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ラピスラズリ

作者: 香乃木 雪兎(かのき ゆと)

2:2:1声劇台本です


自作発言禁止

BGMはOK

キャス画にこだわりはございません。

所要時間は分かり次第更新致します。

録画が残っていたらききに行くかもしれません

ラピスラズリ/作者:香乃木(かのき) 雪兎(ゆと)


2:2:1の声劇台本です


【スカー(50):♂】

ハンター。ウルフ4のコードネーム

組織の命令に忠実

冷静な人物。

【里蔵 慶太(18):♂】

高校3年生の男の子。美由紀の弟。

両親は他界している。

心優しい。普段は引っ込み思案だが、いざとなるとしっかりとリーダーシップをとる。

【里蔵 美由紀(21):♀】

大学3年生の女性。慶太の姉

両親は他界している。

明るくて、元気。口の硬い人物。気さく。

【ラピス(15):♀】

艶やかな銀髪、白い翼、翡翠(ひすい)色の瞳。淡い緑のワンピース。を着ている

街に迷い込み、実験材料として捕まえられそうになり、ハンターのスカーに追われる。

恥ずかしがり屋の細見の少女。


【ルビー(60):♂or♀】

ハンター(ウルフ4)の上層部の人間。

部下想いの上司。愛情故に厳しい。


配役表

スカー♂:

里蔵 慶太♂:

里蔵 美由紀♀:

ラピス♀:

ルビー♂or♀:


━━━━━━━━━━━


慶太N:これは僕の体験した不思議な物語。とある少女との出会いが、僕の人生の在り方を変えてゆく。


(間)


ラピス:「(息切れ)もう逃げ道は絶たれた…!どこかに隠れないと」


スカー:「どこまで逃げるんだ?怖くないさ。すぐに痛くなくなる」


ラピス:「あった、この路地裏になら隠れられる」


スカー:「ん?あの羽は…あっちにいったのか」


SE:(遠ざかる足音)


ラピス:「ホッ…あらかじめ落としておいてよかった。目くらましになったわね…あれ、突然眠く…」


(間)


慶太:「帰り遅くなっちゃった…姉さん、怒っているかな?うぅ…」


ラピス:「……はっ。人の声。また襲われる?!」


慶太:「なんだろう。この黒いシミ…うーん…血痕?!」


ラピス:「ぁ…発見される!!怖い…」


慶太:「君は…こんな物陰にいるけど怪我しているの?」


ラピス:「きゃっ、こっちに来ないで!」


慶太:「乱暴なことはしないから。怪我しているのなら手当しないと」


ラピス:「悪い人じゃない…?あなたは一体。私はラピスよ」


慶太:「僕は慶太っていうんだ。宜しくね」


ラピス:「い、いえ…人間なんて信じないわ!貴方も私を捕まえるつもりなのでしょう?」


慶太:「捕まえる…?人間って呼びかたは…君も人間じゃ」


ラピス:「とぼけないで!私はラピスという天使よ。背中の翼が見えないの?先程、ハンターに追われて傷を負ったの…!そう簡単に信じられるものですか!」


慶太:「天使!実在したんだね…翼も初めて見た。仮装しているのかと思ったよ」


ラピス:「近づかないで!!」


慶太:「怖がらないで…ほら、雨降ってきたよ。風邪をひいちゃう」


(そっとラピスに上着をかけ、抱きしめる慶太)


ラピス:「ふぇ…うぅ(涙目)」


慶太:「よしよし、怖かったね」


ラピス:「ぐすっ…」


慶太:「さ、うちにおいで。温かいお茶もあるから」


ラピス:「いいの…?迷惑かけてしまうかもしれない」


慶太:「いいのいいの~。姉さんもいるから、服を貸してくれるはずだよ」


ラピス:「ありが…とう」


(間)


美由紀:「慶太ったら、どこいるのかしら。遅いわねぇ」


慶太:「ただいまー」


美由紀:「おかえりなさい。って…あら?後ろの女の子は…」


ラピス:「えっと…」


慶太:「この子、怪我しているんだ。救急箱持ってきて手当しないと」


美由紀:「あらあら、そうなのね。今持ってくるわ。タオルや小さめのワンピースとか。お風呂場を貸すから、あるもの自由に使って頂戴」


ラピス:「翼の事何も言われなかった…優しくしてくれている」


慶太:「姉さんは気が利くんだ、怖がらなくてもいいよ。それに仮装だと思われているかもしれないよ?」


ラピス:「う、うん…そうなの?」


慶太:「まずは、先にお風呂に入ってきて」


ラピス:「はい、ありがとうございます。」


美由紀:「うんうん、入ってらっしゃいな♪」


慶太:「ラピスさん…ラピスちゃんって呼んでもいい?」


ラピス:「ぁ、はい!呼びやすいように呼んで下さい」


美由紀:「ラピスちゃんというのね。風邪ひいちゃうわ。あたたまってきてね」


ラピス:「はい、ありがとうございます」


(間)


美由紀:「ねぇ、慶太。翼ってしまえるのかしら、タオルで拭く必要あるのか気になっているのだけど…」


慶太:「多分、しまえるんじゃないかな?どうだろー」


美由紀:「あがったら、お茶も入れましょうね。リラックス効果のあるハーブティーがいいかしら」


慶太:「そうだね、あ、タオルありがと!姉さん」


美由紀:「いえいえ、いいのよぉ」


ラピスN:━━場面一転してお風呂場のシーン━━


ラピス:「痛っ…けっこうお湯が染みる。ここにいてもいいのかな。迷惑かけないかしら…」


SE:(雫の落ちる音)


ラピスM:(考えても何も進まない。今は身体を綺麗にしないと)


(間)


美由紀:「傷が化膿しなければいいけど…、上がるころに様子を見に行ってみようかしら」


SE:(扉をたたく音)


美由紀:「ラピスちゃん、あがった?傷の手当しようかと思って」


ラピス:「ぁ、はい!あがってタオルで髪の毛拭いていたところです」


美由紀:「入ってもいいかしら?傷の具合を見たいから。その…女性同士なら平気かと思ったんだけど…嫌かしら?」


ラピス:「いえ、そんなことないです!大丈夫です」


美由紀:「入るわね。…っと、肩の傷の範囲が大きいわね。包帯があってよかった」


ラピス:「改めて、私はラピスです。あの、貴女のお名前は…?」


美由紀:「ああ、ごめんなさい。名乗るのが遅くなったわね。美由紀というのよ。よろしくね」


ラピス:「はい!よろしくおねがいします。色々とありがとうございます。美由紀さん」


美由紀:「いいのよ~。ちょっとしみるわよ」


ラピス:「…う」


美由紀:「…こんなにかわいい子を傷つけるなんて酷い事する人いるのね」


ラピス:「それは…」


美由紀:「傷の手当てをして着替えてから、お茶でも飲みましょう。気持ちも和らぐと思うわ」


ラピス:「はい、ありがとうございます。」


美由紀:「よしっ!手当て終わったわよ」


ラピス:「はい、助かりました!」


(間)


ラピスM:(こんなにもあたたかい気持ちは初めてだ。人間は私を襲うものだと思っていた。けれど、こんなにも優しくされたら泣いてしまう。私は…泣いてもいいのだろうか?感情の蓋が空きそうな私がいて、戸惑いがある)


(間)


美由紀:「さぁ、ラピスちゃんがお風呂上がったから。慶太もお風呂に入って」


慶太:「はーい」


(ラピスが慶太に向かってお辞儀をする)


慶太:「綺麗な銀髪だね」


ラピス:「え…そんなことないです!でも、ありがとうございます。」


慶太:「ゆっくりしていて。僕も風呂に入ってくるよ。じゃ、またあとで」


ラピス:「はい、また…!」


美由紀:「茶葉は何にしようかしら~…。うん!カモミールにしよう!」


ラピス:「あの…私も何か手伝えることありますか?」


美由紀:「ありがとう。気持ちが嬉しいわ。座ってリラックスしていて~。傷口が開くわよ」


ラピス:「はい、あの…やっぱり少し横になってもいいですか?」


美由紀:「ええ、クッションはそこにあるわ。自由に使って」


ラピス:「ありがとうございます…美由紀さん」


美由紀:「コップは…三つ。さて準備できた。あとは慶太のお風呂上り待ちね」


ラピス:「すぅ…(寝息)」


慶太:「あがったよー。スッキリした!」


美由紀:「あら、それはよかったわ」


慶太:「あれ。ラピスちゃん…。寝ている」


美由紀:「ぇ…あら、やっぱり気を張っていたのね」


慶太:「今は、しっかり寝させておこう。明日起きたらお茶してもいいよね?」


美由紀:「ええ、そうね。夕食は食べてきていたのだっけ。たしか」


慶太:「あ、それはまだだった。軽食でも食べて休もうかな」


美由紀:「私も、軽く食べてから休むことにするわ。あ、ラピスちゃんにタオルケット掛けておかないと、風邪ひいちゃうわ」


慶太:「そうだね。僕が持ってくるよ」


美由紀:「ええ、ありがとう~。助かるわぁ」


(間)


慶太:「これでいい?」


美由紀:「ええ、」


(間)


SE:(鳥の鳴き声)


ラピス:「ぅ…んー。鳥の鳴き声が…ふぁ~…」


美由紀:「ラピスちゃん。目が覚めた?おはよう」


ラピス:「おはようございます。はっ!昨晩はごめんなさい。せっかくお茶を用意してくれるのに寝てしまって」


美由紀:「いいのよ。気にしないで。ゆっくり休めた?」


ラピス:「はい…とても!あの、顔洗ってきてもいいですか?」


美由紀:「ええ、もちろん。お客様用の歯磨きセットあるわよ。使って頂戴♪」


慶太:「ふぁ…よく寝た。顔洗ってスッキリだ!」


美由紀:「慶太も起きてきたわね、おはよう」


慶太:「おはよ!姉さん、ラピスちゃん。」


ラピス:「おはようございます。慶太さん」


慶太:「うーん…ラピス。と呼び捨ての方がしっくりくるなぁ」


ラピス:「私はそれでもいいですよ!呼びやすいようなら。ふふふ」


慶太:「…!」


美由紀:「やっと笑ってくれたわね」


慶太:「安心した…!」


ラピス:「え!!もしかして驚かれている?」


慶太:「驚いてないよ、安心しただけだから」


美由紀:「そうね。私もよ」


ラピス:「……えっと」


美由紀:「ラピスちゃん、心細そうにしていたもの」


慶太:「そう、それそれ。ホッとしてくれる嬉しくなるんだ」


ラピス:「ありがとう…ございます。こんなにも人から優しくされたのは初めてで」


SE:(お腹の鳴る音)


ラピス:「…っ!…お腹なっちゃった!!」


美由紀:「昨晩なにも胃に入れてなかったからね。トーストと野菜スープ用意してあるわよ」


ラピス:「お恥ずかしい…えっと、ありがとうございます」


慶太:「僕もお腹空いたー」


美由紀:「ふふ、慶太も食べなさいな~」


慶太:「はーい」


美由紀:「お料理を温めるから…さ、テーブルに集まって。昨日準備していたカモミールティーも用意するわね」


慶太:「何か手伝うよ」


美由紀:「じゃあ、コップに注いでくれる?」


慶太:「わかった。三つ取り出して…っと」


ラピス:「顔洗ってきますね」


慶太:「うん、いってらっしゃい。ラピス。この部屋を出て、左側の洗面所あるよ」


ラピス:「はい。教えて下さってありがとうございます!」


(間)


ラピス:「戻りましたー」


美由紀:「おかえりなさい」


慶太:「おかえり」


美由紀:「さぁ。手を合わせて…いただきます!」


ラピス&慶太:「いただきます!」

(タイミングが合わなくても大丈夫です)


美由紀:「うん、我ながら上出来ね!美味しい」


慶太:「姉さんの料理…相変わらず絶品」


美由紀:「あらやだぁ!褒めても何も出ないわよ~」


ラピス:「美味しい…。」


美由紀:「お気に召してくれてよかった!。そういえば、いつから食べてなかったの?」


ラピス:「それは…み、三日前からです…」


美由紀:「え!それは大変。食べられる量をゆっくり食べてね」


慶太:「それで身体が軽かった…のかな?」


美由紀:「慶太…、ラピスちゃんがもともと細見なのもあるわよ。」


ラピスM:(うぅ、なんだか恥ずかしい。でも…なんだかポカポカする)


(間)


スカー:「俺だ、コードネームはウルフ4…すまない、先日の取り逃がした天使を完全に見失った。雨で血痕が消えたようだ」


ルビー:「こちら、ルビー。取り逃がした…だと?なにヘマをやっているんだ!!雨か…確かに降っていたからな」


スカー:「ああ、どこかの民家に身を隠している可能性はある。引き続き探してみるさ。また連絡する」


ルビー:「わかった。絶対しとめろ!研究所までつれてこい」


スカー:「絶対しとめる。じゃあな」


(間)


美由紀:「ふふ、美味しそうに食べてくれて嬉しいわ」


ラピス:「お腹空いていて…えへへ」


慶太:「美味しかったー。食器洗うね!」


ラピス:「あ!私も、何か手伝います」


美由紀:「ラピスちゃんは食器を拭いてくれる?」


ラピス:「はい!わかりました」


慶太:「よし、食器洗い終わったよ」


ラピス:「私、食器拭きますね~」


美由紀:「助かるわ♪二人共」


(間)


美由紀:「落ち着いたところで、ラピスちゃんはどういう故郷こきょうで生まれ育ったの?気になっていたのよね~。通勤前に癒されたいわ♪」


慶太:「うんうん。気になっていた!僕は学校休みだから。ゆっくり聞ける…」


ラピス:「私は、天界で生まれ育ちました。そこは、お花が咲き乱れていて。フェアリーフラワーという花の雫は甘いの」


美由紀:「そうなのね。幻想的…」


慶太:「どんな色の花なの?」


ラピス:「小ぶりな鈴のようなお花で、見る角度によって色彩が変わるんです。例えば…瑠璃色とか。黄緑。群青色」


美由紀:「へぇ…綺麗な色のお花ね」


ラピス:「幼い頃、雫を吸っていました(笑)」


慶太:「絵になりそうだね」


ラピス:「仲間は空を飛ぶのが好きで、いつもお花畑の片隅にいる私の手を引いて飛んでくれました」


美由紀:「楽しそう…私も飛んでみたいわ」


ラピス:「ふふふ、天界を見せたいです。きっと気に入ってくれると思いますよ」


慶太:「あっ。姉さん…時間が!家を出る時間になってるよ」


美由紀:「はっ、私はそろそろお仕事行ってくるわね」


ラピス:「美由紀さん、ありがとう。和みました。いってらっしゃいませ!」


慶太:「いってらっしゃい。姉さん帰りはいつもの時間?」


美由紀:「ふふ、私も和んだわ。帰宅時間は…そうねぇ。今日はちょっと遅くなるかもしれないわ。夜中にはならないけど」


慶太:「わかったよ!ご飯作ろうかな…料理をしたい」


美由紀:「ええ、ラピスちゃんに美味しいのを作ってあげて。先に食べちゃってもいいからね」


ラピス:「慶太さんは、普段はあまりお料理をしないのですか…?」


慶太:「うん…あまり。姉さんの手伝いならよくするけど」


美由紀:「ふふ(笑)じゃあ、ゆっくりするのよ。行ってきます」


慶太:「うん」


ラピス:「はい!」


SE:(扉を開ける音)


SE:(靴のヒール音)


SE:(扉を閉める音)


ラピス:「明るいお姉様ね」


慶太:「とても優しいよ。厳しくもある!(笑)」


ラピス:「(笑)」


慶太:「笑ってるラピス見ると、安心するよ」


ラピス:「そう…ですか?」


慶太:「うん、昨晩会った時は泣き出しそうな顔してから。余程、怖かったんだろうな…と」


ラピス:「あぅ…それは…」


慶太:「ありがとう。笑ってくれて」


ラピス:「こちらこそ、ありがとう…ございます。こんなにもよくしてくれて。あったかい。胸の辺りがポカポカするのです」


慶太:「そういえば、どんな奴に狙われたの?相手の人相を知れれば、なにか手を打つことができるかもしれない…」


ラピス:「え!…それは言えません。お二人を危険な目に遭わせるかもしれない」


慶太:「今、こうして君がここにいる。もう関りを絶てないよ」


ラピス:「……」


慶太:「ラピス…僕は君を守りたいんだ」


ラピス:「…っ!」


慶太:「お願いだ、わかる範囲で教えてもらえるかな?」


ラピス:「顔に傷がある大柄な男性で…左足を若干引きずっていました。肌の色までは暗くて…わからない」


慶太:「そうか…気を付けてみるよ。ありがとう。教えてくれて」


ラピス:「はい、気を付けて…。彼は本当に危険です。まだ、私を探していると思うのです」


慶太:「うん…どうしたら、逃げ切れるか考えないとね」


ラピス:「先ず、カーテンは閉めておいた方がいいかと思うの。どこから見ているのかわからないので…」


慶太:「ラピスが隠れているときに開けないとね」


ラピス:「そうね。そうじゃないと見つかってしまう可能性があります」


慶太M:(僕らはいろんなことを話した。あっという間に時間が過ぎ去っていく…笑顔も見れたので、とても癒された。でも彼女の心の傷は癒されていない。恐怖心はまだあるのだと思う)


(間)


慶太:「お腹空かない?そろそろ何か作ろう。お昼ご飯何にしようかー」


ラピス:「うーん、食材が何あるかに寄りますよね」


慶太:「あはは、あるもので作ってくるよ。ラピスはゆっくりしていて」


ラピス:「はい、ゆっくりしていますね」


慶太M:(その後、僕らは食後に色々な事を話した。ラピスが空を飛んでいたら、時空の狭間に飲み込まれて、下界…つまり人間界に落ちてしまった事を。翼で飛べるが、目立ってしまい大変な事になるということ。など)


ラピスM:(慶太さん、美由紀さん。優しい人がいることを初めて知った。人間界は危険だ!と…母上から教えられてきたから。仲間達や母上、心配しているだろう。とても会いたい。生きて帰って、抱きしめてほしい!そう強く思う私がいる。私は…そう。寂しいのだ)


美由紀M:(事務の仕事中に、彼女…ラピスのことを思い出す。ゆっくりできているだろうか?傷は痛まないか。など。三日間食べていなかった様子で、大変な思いをしただろうと、とても思う。何者かにも狙われ。冷たい雨に打たれ。そんな環境で生き延びた彼女は強い。そう確信している。しなかやに強く美しい天使…だと)


(間)


美由紀:「ふぅ、お仕事終わり!帰路にやっとつけた…って、あら?顔に傷がある男性…なんだか怖いわね…」


スカー:「誰かの視線が一瞬。3時の方角からか」


美由紀:「はっ、目が合っちゃった」


スカー:「おい、そこの女。俺は見世物じゃないぜ」


美由紀:「ごめんなさい。失礼しました…!」


スカー:「ああ、わかったなら去りな…俺は忙しいんだ」


美由紀:「ぁ、はい!では…!」


スカー:「みつかんねーな…どこかにいるはず。くたばったか?それはまずいな」


ルビー:「ウルフ4…どうだ?獲物はみつかったか」


スカー:「すまない。まだだ」


ルビー:「わかってはいるとは思うが早めに見つけろよ?」


スカー:「ああ。すまない…引き続き獲物を探してみる」


(間)


慶太:「夕食の時間だ」


ラピス:「夕方ですね…」


慶太:「姉さんが帰ってきたらご飯を食べようか」


ラピス:「はい♪」


(間)


美由紀:「ただいま~」


慶太:「あ、姉さんだ。おかえり」


ラピス:「美由紀さんおかえりなさい。」


美由紀:「お腹ぺこぺこよぉ…なに食べようかな」


慶太:「姉さん、トマトのバジルマリネとバケットあるよ。食べる?」


ラピス:「慶太さんが作ったのです♪」


美由紀:「食べる!気が利くわね♪」


慶太:「お腹空くかと思って、姉さん頑張り屋さんだから」


美由紀:「ギクッ…過集中には気を付けるわ。」


慶太:「あはは」


美由紀:「カモミールミルクティーいれようかな。慶太もラピスちゃんも飲む?」


ラピス:「いいのですか…!飲みたいです」


慶太:「飲みたい!」


美由紀:「ふふ、承知!茶葉と牛乳用意してと…お湯沸かして…っと」


慶太:「牛乳を使う分出しておくよ」


美由紀:「ええ、お願いね」


慶太:「うん、任せて」


美由紀:「お砂糖大さじ3…とカモミールの茶葉を用意して…。」


慶太:「他に手伝えることってある?」


美由紀:「小鍋でお湯沸かしてもらえるかしら、少量…300㏄で足りるわね。牛乳を多めにすれば贅沢なカモミールミルクティーになるわよ」


ラピス:「うーん、少量のお湯でカモミール…?の茶葉を抽出であっているのかな…」


美由紀:「そう!少量のお湯にカモミールという茶葉。正確にはお花の部分ね。それを使うの」


ラピス:「へぇ~!どんな風味なんだろう。気になります」


美由紀:「林檎の優しい風味なのよ」


ラピス:「わぁ、楽しみです」


慶太:「お湯沸いたよ。姉さん」


美由紀:「ありがとう~」


慶太:「鍋に茶葉を入れて…」


美由紀:「ティースプーンでふんわりと3杯ぐらい入れて、火を止めて3分蒸らして」


慶太:「了解!」


ラピス:「ワクワクです」


美由紀:「3分蒸らしたら、400㏄の量の牛乳を入れて弱火でじっくり煮出すのよ」


慶太:「時間はどれぐらい?」


美由紀:「煮出すのは私がするわね。鍋のふちに小さな泡が出てきたら、それを維持しつつ3分ね」


慶太:「ん、わかった」


ラピス:「お砂糖って言っていましたけど、それはいつ入れるのですか?」


美由紀:「それは、最後よー。飲む直前に鍋に入れて、茶こしでこして、コップに注げば美味しいカモミールミルクティーの完成。」


ラピス:「そうなのですね…♪」


慶太:「コップ用意!」


美由紀:「ナイスアシスト!」


ラピス:「楽しみです…!」


美由紀:「さぁ、私の夕食の出しつつ…お茶をいただきますかね」


ラピス:「あ、このお皿でしょうか。小皿に入った赤いトマトとバジルのマリネ」


美由紀:「そうよぉ。ありがとう。ラピスちゃん。切ってあるバケットも出して…そこにマリネを乗せると美味しいのよ~♪」


ラピス:「美味しそうな組み合わせですね!」


美由紀:「でしょー?」


慶太:「さて、用意済んだので…手を合わせて」


美由紀:「いただきます」


ラピス:「いただきます~」


慶太:「いただきます!」


(間)


美由紀N:食後の雑談シーン


美由紀:「そうそう、帰りに怪しい男性いてね、びっくりしちゃったのよ~」


ラピス:「怪しい…男性?」


慶太:「へぇ、どんな人?」


美由紀:「顔に傷があったかな。確か…頬に」


ラピス:「…っ!!」


慶太:「まさか…片足引きずり気味じゃなかった?その男」


美由紀:「そこまでは分からなかったわねぇ…怪しいとは感じたから、私はすぐさまその場を立ち去ったわ。相手から見世物じゃない!!と言われたから」


慶太:「……」


ラピス:「……」


美由紀:「慶太もラピスちゃんも考え込んで…もしかしてその男性って要注意人物?」


慶太:「ラピスを狙っている奴かもしれなくて。顔に傷…だと一部の特徴が当てはまる」


美由紀:「そうなのね…教えてくれてありがとう」


慶太:「そこで、僕から提案があるんだ!」


ラピス:「提案…?」


美由紀:「なにかしら…」


慶太:「対策作戦会議をしよう!という提案」


美由紀:「いつまでも。この状態ではいれないものね」


ラピス:「はい。対策を練ったり、何か行動しないとですね」


慶太:「よし、対策作戦会議始めます!」


スカーN:場面一転して、スカーとルビーのサイド


スカーM:(俺は名前スカーという。普段はコードネームのウルフ4と名乗っている。獲物を決して逃さないハンターだ。今回の獲物は人体実験の対象の天使。落ちて来たところを、上層部のボスが目をつけて、『天使を捕獲せよ!抵抗するなら始末しろ!』との事だ。一度逃したのがタイミング悪かったらしい。雨で移動の形跡が途絶えた。このまま、引き続き捕獲対象を探す)


ルビーM:(私の名前はルビーという、スカー…つまりウルフ4の上司だ。今回はウルフ4がヘマしたようだが、腕を信頼している。そのうち捕獲するだろう…ふふ、実験が楽しみだ。天使はどんな声をして泣き叫ぶだろうか。考えるだけでも鳥肌が立つ。美しい声だろうな。私自身、性格はよい方かと問われればひねくれている方だろうな。昔から私はそうだ。それでも部下をしっかり信頼しなきゃな…間違った時は正す。組織の方針は守ってもらわないと。さあ、ウルフ4、しっかり仕事をしろ!お前ならできる)


(間)


慶太:「それでね、助けを待つのは効率が悪い気がするんだ。同じく狙われてしまう…」


ラピス:「そうね…ここでは飛ぶと目立ってしまうし、とても不利だわ。」


美由紀:「天使…ラピスちゃんは魔法って使えるの?」


ラピス:「魔法…ですか。それは使えるかはそれぞれなのです。生まれ持った素質を活かせるかによって変わります。私はあまり使えません。飛ぶのがメインです…」


美由紀:「そうなのね…」


慶太:「ラピスは飛べる…時空の狭間を探して、そこに飛び込み天界に戻る。その場合は誰かがその男の足止めをしないと」


ラピス:「足止め…お二人の怪我が心配です。最悪、命を落とす可能性があります。」


慶太:「僕たちは大丈夫。目標以外は標的にはしないはずだ!」


美由紀:「何があってもラピスちゃんを守るわ。警察や自衛隊に頼るわけにはいかないものね」


ラピス:「ありがとうございます…!」


慶太:「そういえば、時空の狭間ってどういうものなの?」


ラピス:「時空の狭間とは、時間のずれが生じている空間です。それで雷が鳴っています。更に強風も吹いていますね」


慶太:「そうなんだね。目的の時間軸を探すのってできるものなの?天界へ戻る為にもそれは可能かな。と」


美由紀:「うんうん」


ラピス:「それは…風の囁きを聴くのです」


慶太:「風の囁き…」


美由紀:「私たちは聴こえないけど、特殊な存在だと聴こえるのもの?」


慶太:「今も何か囁いているの?部屋の中でもわかるのかな」


ラピス:「はい、わかります。今はそうですね…囁きを聴くと明日は雨が降る様子です。『気圧が下がるよ!』と言っていますので」


慶太:「明日は日曜だから、学校はお休み…姉さんは?」


美由紀:「私もお仕事はお休みよ」


慶太:「OK!」


ラピス:「はっ、時空の狭間に羽を入れたら…導いてくれるかも」


美由紀:「導いてくれる…羽が天界への道を示すのね」


慶太:「そうなんだ…素敵だね。時空の狭間を探して飛び込めば…どうにか」


ラピス:「そうなのです。戻れるかもしれない」


慶太:「作戦はそれで行こう。問題は足止めか。確か、格闘技術の本持っていたよね?」


美由紀:「ああ、護身術の本?」


慶太:「そう、それ!貸してもらえる?それで練習したくて」


美由紀:「いいけど、相手はどうするの?練習するにはもう一人必要よ。私でいいのなら頑張るわよ~」


慶太:「お願いしてもいい…?」


美由紀:「ええ、お任せなさい!」


慶太:「よし!作戦会議はこの辺りで!」


美由紀:「お疲れ様~」


ラピス:「お疲れ様です!」


慶太:「うん、お疲れ様!あとは、休んで。明日から護身術の練習だね」


美由紀:「ええ、私も頑張るわ」


ラピス:「慶太さん…美由紀さん…ありがとうございます。私の為にこんなにも」


美由紀:「いいのよ~。私、先にお風呂に入ってきてもいいかしら?上がってから動きやすい服装も見繕いたいし」


慶太:「もちろんだよー!ありがとう。姉さん」


ラピス:「はい!」


美由紀:「ええ、お先に」


慶太:「次はラピス。君が入ってあたたまってきて。僕はそのうちに作戦内容を確認しているから。内容を整理しておくよ」


ラピス:「はい。わかりました!私にも手伝える…?やることあれば嬉しいな。と思って」


慶太:「うん、じゃあ…紅茶を入れてきてもらおうかな。喉かわいちゃって」


ラピス:「はい!昼間に教わった通りに入れてみます。途中わからなくなったら聞きますね」


慶太:「うん、そうして!姉さんの分もお願いするよ」


ラピス:「はい~!」


(紅茶をいれに席を立つラピス)


(間)


慶太:「うん、美味しいー!」


ラピス:「よかったぁ」


美由紀:「上がったわよ~。ラピスちゃんどうぞ。あたたまってきて」


SE:(紙に文字を書く音)


慶太:「あ、姉さん。あたたまってきた?」


美由紀:「ええ、しっかりと」


ラピス:「あ、はい!入ってきますね。あの…。美由紀さんお願いがあるのですが。包帯を…」


美由紀:「ん?ああ、そろそろ包帯取り替えないとね」


ラピス:「はい、お手数おかけしてしまって、ごめんなさい」


美由紀:「大丈夫よー。傷が残らないようにしないとね」


ラピス:「ありがとうございます」


美由紀:「うんうん。女の子は時に気を付けないとね」


ラピス:「いってきます」


SE:(紙に文字を書く音)


慶太:「……うーん。ここは順番入れ替えて…」


SE:(紙に文字を書く音)


(間)


美由紀:「慶太は集中している…本は横に置いておこう。ラピスちゃん、そろそろ上がるころかしらね」


SE:(扉をたたく音)


美由紀:「ラピスちゃん、入っても大丈夫かしら?救急箱もってきたわ」


ラピス:「ぁ、はい!」


美由紀:「うんー…結構治ってきているわ!傷跡は残らないはずよ」


ラピス:「よかったぁ」


美由紀:「ところで、この服装どうかしら?」


ラピス:「スリムな青いパンツルックに白い半袖のTシャツ…似合っています!綺麗です」


美由紀:「ありがとう。嬉しいわ。スカートが多かったから。探すのを苦労したのよね」


ラピス:「(笑)」


美由紀:「(笑)」


ラピス:「痛みがとても緩和されてきています。よかった」


美由紀:「そうよぉ。女の子は特に気を使わないとね」


ラピス:「ふふ、次は慶太さんがお風呂に入る番ですね」


美由紀:「そうね。今、情報纏めるの集中しているわよ。ラピスちゃん。はい!新しいワンピース。これを着て」


ラピス:「美由紀さん…ありがとうございます!空の色のワンピースですね。素敵」


美由紀:「うん、昔よく着ていたの。お下がりでければ。来たばかりの時のワンピース、補修しているから待っていて頂戴ね」


ラピス:「はい。とっても嬉しい。えへへ」


美由紀:「お任せあれ♪」


(間)


SE:(時計の秒針の音)


慶太:「ふぅ…こんな感じかな!よし」


ラピス:「お疲れ様です!慶太さん」


美由紀:「終わったのね♪」


ラピス:「お風呂、慶太さんの順番ですよ」


慶太:「そうだった。んーっ!背中痛い…肩ばっきばきだ。風呂はいってくるね」


ラピス&美由紀:「いってらっしゃい!」

(タイミングが合わなくても大丈夫です)


ラピスM:(夜は更けていく。私の心が落ち着くように穏やかに日が沈みゆくの。朝になれば。明るい朝日が顔をだすのでしょう。それぞれ、お休みなさい。と声を掛け合って。毛布にくるまれて幸福な夢を見る。時折、怖い夢を見る。でも隣に美由紀さんがいるから気にならない。そっと近くによって寝息を立てるのだ)


SE:(鳥の鳴き声)


慶太:「ん…朝かぁー。よし鍛えるぞ!先ずは身支度しよう!動きやすい服装にっと」


(間)


美由紀:「ふぁ…ラピスちゃんおはよう~」


ラピス:「すぅ(寝息)…う…ん…!おはようございます。美由紀さん」


美由紀:「さぁ、朝ごはん作って食べて…鍛えるのよ!頑張れ私!」


ラピス:「あの、朝ごはん…作ってみてもいいですか?お役に立ちたいです」


美由紀:「ええ、いいわよ。お任せしようかしら…よろしくね。あるもの使っていいから」


ラピス:「はい!切ってあるバケットあったので、お砂糖と牛乳を入れた卵液に浸して、バターで焼いたら美味しいかな?って」


美由紀:「あら、美味しそう」


ラピス:「身支度して、作ってきます」


ラピスN:その後、朝ごはんを食べて食休みして、慶太と美由紀は護身術を練習し始めた


(間)


慶太:「姉さん、ここで後ろからバッときて…そしたらこう投げ技をして…」


美由紀:「ふむふむ。こうかな…!えいや!」


慶太:「せいっ!」


美由紀:「わっ。力強い!」


慶太:「ふふ、これは力でなくて重心をずらしただけだよー」


慶太N:その後護身術の練習を何回かし、休憩も挟みつつ‥再開をし。その繰り返しをしていた。


(間)


ラピスM:(そして幾日か経過し、二人の技術は様になってきた。そして…風の囁きを聴くために耳を澄ますラピス)


ラピス:「んー…12時の方角の上空に時空の狭間がある」


慶太:「傷の男はどう?」


ラピス:「2時の方角低目の位置に隠れているみたい…あ!今動いた。これは1時の方角。多分、繁華街の路地裏に」


美由紀:「すごいわ…そんな細かなことまで分かるなんて」


ラピス:「えへへ、私、囁きを聴くのは得意なのです」


慶太:「すごい能力!」


ラピス:「今です!今なら時空の狭間に飛び込める!傷の男は移動をしていません。チャンスです」


慶太:「よし!ラピス、姉さん、行くよ」


ラピス:「はい!」


美由紀:「準備OK!」


ラピス:「今まで、本当にありがとうございました。心から感謝しております、この御恩、一生忘れません」


美由紀:「こちらこそ、楽しい思い出だわ。行ってらっしゃい。もとの世界へ!」


慶太:「僕も楽しかったよ。また会えたら…て、会えないよね。お元気でね。ラピス」


ラピス:「慶太さん、美由紀さん…(泣)」


美由紀:「泣かないの、瞼が腫れるわよ?」


慶太:「ラピス飛んで!姉さんは様子見して、傷の男に話しかけて。時間を稼いでほしいんだ!お願い」


ラピス:「はい!」


美由紀:「ええ、行くわよ!」


慶太N:飛び立つラピスと傷の男に接触を試みようと動く美由紀


(間)


美由紀:「あのー…」


スカー:「ん?女か。何の用だ」


美由紀:「私は由紀。と申します。先日、目が会いましたよね。片足引きずられていらっしゃる様子なのですが、身体の具合…悪いのですか?」


スカーM:(なんだ…この女。変な奴だ)


美由紀:「あの、どうかされました?心配で…」


スカー:「ああ、あまり気にするな。俺は…そうだな。謎の男とでも名乗っておこう」


美由紀:「謎の男…。面白い人ですね、ふふふ」


スカー:「さっさとここから去れ!俺は忙しいんだ」


美由紀:「警備か何かのお仕事ですか?大柄で頼りがいがありそうですね!」


スカー:(…っ!この女…由紀といったかなんだかしつこいな。天使が姿を現したというのに。何ということだ。獲物が逃げてしまう)


美由紀:(ふふ、困惑している。偽名を使ってよかったわ。本名だと色々と…何かあったら怖いし。あとはどうやって話を引き伸ばすか。が本筋ね)


スカー:「おい、由紀と言ったか…お前はここらに住んでいるのか?地理に詳しそうだが」


美由紀:「んー。普段は遠くに住んでいるわ。職場も遠くて大変よぉ。今日はたまたま散歩していたの」


スカー:「そうか、ならさっさと帰れ」


美由紀:「えー!なんでですの?ちょっと暇で…お喋りに付き合って下さいません?」


スカー:「しつこい!断る。」


美由紀:「私いま一人ですよ。近場におしゃれな喫茶店見つけたのです。お仕事の休憩中であれば…と。なかなか入る勇気になくて付き合って下さらない?」


(間)


ラピスM:(このまま飛んで…早く飛び込まないと、もっと速度を!速く!速く!!)


(遠くから姉とラピスを見守る慶太)


慶太M:(このまま、いける!頑張ってラピス。姉さんもちゃんと見てるいから…いざという時は僕の出番)


ラピス:「もう少し!!」


慶太M:(あ!姉さんの地点を通過された!ラピスを狙う気だ)


慶太:「あの、待ってください!!」


スカー:「ん…?貴様はどこのどいつだ。何を知っている?」


慶太:「僕は…通行人だ!貴方は物騒な武器を持ってるし…、危ないですよ!」


スカー:「通行人?ほほぅ…俺の邪魔をする気か」


慶太:「えっ、それは…」


スカー:「俺の邪魔するんじゃねぇよ」


慶太:「女の子を狙っているんだろう?そうはさせない」


スカー:「狙ってる…?天使の事か」


慶太:「やはり、お前がラピスを!!」


スカー:「はっ、匿っていやがったんだな。どおりで見つからねぇわけだ」


 慶太:「好き勝手はさせない!!」


スカー:「ははは、どうかなぁ~?せいっ!」


慶太:「うぐっう…痛っ」


スカー:「獲物…天使はどこにいる」


慶太:「ラピスは…ここにはいない」


スカー:「そうか、わりーが邪魔されるんは苛立つんだよ。おらぁ」


慶太:「かはっ…!僕は…守りたい…ラピスを!!はぁああ」


スカー:「はぁっ?しつけーな。おめぇ」


慶太:「ぐぅっ…このまま、終わるなんて…」


スカー:「へなちょこなガキが粋がるな」


(間)


美由紀M:(ぁ、慶太が…!!今の私にできること…なにかあれば!!)


美由紀:「待って!これ以上慶太を傷つけないで」


スカー:「ぁああん?お前は…さっきの」


美由紀:「私は美由紀、そこにいるのは私の弟の慶太よ。」


慶太:「姉さん!!」


スカー:「ほぅ…?面白い事になったなぁ」


美由紀:「慶太、安心して。私もいるわ」


スカー:「生かして返すと思っているのか?」


美由紀:「これ以上はラピスちゃんに執着するのはやめて」


スカー:「ん?ああ、わりぃなぁ…上官の命令でな。やっぱりお前らと遊ぶのはやーめた」


慶太:「くそっ!!隠れられた」


美由紀:「どこにいったの…!」


ラピスN:場面一転して上空のラピスのシーン



ラピス:「かはっ…」


(間)


美由紀:「ラピスちゃん!!」


慶太:「ラピス!!」


(間)


SE:(近づく足音)


ラピス:「ごほっ……」


スカー:「ちっ、撃ち抜いた場所が悪かったか。手足を狙えばよかったな…くたばっちまった。上官に報告するか…」


SE:(遠ざかる足音)


美由紀:「ラピスちゃん!どこ!?」


慶太:「ラピス…ラピス!!」


ラピス:「この…気配は…二人共近い…のね…ごほっ…ごほごほ」


慶太:「ラピ…ス…守ってやれなかった…僕は…!!くそっ!」


美由紀:「ラピスちゃん、ごめんなさい…ラピスちゃん!」


慶太N:その後悲しみに暮れた僕たちを包み込むように

雨粒が降り出し。ラピスは消滅した。ラピスの最期は笑っていた…ありがとう。と僕たちに言ってくれているように。優しい雫が僕たちを抱きしめる。『大丈夫。そばにいるよ!ずっと』と伝えてくるようにあたたかくて泣き叫んだ。僕は守ると決めた。その天使の羽が御守だ。ずっと一緒だよ。君は‥ラピスは…幸せだった?


ラピス:『ええ、幸せよ。あなた達に出会えて本当によかった』


ルビー:「ウルフ4、しくじったな。ここは私の出番」


(間)


美由紀:「うぅ…私がちゃんとしていれば」


慶太:「辛いだろうけど姉さんの失敗じゃない、僕がもっと足止めできていれば…っ」


美由紀:「慶太…」


慶太:「帰ろう、家に。」


美由紀:「そうね、帰りましょう。」


ルビー:「待ちな、お二人さんよぉ」


慶太:「え、誰…?」


美由紀:「どなたかしら…?」


ルビー:「おりゃぁあああ!!」


慶太:「姉さん!」


美由紀:「え、慶太?!」


慶太:「ぐはぁ…!!ごほごほ」


ルビー:「ふふ」


美由紀:「慶太!!そんな…血がたくさん…」


ルビー:「あとは、あんただけだぁぁああ」


美由紀:「きゃ!!ぁく…う…」


ルビー:「ふふ、はははははは!これでいい!これでいいんだ!!」


(間)


スカー:「ルビー…!何故あの二人まで手にかけた!!」


ルビー:「ウルフ4、仕事だ。わかっているだろう?最後までキリよく始末よくするんだ」


スカー:「くっ、二人に対して、そこまでする必要ないだろう?天使のラピスと言ったか…。そいつを実験材料にするだけがミッションだっただろう。」


ルビー:「わかってないな、お前は。ほんとに向いてない!この裏社会で生きていけないぞ?」


スカー:「おらぁああああ。」


ルビー:「ぐはっ!!ウルフ4…何を…お前、やりやがったな」


スカー:「じゃあな、地獄に落ちやがれ」


スカーN:俺は裏社会から逃亡した。追われる身になっただろうな…組織を裏切ったんだからな。ふふ、それでも捕まらないさ、逃げ切ってやる!

あとは、ラピスという天使と慶太と美由紀のお墓を建ててやるか…天国に行けるように。


(間)


美由紀:「あら…眩しい。私は死んだはずじゃ。」


慶太:「姉さん…不思議なところだね、あの時命を落としたはず。なのに身体がある。」


ラピス:「美由紀さん!慶太さん!会いたかったーー!」


美由紀&慶太:「?!」


美由紀:「えっと、ラピスちゃん、本物なのよね?!生きてる…」


慶太:「生きてる…!?ラピス、君を守れなかったのに…ごめん!本当にごめん」


ラピス:「ここは漆黒の天界です、未練を残した天使が再び生まれる場所」


美由紀:「私は人間…なのに。え!?何故」


慶太:「うん…僕も人間なのに、なんで?!」


ラピス:「それぞれ、ご自身の背中を見てみて下さい」


美由紀&慶太:「ええええ!!翼があるーーー」

(タイミングが合わなくても大丈夫です)


ラピス:「ふふ、またお会いできて嬉しいです。私も吃驚(びっくり)しました…例外の場合もあるんでしょうね。」


(間)

スカーN:あらゆる地を彷徨った。

その後、俺は修道士になった。何故かって?それは…そうしたいと思ったからだ。


SE:子供の走り回る、元気な笑い声。


スカー:「ここが、人間の世界、裏の世界ではないところ…真っ当に生きるのもあり…か。

罪滅ぼしになるかどうかわからんが、皆の幸せを祈るとしよう。

今まで亡き者にした人に対し申し訳ないことをした…今からでも間に合うだろうか、頑張ってみるしかないな」


使用してくださりありがとうございます!


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