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1つ目の願い


 「で、桧山さん、あなた勇者のスキルを持ってますよね?」と言うや、どこからか取り出した大きな鎌を俺に向かって振り下ろす。

 ザクッ!


 「わっ、あぶない!」そこには、真っ二つになったちゃぶ台と、先ほどまで整列していたと思えない散乱する食器が広がっていた。


 「何するんだ!死んじゃうよ!」

 「そうですよ~。死んでもらわないとと魂を連れていけないじゃないですか~?あまり痛くはしませんから♡」


 「ちょ、ちょっと待って、勇者のスキルなんて言われても何のことか判らないし、人違いってことはないの?」

 「はい。人違いってことはないです~。私、登用試験にあたって鑑定のスキルを神様からいただいています~。

 勇者のスキル以外に持ってるスキルは悪魔でもダメ男中のダメ男が持ってるようなスキルですけどね。

 あ、反射神経・敏捷性高いですね。知性と器用さもありますけど、パワーと基本的なHPがめちゃくちゃ低いじゃないですかぁ」


 なんだと!いや、そんなことに驚いている場合ではない。

 なんとかせねば。とにかく時間を稼がねば。


 「こ、こういう時って、普通、『おまえの願いを叶えてやろう。その代わりに魂をいただく!』とかって言うんじゃないの?」

 「じゃぁ、願いを1つ叶えるので~、魂くださ~い。」と、大鎌を高く構える彼女。

 「ちょっとまってまって、願いを10個!」

 「だめですぅ!」

 「じゃぁ、せめて5つ」

 「だめですぅ!」

 「じゃぁ、せめて3つ」

 「仕方ないですね~。3つで手を打ちま~す。わたしに出来ることなら何でもいいのでさっさと願いを言ってくださ~い。願いを叶えますのでさっさと魂をください~。」


 「え、えぇと…死神の登用試験ってのは期限あるの?」

 「別に期限はないですけどぉ、勇者のスキルをもった魂は二つも三つもいりませんから~、他の受験者の誰が勇者のスキルをもった魂を神様のもとに連れて行ったら終わりです~。」

 「でも、5千年近く探しても見つからないんでしょ?なら、あと100年くらい遅くても問題ないんじゃないかな?」

 「ん~まぁ、なかなか見つかるものじゃないみたいですし~ぃ。」


 「ほら、だから俺が寿命を迎えるまで待ってくれない?」

 「え、ダメですよ~そんな願い。たしかにあと50年ちょっとですけど…」


 「あ、それ俺の寿命?」

 「あっ、えっと、その、あの…そうなりますねぇ~」


 「俺の寿命は80才強か…で、そもそも神様は殺して連れてこいって言ったの?」

 「いいえ。言ってないですぅ。」


 「だよね。神様なんだから殺して連れてこいなんて言わないと思うんだ。」

 「そ、それはそうですけど…他の受験者に奪われちゃうかもしれないですし~。ん~。」


 「なら、ずっと君が俺のそばにいて、俺を守ればいいよね。」

 「ん~。まぁ、はい…わかりましたぁ。」


 「念のため後で神様に聞いてきますのでぇ、神様がそれでいいと言ったらそうしましょ~。50年くらいなら大丈夫だと思いますぅ。」


 なんとか説得できたみたいだ。


まぁ、この辺りはよくあるパターンというか…

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