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第5話

思いっきりヨシュア様にバレてしまいましたわ。


あんな格好も見られてしまいました。

あんな、あんな・・・かっこうを・・・。


「「アアーーー!!」」


ティファも項垂れておりますわ。

貴方もまさか、あんな所にハイト様がいらっしゃるとは思いもしませんでしたわよね?衝撃で目が飛び出さんばかりの表情でしたわ。


「うう・・・どうしましょう。ハイトさん・・・ヤキモチ焼きって言ってましたぁ。また監視の日々が待ち受けていそうです」


でも、私は羨ましいですわ。

私もヨシュア様それくらい独占欲丸出しで迫られてみたいですわ。


「ただいまー」


「お?なんだアイラ着替えたのか?」


「え?ええ」


・・・あら?なんでしょう?

もっと怒ってると思いましたのに・・・思った程怒っていらっしゃらないですわ?特にハイト様が・・・。


「ティファ」


「はひ!!」


「・・・・・・怒ってないよ。ちょっと、話してもいい?」


「え?あ、はい?」


どうしたのでしょう?

なんだか、ハイト様が申し訳なさそうな顔をされてましたが?ティファがするのなら分かりますが・・どうしました?


「アイラ、もう帰れ。屋敷まで送って行く」


「はい。ティファ、御機嫌よう」


「はい。また来てください」


あのお二人大丈夫でしょうか?なんだかティファに申し訳ない事をした気分に・・・ん?


「余所見すんな。行くぞ」


え、え、ええええええ?


ヨシュア様?な、何で私の手を引いて・・・と、いうか。

手を繋いでます?私達。え?何故急に?


「お、怒ってますの?あんな格好、した事を」


「怒ってんな?自分の婚約者が他の男と仲良く話してりゃ気分がいい訳ねぇ」


あ、やはり体裁が悪いですものね?

また、私が渋々ヨシュア様と婚約していると噂されてしまうかも知れませんわ。気をつけましょう。次はもっとバレない様にしませんとね?


「イノリさんの同業者と像工師の方でしたわ。もし、周りの方に何か言われたら仕事の打ち合わせをしていたと仰って下さいませ」


「・・・そうじゃなくて、だなぁ」


「え?何でしょう?」


「・・・・・・なんでもねぇよ」


ヨシュア様、様子がおかしいですわね?


あ、でもでも・・・どさくさに紛れて手を繋いでしまいましたわ!急いでいたのかもしれませんが、ラッキーですわ!!思わず顔がにやけてしまいます。気を付けなければ!


「・・・・・明後日空いてるか?」


「明後日?はい。特に用事はございませんが?」


「・・・・じゃあ、たまには二人で遠出すっか?」


「え!!」


二人で遠出?

何ですか急に。とっても楽しそうですわ!!


「・・・・・クソォ不服だぜ・・・」


「え?何ですか?ヨシュア様?」


なんだか・・・お嫌そうですわね?

もしかして無理に誘ってらっしゃるんでしょうか?


「なんでもねぇ。とにかく・・何かある時は他の男じゃなくまず俺に相談しろ。いいな?」


え?何ですそれは。無理ですわよ。だって大抵がヨシュア様に関する悩みですもの。何言ってらっしゃるのこの方。


「・・・・アイラ」


え?何故そんな真っ直ぐ私を見つめるのです?


「お前に庶民の服は似合わねーよ」


あ。そうですか?それは申し訳ありませんわね?

なんです?見るに耐えなくての苦言ですの?

それはわざわざどうも!!プンスコ!ん?


「おい。ちゃんとこっち見ろ」


んん?ヨ、ヨシュア様いつの間にそんな近くまで・・・え?私もしかしなくても抱き寄せられております?


「・・・・あんな庶民の服、私には似合いませんもの。二度と着たり致しません。ご安心を!」


うぐーーーー!!私可愛くない!可愛くないですわ!!

なんでここでそのセリフを吐くのでしょう。

こんなにヨシュア様とくっついていますのに!!


あ、ほら!ヨシュア様溜息ついてますわ!呆れられました!えーん!


「アイラ、明後日迎えに来る。それまでちゃんと大人しくしてろよ?いいな?」


「私は小さい子供ではありませんのよ?言われなくても大人しく待っておりますわ!」


「ああ」


ん?ヨシュア様?何故顔をそんなに近づけて・・・。


チュッ。


「じゃあな。朝迎えに行くからな」


「・・・・・・はい」


・・・・・・え?


今。あの人サラリと私の頬に・・・・え?


「・・・・ーーーーーっ!!」


きゃああああああああああああ!!


「・・・アイラ?アイラさん?今度はなんなのかな?兄様、久々に屋敷に帰って来ているんだけどな?何故首を絞められているのかな?」


「ハッ!お兄様!いらっしゃっていたのですわね?ベロニカはどうなさったのです?」


「・・・・・俺が一人でここにいる事が答えだと察してくれないか?ここに連れてくる途中で逃げられた」


あ。なんだかお兄様を見ていたら落ち着いてきましたわ。

お兄様も上手くいってらっしゃらないのですわね?


ん?そもそも私達は上手くいってないのでしょうか?


「・・・・・・表面上は問題ないですわよね?」


「アイラー?話を振っておいて兄は無視か?最近はお前まで冷たいなぁ」


ハッ!全く問題ないですわね?

周りは確かにザワザワしておりますけれど?


父も相手がヨシュア様で納得しておりますし、あちらも勿論私を相手に望んでおりますもの。


問題はただ一つ!


ヨシュア様のお気持ちが全く分からない事ですわ!!


きっと先程のほっぺにチューも、何かを誤魔化す為のフェイク!そう、そうだったのですわ!そもそもいきなり私と遠出しようなんて言い出して・・・一体今度は何が目的なのでしょうか?


「アイラー?こりゃ駄目だ。完全に一人の世界に入り込んだな。こうなると一切人の話聞かないからなぁ」


何を企んでるか知りませんが私はヨシュア様に操られたりしませんわ!


そんな事で騙されたりしませんから!!


「なーんか。勝手に暴走してる気がするんだけどな?大丈夫なのか。妹よ」


絶対に、ヨシュア様の思い通りになんてなりませんわよ!

次こそはヨシュア様をメロッメロにさせて見せますわ!!

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