第51話
最終話です。
ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました!
そして、ブックマーク評価して下さった皆様感謝でございます!!
後日談が少し続きますが、ヨシュアとアイラの物語はここで完結になります。
「ちょっとヨシュア様!!またですの?また他の女と仲良くお出かけですの?いい加減にして頂けませんか!?」
「阿呆か!お前は!!護衛だ護衛!!なんだお出かけって!どうしたらそんな発想になる?しかも殿下だぞ!?お前の頭はお花畑なのか!年中満開かコラ!」
また始まったわ。
この人達、毎日毎日よく飽きもせず喧嘩できますわね?
本当、感心しますわ。
そして、お母様のヒステリーに毎回バリエーション豊かに突っ込みを入れるお父様を、私実は尊敬しておりますわ。
「それにしても頻度が多すぎますわ!!毎日毎日呼び出されては街で仲良さげに出歩かれて・・・舐めてますの!!あの女、処してやりますわ!!」
「お願いだから間違ってもそれを外で口に出さないで欲しい! 俺の首が間違いなく華麗に空を舞うからな? 明日で終わりだから!! 次はメルローだから!! ロザリーがさっきからコッチをガン見してる!!取り敢えず落ち着け!」
あら?いつもの行事なので別に気にしてませんわよ?
どうぞ?続けて下さいませ?
どうせ朝には何事もなかったかの如くラブラブでしょうから?ああウザイ。
「旦那様、ラット様がみえております」
え!!ラット様が!
「おい、ロザリー!コラ!」
最近お父様忙しくて全然宮廷に連れて行ってくださらないんですもの。魔術師様に全然、会えていませんわ!
「ラットさまーーー!!」
「あ、ロザリー?元気してたか?」
「はい!!ラット様、ラット様はお元気でしょうか?」
「おう、元気だぞ?中々会いに来れなくて悪いな?」
そんなぁ?ラット様がお忙しい事は分かっておりますわ。
会えないのは寂しいですが我慢出来ます!!
「ロザリー・・ちゃんと挨拶なさい。よ!ラット!生きてたか?」
「お前よく娘にちゃんとしろとか言えるな?まぁいいけどよ?ロザリー大分安定してんな?制御装置も馴染んでそうだしな?暫くは心配なさそうだ」
え!!それはもしかして暫くはラット様に会えない?会えないのですか?えーーーー?!
「そう言えばティファの店の話聞いたか?」
「ええ勿論!試作品の試食は必ず呼ばれますもの。開店したら、いち早く出向きますわ!!」
ティファさんってお母様のお友達ですわね?宿舎でとっても美味しい料理を作っているらしいのですが、私まだ食べた事ありませんわ。
「ロザリーもティファのお店が開いたら一緒に参りましょう?魔力も安定しましたし、きっと大丈夫ですわ」
「じゃあその時は俺もついてく。一応な?」
きゃあああああああ!!ラット様も?ラット様、私とお食事に?う、嬉しい!!
「・・・・・ロザリーお前分かりやすすぎて父は心配だ。あ!そういや、殿下精霊と会えたぞ」
「・・・そうか。何も起こらなければいいけどな?まぁ、何かあればキルトとシエルミンテに協力を依頼する」
「一応ゴルドにも声をかけるか。俺達の国ってなんでこう・・毎回面倒な事起こるんだろうな?おかしくね?」
「懐が大きいんじゃね?いちいち助けてるから大変なんだよ。まぁ、人の事、言えねぇけど」
新しい精霊?私この前会いましたわよ?夢の中でですが。
とても綺麗な長い髪の男の子でしたわ!秘密にしてと言われましたので誰にも言えませんがお友達になりましたの!
「イノリがまた文句言って来そうだよなぁ。殿下があの山に登るたびに見物客が増えて農作業の邪魔になるらしいからなぁ・・・何とかしねぇとな」
「またその件について俺からもササラに伝えておくわ。じゃあなロザリー!お前ら子供の前で喧嘩は程々にな?」
ああん!!行ってしまわれましたわぁ。でも、会えて嬉しいですわ。やはり私達は運命の糸で繋がっているのですわ。
「さ、ロザリーはそろそろ寝ましょうね?明日も早いですから」
え?もう?ちょっとお母様?
いくらなんでも早過ぎません?
「お母様・・私、まだ・・」
「ロザリー?貴女もヴァンディル家の娘なら分かりますわよね?可愛い弟が、欲しいですわよね?」
ハッ!!・・・弟・・・・・可愛い・・・弟。
ニッコリ。
「私もう眠いです!」
「・・・・・・アイラ。もう少し・・・その。いや、なんでもない」
うふふ!早く出来ないかしら可愛い弟。
我が家は伯爵家ですから、やはり跡継ぎがいませんとね?
お父様みたいに婿養子という手もありますが、やはり出来れば長男が継ぐのが好ましいですわよね!
そして私は大好きなあの人のお嫁さんになるのですわ!
ウフーーー!!
「お前なぁ?ロザリーに変な事吹き込むなよ?ただでさえお前に似てるのに・・・」
「それはどういう了見ですの?私に似たら何か問題が?」
「問題が多過ぎて指摘しきれねぇよ。色々反省しろコラ」
でも、あんなに毎日喧嘩してるのに、仲が悪くならないのは何故なのかしら?それだけが私、理解出来ませんわ。
「・・・・ヨシュア様が大変な事は重々承知しておりますわ・・・私達の我儘をヨシュア様に押し付けましたから」
「あん?なんの話だそれ?」
「・・・お兄様とベロニカの為に、ヨシュア様がヴァンディル家に入られた事ですわ」
一体お父様とお母様どうやって仲直り、してるんでしょう?気になります。
「お前なぁ、そんな昔の事まだ気にしてんの?皆納得した事だろ?何?俺が当主じゃ不満なのか?」
「違いますわ。ただ・・・ヨシュア様に重責を全て押し付けましたから。お兄様もお父様も・・とても心配しておりますわ」
「聞き捨てならねぇなぁ?俺を心配する暇があるなら、褒め称えろ。そして敬え。流石俺。やれば出来る男だろ?」
「そんな事言ってるから素直に褒めてもらえないのですわよ?いい加減、気付いて下さいませ」
一度お父様に聞いたら思いっきり笑顔で話を逸らされましたわ。今度お母様に聞いてみましょう!
お母様なら口が軽いから教えてくれそうですわ!
「褒めて、くれねぇの?」
「・・・・・・・・よしよし。偉いですわ、よく出来ました。・・・・あの、コレやめません?・・・毎回、本気で恥ずかしいのですけれど?」
「なんだよ? 約束だろ? 俺はお前のワンちゃんなんだろ? ちゃんと俺が頑張れるように、ご褒美は貰わねぇーとな?」
「い、意地悪ですわ!!いつまであの時の事根に持って・・・本気で犬扱いしますわよ!ヨシュア!お手!」
「ハハッ!ワン!」
仲がいいのに、わざわざ喧嘩するなんて。
本当、大人って意味不明ですわ。




