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第7話

「せいせいせいせいせいせーーい!!」


なんでしょう?

ティファ、またハイト様と何かあったのでしょうか?


さっきから、こん棒らしき物に膝を乗せながら生地の上をグルグル回っておりますわね。


いつもなら、すかさず突っ込む所ですが、今私にはそんな気力残されておりませんわ。


「まだです!まだまだぁーー!!」


「・・・ちょっと誰かあの人止めてよ。なんで放置なの?ここの宿舎にはもう突っ込み要員は存在しないの?」


マッジン様。

貴方が突っ込めばよろしいではありませんか。

まぁ、ハイト様が恐ろしくて下手な事が出来ないのは分かっておりますけれど・・・・。


「ティファさんティファさん?生地が凄まじく極薄になってるけど大丈夫なのかな?コレは本来の姿なのかな?」


「薄い奴には薄い奴なりの良さがあるのです!!モチモチだけが正義ではないのです!!」


「・・・・駄目だ〜お手上げだぁ〜もうハイトに任そう」


ピタリ。


「「「ん?」」」


「・・・・・何でもかんでもハイトさんに任せようとするの・・・やめてもらえませんかね?貴方達の本気を、たまには見せて下さい。やる時はやると噂の、騎士団の本気というやつを・・・・」


・・・・・ティファ。

貴方、何があったか分かりませんけれど無茶言わないで差し上げて下さいな。


あとティファ。目の焦点が合ってなくてよ?

しょうがないですわね・・・・・。


「料理が出来るまでまだ時間がありますから、少し部屋でお休みになられて来たらいかがです?」


「そ、そうだね。何かあったら呼んで?俺達、談話室で休んでくる」


はい。

メルロー様が残念そうな顔をしていますが関係ありません。早く出て行って下さい。貴方達がいるとティファと話が出来ませんので。


「・・・・・それで?この間の事、叱られたのですか?」


あら。激しく首を振っておりますわね?


確かに、怒られる雰囲気では無かったですわ。

では、なんでしょう?


「結婚の話。ちゃんと待ってくれるそうです。私の心の準備が整うまで」


「まぁ?そうですの?良かったですわね?・・・ってティファ?何故ふくれっ面になるのです?何か不服なのですか?」


なんでしょう?ティファがこんなにもハッキリ不満を外に出すなんて・・・ハイト様、何したのです?


「・・・・もう、結婚しちゃった方が良いかもしれないです。だって・・・」


ティファ。酷い顔ですわね・・・・私もこの前ヨシュア様達の前でこんな顔だったのでしょうか?

コレは酷いですわね?深く深く反省しますわ。


「すごく、勇気を出したんです。・・・すっごく。それなのに・・・途中で止められてしまいました」


・・・・何を、止められたのでしょう?

私にも分かるように説明して頂けます?


「ハイトさんに触りたいって・・・私、アイラさんが傷付いた時の気持ち分かりました。きっとアイラさんもそうなんですよね?コレは、キツイです」


え?それは、ハイト様に拒絶されたという事でしょうか?

それは・・・・ありえませんわね。ないですわ・・・。


「・・・・ティファ。貴方それ、また()()でお願いしたのでは?」


「え?はい。そうですが・・・いけませんでした?」


「・・・・・・・・ティファ。それは貴方が悪いですわ」


「え!?何故?どの辺りが悪かったです?」


無自覚!この子無自覚過ぎますわ!!


「次はハイト様の家に行ってお願いしてみては? その時きっと、その理由が分かりますわ」


「それは、宮廷内にあるハイトさんの屋敷に、ですか?」


「ええ。ハイト様も立場が変わられて、あちらで過ごされる事も多いですから。差し入れを持って行った時にでも、お願いしてみたらいかが?違う反応が返ってきますから。絶対に」


・・・・・物凄く考えて込んでますわね?


・・・なんでしょう。

さっきまで、この前の自分の失敗で気分が少し落ち込み気味でしたが・・・ティファのこんな姿を見ていると、とても落ち着きますわ。安定の安心感ですわ。


ティファ、ブレないですわね?


「・・・・いや。それは・・・マズイのでは?」


ティファ!貴方絶対確信犯ですわね?!

ハイト様が手を出せない状況を作り出して、自分のしたい事を好き勝手にしたいだけなのですね?

そうなの?そうなのですね?ハイト様可哀想!!


「それで。アイラさんも何かあったんですか?」


「ええ。つい本音が漏れてしまいました。近い内、無理矢理ヨシュア様は私と婚約させられたのだと噂が立つでしょうね。まぁもうそれはいいのですが・・・・」


どうせ真実を説明したとしても、それも面白おかしく自分達の都合のいいように広められてしまうのです。

それよりも気になる事がありますわ。


「この世には魔法で姿を変えられる者がおりますわよね?ヨシュア様もそうですし、ラットも姿を変えていましたわ」


「そうですね。向き不向きがありますから、誰でも出来るわけじゃないみたいですが。それがどうかしたんですか?」


「・・・・ヨシュア様の変幻なるものは・・ラットのものとは異なるものなのでしょうか?」


「そうですね?ヨシュアさんは聖獣ですから。ラットとは違いますね?ラットは幻術で体を覆っているだけです。ヨシュアさんは身体その物を変化させます」


え?ティファは知っていましたの?

聖獣?とは?


「たまにいるんですよね。聖獣に変幻出来る人は中々いません。魔力も生まれつき強いです。でも、殆どが無事に育ちませんから、数は少ないです」


「何故?身体に異常があるのですか?無事に育たないとは・・・」


「・・・殆どが赤子の内に殺されてしまうからです。聖獣の力をもつ子供は母親から生まれる時、その姿で産まれてくるそうなので・・・産んだ親が驚いて殺してしまうケースが多いそうです」


青い・・・・・狼。

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