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2話 姫咲さんと下校
「おー、普ー! 一緒に帰ろーぜー!」
「姫咲さん、急に腕にしがみつかれると、その、当たります」
「ゆっくりしがみつけばいいのかね?」
「それはそれで結果は同じですね。……中々意地悪な顔してますね」
「初々しい君の反応が可愛くてな!」
「……いい性格していますね」
「中々いいヒロインっぷりだと思わんかね?」
「どちらかというと照れる側がラノベヒロインだと思います」
「しかし嬉しかろう!」
「否定はしません」
部活帰りの秋の夕暮れ、僕の下校が少し騒がしくなった。