、風魔法だけでなく結界魔法で足場を作っているわけだ。……とすると、難易度の高い重力魔法と結界魔法を同時に、しかも風魔法と合わせて3つ同時発動か…。これは普通の魔力操作と魔力量では無理だね。これだけの事をするには制御が難し過ぎる。」
「そうなんだよね。俺も初めは何回も制御に失敗して結構傷だらけだったよ。それでも3ヶ月くらいかな?なんとか今の形まで制御出来るようになったんだ。」
「全く、無茶するねぇ…。はぁ、エルミナも心配するはずだよ。」
カインがどれだけ無茶をしていたか想像が付くのでミスティは呆れている。
「この世界で空を飛べる人は、竜人族の天族『龍』のエレメントを持つゲイドルビュード家だけだからね。
飛べない俺達は転移門のある場所は限られているし、魔導飛行船も自由に行き来が出来ないから、自分で飛びたかったんだよ。」
「でも、その燃費だと保って30分ってとこだろ?実用には、まだまだ制御方法を見直す必要があるねぇ。」
「まぁ、それは要課題って事で。俺はまだ魔法を使い始めて日が浅いし、これからもっと頑張るよっ!」
「ははっ、あたしは魔法歴なら200年は超えてるけど、あんたならすぐに追いつかれるかもねぇ。」
その後も、カイン達は新魔法のお披露目という事で、次の課題や鍛錬方法など色々と話し合っていた。
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ヒロとスズは魔法はからっきしなので、少し離れた場所で2人で模擬戦を始めていた。
スズの放つ斬撃が、咄嗟に屈んで避けたヒロの頭の数cm上を通り過ぎる。
「あっぶねぇっ!!おいスズっ!!ちゃんと寸止めしろよっ!!」
「闘気を使ってないし、峰打ちなんだから大丈夫でしょっ!!黙って喰らいなさいっ!」
「峰打ちでもかなり痛いわっ!!!殺す気かっ!!!」
「このくらいしないと、まだまだカイ兄に追い付けないでしょっ!!バカ兄貴も、先日の戦いで直ぐに気絶していたんだから、もっと真面目にやりなさいっ!!」
「いや、あれはカイのせいでもあるんだが…。まぁ一歩も二歩も先に行っているアイツに追い付くにはまだまだ足りないか…。
だがしかし、痛いのは無理だっ!!!!」
「うるさいっ!!男なんだから傷だらけになりなさいっ!」
「どんな理由だよっ!!…てか、いつの間にスズがこんなに強く…。」
「怪我しても、エルミナちゃんに治して貰えるんだから嬉しいでしょ?いいかげん自分に正直になったらどうなのっ!!」
「っ!!!………。だ、だけど、エルミナにはカイが…。」
「諦め切れないからってナンパして気を紛らわすとか、かっこ悪い事をするなっ!!バカ兄貴っ!!!」
「う、うるせぇっ!!!お前も人の事言えないくせにっ!!!」
「……私は、他の男に気を移すなんて事はしないっ!!!」
2人の模擬戦?(兄妹喧嘩)は激しさを増していく。
スズはヒロに詰め寄り刀を突く。咄嗟にヒロは軌道を読み取り刀を使い軌道をずらすが、スズは更に連続で突いていく。
「うわぁっ!!ちょっとぉ待てぇい!!!突き刺したら峰打ちとか関係無えじゃんっ!!!!」
「………。」
「スズっ!!…スズさぁーんっ!!止めてくれぇ俺が悪かったからぁーーーっ!!!!!」
「…………死ね。」
謝るヒロは完全に無視してスズの攻撃は休むことが無かった…。
それを遠目で見ていたカイン達。
「うわぁ、実戦さながらの練習だなぁ。俺もまぜてもらおうかな?」
「……。またヒロくんがスズちゃんに怒らすことを言ったんだと思う。スズちゃんは、この前の戦いで何も出来なかった事。かなり気にしていたからね…。」
カインは少し興奮してるが、エルミナはなにか複雑そうである。
「はは、あたしも剣は無理だから見学かねぇ?」
各々思う事を言っていった。3人だったが…。
ゾワッァァァ!!
突然襲い掛かった死の感覚により3人は戦慄する。
「な、なんだっ!!今の感覚はっ!!!」
「………。こんな事はあたしも初めてだねぇ。今のは本能的にヤバイ事ってのは分かる。」
「カ、カイくん…。」
あまりの衝撃に慌てるカイン。
ミスティも数々の修羅場を越えて来たが、今の感覚はそれ程ヤバイものらしい。
エルミナは、震える手でカインの袖を掴んでいる。
「エル、…大丈夫だよ。早く2人と合流しよう。」
エルミナの手を掴んで優しく話し掛ける。
カインも正直不安を覚えたが、それよりもエルミナを勇気付けることを優先する。
「う、うん…ありがとう。」
「魔物か…。いや、あたしの経験上今までどんな強いモノでもこれ程の恐怖感は無かった。…こっちに向かっているみたいだねぇ。とりあえず2人の所に行くよっ!」
「「りょうかい(うん)っ!」」
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直ぐに2人と合流して集まったカイン達。
「カイ兄っ!!今のはっ!!」
スズとヒロも慌ててカイン達の方に向かって来ていた。
「あぁ、かなりヤバイのが近づいて来ているみたいだ。だが何処から来るのかは、さっぱり分からないな…。」
「カ、カイっ!!今のは何なんだよっ!!一瞬身体が硬直して動かなかったから、スズに刺し殺されると思ったわっ!!!」
「………お前、案外余裕だな…。
そのままスズに刺されれば良かったのに。」
「いやいやっ!!まだ見ぬ恐怖より、直前の死の方が怖いわっ!!!!」
ヒロは少し緊張感が足りない…。
ミスティは呆れながら。
「はいはい、おしゃべりはそこまでだよっ!何が起こるか分からないけど、ヤバイ事は分かるからちゃんと準備しておくようにねぇ。」
「「「「はい(りょうかい)っ!」」」」
各自用意を始めるカイン達。武器や回復薬の確認もきちんと行っていく。
(あのミスティさんが、かなり強張っている。
この前の戦闘で小烏丸は修理中だし、武器は片手剣のミスリルソードのみか…。この剣じゃ、この前みたいな[迅雷ノ夜叉]は使えない。
もしもの時の為に何か考えて置かないと…。)
カインは装備の確認をしながら、先ほど、飛行時の魔法で使った魔力を回復薬にて回復する。まだサラナ山から帰って来たばかりなので、防具の方も半壊している物しかない。
(………これでよしっ!とにかく、仲間だけは絶対守れるようにしないと。何が来ようと俺がみんなを守ってみせるっ!)
改めて決意を固めて気合を入れるカイン。
そんな時、あの時感じた嫌な気配を更に近くで感じる。
「みんな、来るぞっ!!迎え撃つっ!!」
「「「「はい(おう)(ああ)っ!」」」」
すると、カイン達の目の前の地面から、黒い何かが広がって10mの円形になった。
その黒い円形の中から、魔物でも人でも無い、ただ真っ黒の影の様なモノが這い出て来る。
「なっ!!!あの黒い円は、ダークゲートかっ!!しかし、あの黒いモノは何だいっ!」
ミスティは、見た事も聞いた事もない君の悪い真っ黒のモノに驚いて叫んだ。
他のカイン達は、見ただけで恐怖と不安が押し寄せて身体が硬直する。
(か、身体が…。あ、あれはエレメント?
いや、もっと不気味なナニカだ。)
真っ黒なモノ。影が実体化したみたいな不気味なモノは、カイン達と対峙した。
この世界には無いモノと対峙…。
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