表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ハイファンタジー

クエストクリアするとパスワード読解力のレベルが上がるスキルが手に入りました

作者: 本羽 香那


 俺の人生は本当に平々凡々で何も面白いことがない。何処にでもいるサラリーマン。残業に追われて、家族どころか今まで彼女もいないつまらない男だ。才能や金があれば、俺の人生は薔薇色に変わるのだろうが、そんなの起こるわけないと興ざめしていた。

 そんなある日、突然キラッと光り突如浮き、俺は思わず目を瞑る。着地したと実感して目を開けると大層な美人が目の前に立っていた。


「私は女神。貴方が刺激的な人生を送りたいと願ったので、この私がチャンスをあげましょう。頑張りなさい」


 俺はまた浮遊したのを感じ、目を瞑る。

 静止したので再び目を開けると、今度は草原で目の前にドラゴンがいたのだ。状況が理解出来ないものの、手に持っていた剣でドラゴンに立ち向かい、あっという間に倒したのだった。

 すると、今度は目の前にパネルみたいなのが出てきた。


 名前:林俊 職業:勇者 スキル:パスワード レベル:0.1


 スキルがパスワード? レベルが0.1?

 疑問が湧いた時、再び女神が現れた。


「レベルが上がるとパスワードを読解することが出来るの。誰も読解出来てない金庫があるけれど、レベルを上げればそれも読解出来るわ。貴方だけが持つ特別なスキルよ。どうするかは貴方次第!」


 そう言ってすぐに姿を消した。勝手な奴だなと思いながらも、これを利用しない手はないだろうと、ニヤニヤしてしまう。

 それからと言うもの、俺はドラゴンを倒し続けた。しかし、中々レベルが上がらない。レベルの上がり方は1体につきたったの0.1。嫌がらせかと思うが、それでも金持ちになれると思って一心に戦い続けたのだ。

 ようやくレベル10になり、誰も解けていない金庫に向かう。これぐらいならもう解けるだろうと思った。何せ自分しかそのスキルは持っていないのだから。

 いよいよ金持ちかと期待をして、パスワード解読をすると現れたパスワードは、90文字の◯と真ん中10文字の「かはにやらいとあとん」と言うわけ分からないもの。


 は? 100文字? 分かる文字が真ん中?

 

 危険を顧みずにドラゴンを100体も倒したのに、分かったのはこれだけ? ふざけるな!

 俺は馬鹿馬鹿しくなり、元の世界に戻すように女神に頼んで、あの時の時間のまま世界に戻ったのだ。


 それから平凡な暮らしをしていたが、そんな俺にも変化が現れた。彼女が出来て、そのまま結婚し、すでに娘もいる。また役職も上がり仕事も順調だ。ありきたりな人生かもしれないが、今はとても幸せだ。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 異世界も地道に生きないといけないのでしょうね。 こっちの世界に戻って幸せを感じられるようになって良かったです。読ませていただきありがとうございました。
[一言] 普通が一番ですよね( ˘ω˘ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ