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120話 姫咲さんとペン
「普ー、勉強面白くない!」
「今しっかりやっておかなければ後々後悔しますよ姫咲さん。前回も赤点だったのでしょう?」
「そうだけどさー! もっとこう、本気になれる何かがほしい!」
「いつもそんな事言って後から困っているのでしょう? それとも何か考えがあるのですか?」
「うん! あるよ!」
「……へぇ? それは一体?」
「まずこのペンを持つのを止める」
「……なんかペンから『ズシン』と凄い音がしたのですが」
「ふっふっふっ、一つ5kgもするペンだ」
「なんですかソレ。ソレを外したから『本気』になるんですか?」
「ははは! ペンを離したのに勉強を出来るわけないだろ」
「後悔するのは姫咲さんですので構いませんが」