麻衣のお礼
ピンポーン♪
おれのボロアパートのチャイムが鳴った。
「ご主人様、わたし出ま~す。」
ガチャ
「あ、麻衣ちゃん~。どうぞどうぞ、狭いけど中に入ってぇ。」
と麻衣ちゃんを部屋に入れる友里。
「英里ぃ~。わたし用事思い出しちゃったから付き合ってぇ~。」
「なによぉ~。あ、奥方様。」
英里が慌てて俺に告げる。
「旦那様。私たちちょっと出かけてきますね。」
「二人ともなんだよ。って、あ、麻衣ちゃん。」
「たかちゃん。あの、わたしお礼言ってなかったと思って…」
「いや、お礼なんていいんだよ。実は俺、昔から麻衣ちゃんのことが好きだったんだ。気づいてたとは思うけど。だから、大好きだった麻衣ちゃんにはずっと幸せでいてほしいんだ。」
「こ、こんなおばさんになっててがっかりしたよね。」
「まさか。それどころかますますきれいになっててびっくりしたよ。俺、ずっと後悔してたんだ。高校進学が決まって制服見せに来た時、麻衣ちゃんに告白できなかったこと。好きだって言えなかったこと。言えてたら…。そして俺がバカじゃなくて力があれば守ってあげられたんだ。」
「私こそ、ごめんなさい。私の方こそ、私の方こそたかちゃんに好きって言えてたら。わたしの方が馬鹿だったの。」と泣き出す麻衣ちゃん。
「泣かないで」と抱きしめる俺。
自然な成り行きで口づけを交わし、関係を持った。
…
「娘を産んでからこういうことしてなかったから、ちょっと不安だったの。たかちゃん、あんな若くて美人の女の子2人に囲まれてるに、こんなおばさんを相手してもらって、ごめんなさい。」
「あの2人、ああ見えても天使と悪魔で、10万19歳なんだよ。」
「なにそれ(笑)どこかの歌がうまい相撲評論家のご親戚?」
「ほんとなんだって。信じてよ。」
「たかちゃんが言うなら信じてあげる。」
「それに麻衣ちゃん。麻衣ちゃんは昔も今もとっても魅力的だよ。俺、今、とても幸せだよ。」
「たかちゃん…」「麻衣ちゃん…」
…
「これね。たかちゃんからもらったリボン。ぼろぼろになっちゃったからお守り袋にいれて大事に持ってたの。」
「持っててくれたんだ…」
「多分、神様がたかちゃんに再会させてくれたんだと思うの。」
俺の腕を枕にして裸で俺に抱き着く麻衣ちゃんの大きな胸が当たる。
もう一戦と臨戦態勢に入ろうとしたとき、
ガチャ。
「ただいまぁ~。芽衣ちゃん連れてきたよ~」