表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生後に世界周遊 ~転生者アスカの放浪記~【前作書籍発売中】  作者: 弓立歩
17章 鉱石の町ハティルとグラントリル

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

250/572

隠された力

「おはようございます」


「おはようさん。そんじゃ、ギルドに行くかねぇ」


「それなんですけど、ティタのステータスを調べるんですよね?」


「そうだよ」


「それって、こそっとできませんか?」


「なに言ってるんだい。そんなの当たり前だろ」


「へ?」


「この町に来るまでにも魔物使いがどれぐらい従魔をランクアップできるかを聞いたけど、普通はウルフがフォレストウルフになるぐらいだってさ。それが、あんたいくつめだい?」


「えっと…群体鳥にディプスバーナン鳥ぐらいですか?」


「キシャルを忘れてるだろ。グラシアキャットもだ」


「そうでしたっけ?いやぁ~、忘れちゃってたなぁ~」


「と言う訳で、前回のハティルの件を含めてギルマス直通だ。あの依頼受けといてよかったねぇ」


「よかった……んですかね?」


「まあまあ、とりあえずステータスが気になるし行ってみようよ」


「そうだね」


 というわけで、ギルドに着くとギルドマスターさんのお部屋に送られる。


「おう! この前は世話になったな。向こうのギルマスからも手紙を届けてくれたし、今回のことは気にするな。従魔のステータスを計るだけだろう?」


「あ、そうですね」


「知らないっていいねぇ。それでものは?」


「こいつだ。それとギルドに置いてあった従魔リストも持ってきている。ついでに自分たちのステータスを計っていったらどうだ?」


「そうだねぇ。久しぶりにそうするか」


 ティタのステータスは気になるけど、私たちも最近は力を計ってなかったので先に計ることにした。



 名前:アスカ

 年齢:15歳

 職業:冒険者Cランク/魔物使い

 HP:340

 MP:1420/1420

 力:80

 体力:121

 早さ:132

 器用さ:386

 魔力:360

 運:74

 スキル:魔力操作、火魔法LV5、風魔法LV6、薬学LV2、細工LV4、魔道具LV5、弓術LV5、空間魔法LV1(巫女)、特異調合LV3、魔力供与(魔物使い)、従魔化(魔物使い)、(隠ぺい)、帝国語学


 名前:ジャネット

 年齢:20歳

 職業:冒険者Bランク/剣士

 HP:696

 MP:112/112

 力:240

 体力:230

 早さ:316

 器用さ:204

 魔力:52

 運:41

 スキル:剣術LV6、投擲LV4、調理LV1、格闘術LV5、解体LV1、指揮LV2、火魔法LV1


 名前:リュート

 年齢:17歳

 職業:冒険者Cランク/魔槍士

 HP:445

 MP:360/360

 力:199

 体力:185

 早さ:188

 器用さ:192

 魔力:113

 運:42

 スキル:短剣LV2、投擲LV3、調理LV4、風魔法LV3、槍術LV5、解体LV3


 名前:キシャル

 年齢:1歳

 種族:グラシアキャット  の子猫

 従魔:Cランク

 HP:380

 MP:370/370

 力:148

 体力:121

 早さ:191

 器用さ:159

 魔力:160

 運:54 

 スキル:氷魔法LV4、縮小化、氷・水耐性、冷爪


 名前:アルナ

 年齢:1歳

 種族:ヴィルン鳥とバーナン鳥のハーフ

 従魔:Cランク

 HP:105

 MP:332/332

 力:19

 体力:50

 早さ:125

 器用さ:91

 魔力:197

 運:80 

 スキル:風魔法LV4、水魔法LV1、飛行



 うんうん、みんな少しずつだけどステータスが上がってるな。あとはティタか…。


「……なあ、お前ら本当にCランクパーティーだよな?」


「そうだよ」


「リュートでさえBランクでもおかしくないぐらいなんだが。しいて言うなら、アルナが成りたてのCランクで、キシャルがベテランか?」


「まあ、その辺はね。頑張って戦ってるしねぇ」


「そんじゃ、今回の本題に移るか。ティタ、ここに手を」


「はい」


 ティタが機械に手を置く。これは本当に高性能だ。でも、種族とか肝心なのは出てこない時もある。そういうのは自分たちで頑張ろうねってことなんだろうね。


「どうやら結果が出たようだな」



 名前:ティタ

 年齢:257歳

 種族:トランスゴーレム

 従魔:Bランク

 HP:250

 MP:700/700

 力:84

 体力:120

 早さ:70

 器用さ:90

 魔力:310

 運:47 

 スキル:火魔法LV1、水魔法LV4、風魔法LV2、土魔法LV1、魔物言語、形質変化、変身


 嘘っ!? なんかスキル増えてる……。というか魔法が四属性なんだけど。後、巨大化が形質変化になってる。変身っていうのはメイドゴーレムになったやつかな?


「こいつ本当にゴーレムか? ほぼ、魔法生物だぞ」


「まあ、色々あるってことさ。良かったろ、ここで測って?」


「全くだ! いくつ秘密にするべきか迷うな。それで、このステータスどうするんだ? ギルドのやつじゃ冒険者のステータス以外はどうにもできんぞ?」


「それは……」


「それなら、実は珍しい魔道具があって力を調整できるんです」


「本当なのアスカ?」


「うん!」


「……疑わしい話だが、お嬢様の言うことだしな。一度つけてみてくれ」


「えっ!? はい」


 ヤバい。ここで隠ぺいを使うとは思ってなかったし、何か適当なものを…。


「ご主人様、あの腕輪を下さい」


「腕輪? この前作ってたやつ?」


 ティタがうなづくので私もマジックバッグをごそごそして取り出す。水と風を意識してマフラーのようなふわっとした感じの細工を施して、中央にノースコアウルフの魔石を配している。でも、そんな効果ないんだけどな。


「これどこに着けよっか?」


「首に付けてください。おかしくはないですから」


「首だね。わかったよ」


 そして私が首元で付けているとティタがささやく。


「今のうちに隠ぺいを」


「分かった……隠ぺい」


 すかさず私はティタに隠ぺいを掛ける。もちろん、かけるのは元々のステータス自体を変化させる完全隠ぺいだ。ただの隠ぺいだとスキルで見破られかねないからね。


「はい。着け終わったよ」


「ありがとうございます」


「終わったか。じゃあ、もう一度置いてみてくれ」


「分かりました」


 ティタがもう一度、ステータスを判別する機械に手を置く。


「ほう?本当に変わっているな。珍しい魔道具だが、本物でよかったな!」


「そ、そうですね」


 名前:ティタ

 年齢:257歳

 種族:トランスゴーレム

 従魔:Bランク

 HP:150

 MP:310/310

 力:60

 体力:90

 早さ:60

 器用さ:80

 魔力:250

 運:47 

 スキル:水魔法LV4、風魔法LV2、魔物言語、特定変化、


「ところで、このトランスゴーレムってのはなんだい?」


「ん? ああ、最初はよくわからない表示だったんだが、スキル検索を掛けたら一件だけヒットしてな。変身って言うスキルがあっただろ?あれで検索したんだ。えっと、登録日は…527年前だな。古いな」


「あてになるのかいそれ?」


「さあな。しかし、それ以外にはないんだから文句を言うな。何なら新種として登録するか? 別にうちは構わんぞ。どの道、527年以来のゴーレムと新種のゴーレムなら話題性は変わらんからな」


「話題性ですか?」


「魔物使いなのに知らないのか?毎年ではないが魔物のリストが載った本が出てるぞ」


「ええっ!?そんなの知らないです」


「まあ、弱点が載っているわけじゃなくて魔物使い用のやつだからな。この魔物をこのエサで育ててどうだったとか、こういう魔物を従魔にしたとか会報に近いものだ。各国の王都には並んでいると思ったが…」


「ん?それって薄い本かい?」


「まあ、そうだな。文章だけだし、10年ごとに発行される装本以外は内容的にもそこまでじゃないからだろう」


「ちなみに次の発刊はいつですか?」


「次は2年後のはずだ」


「あんた、やけに詳しいねぇ」


「なにを隠そう、俺の現役時代はパーティーに魔物使いが一人いたもんでな。ああいう専門書は部数も少ないし、せめてギルドで1冊ぐらい用意してやれってうるさいんだよ」


「2年後…ううむ、厳しいですね」


「なんなら、ギルドの在庫を買うか?8年前のやつだが」


「いいんですか?」


「一応確保してるんだが、お嬢様みたいに存在を知らないやつも多くてな」


「でも、どこが出してるんでしょうね?そういうのってまとめるの大変そうですけど」


「発行元が書いてあるから気になるなら覗いたらどうだ。一番詳しいって訳だからな」


「なるほど…そうですね。また確認していってみたいと思います」


「それで、登録はどうする?この名前で行くか?」


「う~ん、実際にはどっちの方がいいんですか?」


「新種だろうな。新種って言っても詳細が分かれば既存のゴーレムに統合されることもあるし、ただの変異種だということもある。興味は持たれるが、数百年ぶりの個体の方が目立つだろう」


「じゃあ、そっちの方がいいのかな?名前はなんにしたらいいかな~」


 腕を組んで名前を考える。ティタの名前も確かティタンからとったはずだし、それっぽい名前がいいよね。


「えっと、名前はティターニアゴーレムで」


「ティターニアゴーレムだな。なら、そこだけは登録を変えておこう」


「お願いします」


「くれぐれもこのやり取りは内密にね」


「分かってる。流石に俺も黙ってるさ」


「それじゃ、これで用件は片付いたね。もう一日ゆっくりするか」


「いいんですか?」


「たまにはね…たまにか?まあいいや」


 というわけで私たちは宿に戻ってゆっくりする。


「あ、あの、ご主人様…」


「どうしたのティタ?」


「お食事いただいてもいいですか?」


「ご飯?そっか、今まで我慢してたもんね。はい」


 私は以前の戦闘で手に入れたゴーレムの核をあげる。きれいなままのそれをティタは一気に…。


「カリッ」


「あれっ?そんなちょっとでいいの?」


「見られながらは恥ずかしいです」


 ううむ、話し方だけでなく感情っぽく話せるようになってうれしいなぁ。夜の話し相手もこれでもっと楽しめるかも。そんな思いも抱きながら残りの休暇を楽しんだのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ティタが一気に感情豊かになって新鮮だなぁ しかし四属性が使えるとか、魔法に関してはそのうちご主人のアスカを超えてしまうのでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ