引っ越し
「ホテル暮らしも悪くないね。みんなで汚しても翌日にはきれいにしてくれてるし。」
「でも、自分たちの匂いが無いっていいますか、きれいすぎてなにか落ち着きませんわ。」
「そうだ、ご主人様~。せっかくだし広いマンション買っちゃいましょうよ~。」
友里の提案で、その日から俺たちのマンション探しが始まった。
(魔王探しはどこ行った・・・)
「ご主人様、このマンション良くないですか~?」
「旦那様、こっちの方がいいですって。」
「たかちゃん、ちょっと贅沢しすぎなんじゃ…」
「ご主人様、この超高層マンションなんて向こうの方まで見渡せますよ~?ここから魔王探ししたら~はかどりません?」
「友里、こんな高いところからじゃ人なんて見えななくってよ。それより、旦那様、こっちのマンション、駅に近くて便利ではなくって?」
「芽衣の通う学校が近い方がありがたいわ。」
「たかしお兄ちゃん、思い切って一軒家買わない?」
結局俺たちは、川向うの高級住宅街の一角にある中古の中層マンションの最上階がワンフロア売りに出ていたのを見つけて、それを購入することにした。
中古だが手入れはしっかりされている。受付にはコンシェルジュが常駐していて、セキュリティも最新設備が導入されている。
南側は川で、夏には花火大会が見えるらしい。
最寄り駅は急な坂を上がって10分ちょっとでちょっときついが、もう会社を辞めているのでかまわない。
となりの急行停車駅へも25分ほど川沿いを歩けばつけるので悪くはないだろう。
芽衣ちゃんが通う学校にもさほど遠くない、駅まで坂を上っての電車通学でも若い芽衣ちゃんなら平気だろう。
一部内壁を取っ払い、広いリビングダイニングを作り、一緒に入れる広い風呂も作った。
そして俺たちは新しいマンションに引っ越した。
「たかちゃん、芽衣、お風呂沸いたから先にはいって~」
「は~い。お母さんも後から来てね~。たかしお兄ちゃん、一緒にはいろ。」
芽衣ちゃんに初めて会ったときはかなりやせ細っていたが、だいぶ肉付が少し良くなってきた気がする。
麻衣ちゃんも、再会したときは疲れ切った顔してたが、最近は顔にも晴れやかさが出てきて、美しさに磨きがかかった気がする。
「たかちゃん、見て。」
「麻衣ちゃん、そんなセクシーなネグリジェ、いつの間に…」
ゴクリと唾をのみ込む。
「見て見て~メイも、友里お姉ちゃんも英里お姉ちゃんもみんな色違いでお揃いなの。」
「芽衣ちゃんもみんなもとてもかわいいよ。」
そして俺のリビドーにも磨きがかかった気がする。
「ご主人様、広いベッドもいいですねぇ~。」
「結局、みんな一緒に寝てるのは前と同じですけどね。」
「みなさん、キングサイズのベッドが3つもあるんだから、もうちょっと広く使いませんか?」
新作はじめました。
自作R18小説の世界が現実に(R15)
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