55/300
55話 姫咲さんとカップ焼きそば
「普ー、なにつくってるんだ?」
「カップ焼きそばですよ姫咲さん、今回は『造る』ではなく『作る』ですよ?」
「おおー、新商品だな! 美味しそう!」
「一緒に食べましょうか。……あ! そういえば飲み物がありませんね。僕、ちょっとコンビニ行ってくるので姫咲さん、それ作っといてくれます?」
「おお! 任せておけ!」
この時、僕は完全に失念していた。『カップ焼きそばを作る』事も『料理』に分類されることを。そしてあの時の惨状(24話 姫咲さんと野菜炒め参照)を────
この時の出来事を知る人々は口を揃えてこう語る。
『あの時は一体何が起きたか、まるでわからなかった。ただ、街が急に魔界と化したんだ』、と。




