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24話 姫咲さんと野菜炒め
「普、君は料理もできるのか!」
「料理って、ただの野菜炒めですから、言ってみれば誰でも出来ますけどね」
「いやー、わたしは料理ちょっぴり下手くそでさ! 尊敬するなー!」
「いやいや、本当に簡単ですよ。油ひいて野菜を火に掛け、適当に味付けするだけですから」
「むー、それだけでも私にとっては凄いんだよー」
「ははは、中々ベタな欠点をお持ちですね姫咲さん。僕が後ろで見てますから、ちょっとフライパン持ってみて下さいよ」
「むー、ホントのホントにキチンと見ててくれよー……」
これが救急車、消防車、警察に加え、自衛隊まで出動する事態になるなんて、この時の僕には知る余地もなかった────