2つ目の願い
「じゃぁ、2つ目の願い行くよ。寿命が尽きるまで遊んで暮すのに十分なお金が欲しい。」
「そんなことでいいんですか~ぁ?」
「あ、もちろんバレちゃって逮捕されたり命を狙われるようなお金はだめだよ。」
「判りましたぁ。ちょっと待っててください~。」
と言うと、アパートのベランダから小さな羽根を羽ばたかせて飛んで行ってしまった。
本当に悪魔なんだ…
今のうちに逃げるか?いや無理だろ。どう考えても、相手は悪魔だ。
悪魔の退治方法?それは無理だ、えっと、悪魔祓い、悪魔祓い、インターネットで検索する。
えっと、十字架?クリスチャンじゃないから持ってない。
お香、そんなものないよ。
水晶や誕生石?当然ない。
盛り塩、これくらいかな?
「なむみょーほーれんげーきょー」
「なむみょーほーれんげーきょー」
「なむみょーほーれんげーきょー」
そんなことをしていると30分もしないうちに、彼女は帰って来た。
「なにやってるんですか~ぁ?悪魔祓いなら般若心経じゃないんですか~ぁ?(笑)」
そして彼女はどこからともなく大量のアタックケースを取り出す。
「ちょ、ちょっと待って。これはどこから?」
「某国の国立銀行が保有している外貨を貰ってきましたぁ。日本の銀行だと~足が付く可能性がありますので~。」
そしてドヤ顔で続ける。
「それから、紙幣番号とかから追跡される恐れがあるのでぁ、別の大国の銀行が保有している同額の外貨と入れ替えましたぁ。
大国は金額が変わったわけではないので特に気にしないと思いますし~、某国が追跡できても大国相手では何も言えないと思うんですぅ。
ただその大国の外貨には偽札も含まれていたのでぇ、また別の国のいつくかの銀行の金庫にあったお金と交換してきましたぁ。
銀行の方は一か所あたりの額も小さいですし~、これなら簡単には足が付きません。」
アタックケースには大量の札束が詰まっていた。
こっちは日本円、こっちは米ドル、こっちはユーロにポンド…
「どこの国のお金との指示が無かったので~主要通貨を適当に見繕って貰ってきましたぁ。
日本円にして53兆円ほどあると思いま~す。アタックケースまだまだありますよ~。」
うわっ。自分で願い事言っておいてドン引き。
「えっと、これ、今、どこから出したの?」
「わたしの異次元収納ですけど。あ、異次元収納珍しいですかぁ?さっき大鎌も出しましたよ~?」
「あの、部屋狭くなるから、とりあえず、異次元収納とやらに預かっておいてくれるかな。」
「いいですよ~。」
…その日から某国は外貨での支払いができず、数日後に破綻した。…
某国はあくまで某国です。あくまで仮想の国家です。