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公式企画参加してみた⑨ なろうラジオ大賞6

ベランダを魔改造してみたら

作者: モモル24号


 ガーデニングって憧れるじゃないですか。私も趣味でやってみたいなと常々思っていたのよね。


 立派なお庭ってわけには行かなくて、マンションのベランダ。お隣さんにはもちろん迷惑のかからないようにする。


 物価も上がって、お野菜だって高くなる一方。だから‥‥ちょとした家庭菜園は作っていたの。


 でも少し寂しいのよね。節約と食欲を満たすためだけに⋯⋯私だけのこの空間が浪費されるだけなんて。


 家の中は片付いている。殆ど旦那と子供のものであふれていた。それはそれで幸せ。でも、自分の世界に浸りたい時ってあるでしょう。


 ベランダは私の聖域。入るにはお洗濯を手伝う必要よ。苦笑いしながら、私をそっとしてくれる家族。手伝う気はないようだ。


 さて、実用一辺倒な家庭菜園を癒しのガーデニングへとランクアップするとしますか。


 リサイクルショップでお外用の、白い木製のテーブルセットが売っていたの。新古品らしくて状態は悪くない。


 夏の暑さ対策に物干し竿を使った日よけ、ソーラーパネルで扇風機を回して、洗濯のすすぎ水をベランダの排熱に利用。冬はビニールハウスのように冷たい風を遮る。クリスマスにはソーラーを利用してイルミネーションも楽しむ。

 

 そうやって色々と工夫を重ねてベランダを魔改造していった。


 春先になると、私のお気に入りの椅子に何かいた。座っていた。


挿絵(By みてみん)


「御機嫌よう奥様。素敵なベランダ(リトル・ガーデン)ね」


 蜂だ。蜂の姫だ。とりあえず窓の側のスプレーを噴射する。


 プシューーー!!


「やめて! 私は兵隊と違ってか弱いの。それにそれはゴキ用じゃない」


「⋯⋯」


 しぶとさはゴキ並みだ。蜂蜜百%茶を入れてあげると喜んだよ。人なら過剰摂取で腹痛とか起きる量。蜂のコスプレした危ない隣人でもないらしい。


「私はハニトラ国の女王なの。大規模都市開発で国が滅茶苦茶にされて行く所がないの‥‥」 


 私達人間のせいだとチラチラあざと見てくる。


「大変ね。次は森林保護区域にでも移住なさいな」


 人として悪いとは思う。でもこのベランダは私の国。私が女王だ。


「住まわせてくれたら、蜂蜜取り放題よ」


「狭いし、そのサイズでは無理よ?」


「元の姿に戻るわよ」


 蜂の女王と、ベランダの女王は手を取り合った。


 キャッホ〜蜂蜜取り放題よ、そう思っていた。蜂の女王が住み着いて働き蜂が飛び回るようになって、マンション管理組合から怒られた。


 優雅にガーデニングを楽しむはずが、マンションの屋上(ルーフトップ)で養蜂家デビューする事になったのだった。


※ 作中のイラストは、コロン様よりいただいたFAです。何度見ても可愛い。ハートが刺さりますよ。


 イラストだけなら文字数オーバーしないようなので、作中へと掲載させていただきました。


 改めてお読みいただきありがとうございます。


 蜂の女王が出てくるためヒューマンドラマではなくて、ローファンにしました。


 コロン様から、可愛らしい蜂の女王様のFAをいただいたのですが、このキュートな蜂に、初見でゴキ退治スプレーをかける主人公よ‥‥。


 可愛いイラストをありがとうございました。


※ 掲載されているイラストの著作権は作者さまにあります。自作発言やSNS無断転載・無許可掲載は禁止です。

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i915496
― 新着の感想 ―
ううう……。 女王様に直接ではないけれど、対Gスプレーかけた人が通ります。 養蜂家にはなれそうもありません。
女王つおい… でもわたしも不審者には噴霧するやもしれない…
魔改造。笑 とても素敵な魔改造ですね(´꒳`) 躊躇なくスプレーをする主人公さんに思わず笑ってしまいました。ラストもいいですね♪ うちもやってみようかな? ハニトラ国の女王さまが来てくれる? イラスト…
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