72/300
72話 姫咲さんと魚釣り
「普ー、釣糸垂らせどお魚全然かからないぞー」
「釣りなんてそんなもんですよ姫咲さん、気長に待ちましょう。って僕もそんなに魚釣りにはくわしくないですけど」
「いやもう『釣る』んじゃなくて『獲り』にいけばいいと思う!」
「……今の季節、直接水の中に入るんですか?」
「そんなことしないよ。ほら、あそこに魚いるだろ?」
「水が濁っていて全然わかりませんが」
「いるんだよ。そこにこうやって小石をぶつける。えいっ!」
「……浮かんできましたね、魚。お見事です」
「じゃあ手頃な小石もう10個ほどと網準備してちょ。10匹くらい獲るから」
「風流な楽しみの予定だったのですが」




