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私のRPG  作者: 花咲 キキ
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たった一度の人生だから

僕のデスクの隣リには、やたら仕事が大好きな既婚で大きな子を持つ女性が座ってる。黙っていれば、綺麗なお姉さんなのだが喋りだすとかなりおっさんがはいっている。その人は、いつも物凄い勢いで仕事を片付けていくにも関わらず考えに行き詰まった僕の呟きに即座に反応し相談に乗ってくれる。

仕事には関係ない呟きにはマウスを動かす手を止めず画面から目を話すことなくツッコミと少々弄ってくる。

ある日の休憩時間、友人の結婚式の話をした時の事。

「幾つだっけ?32か…いいお年頃ね」

まだ結婚する気もないし、結婚して自分自由な時間無くなるの嫌じゃないですか。そぉ言うと、嘆かわしいと言わんばかりの大きなため息に続けて、あのねぇと話し出す。

「一度しかない人生だよ、結婚してみないなんて勿体ないじゃない。男の子なんて特に結婚でもしなきゃ子供持てないんだから、自分の遺伝子を継ぐ子供見てみたくないの?」

でも子育て大変じゃないですかと反論する僕。

「子供って勝手に育つんだよ。衣食住を普通に用意すれば、とりあえずは育つ!そこからどんな環境を与えるかどうかでその子の人生が変わるかもしれないが、与えたからといって思うように育つとは限らない。子供には生まれ持った個性があるからね。それも含めて攻略本のない激ムズのリアル育成ゲームだよ。」そぉ言ってニヤリと笑う。

ゲームと違ってリセット出来ないじゃないですかと更に反論する。と顎に手をやりうーんと唸る。よし!論破したと思ったが、やれやれと言う顔をして続ける。

「確かにリセットは出来ないけど、やり直しは出来るんだよ。失敗したら人生終わりじゃなくて、新しい結末に向かって始めればいいんだよ。たった一度の人生で、自分以外の人間に深く関わること無く終わる人生、親というものにならない人生勿体ない。」しみじみと語ってクルリと椅子の向きを変え電源を入れたロボットのように仕事を始めた。


並木幸子、昭和にありがちな「子」のつく名前。昔から本を読むのが大好きで空想しがちそして、ミウやナナのような二文字の名前に憧れる事が多い。そんな私も45歳になり、子供も手が離れる頃となった。

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