第44話
「それで、仲直り出来たんですね?」
「ええ。お陰様で・・・ご心配をおかけしましたわ」
いえいえ?そんな、全然かまいませんよ?
カスバールから帰って来たら険悪な雰囲気になってたのでちょっとビックリしましたが。アイラさんのご機嫌治って何よりです!やはりモフの効果絶大でしたね?
ヨシュアさん!捨て身の作戦が功を奏しましたね!
グッジョブです!
「それで、ヨシュアさんは怒らなかったんですか?思いっきり撫で回したんですよね?」
「・・・・・お、怒らなかった、で、ですわ」
どうしました?何故そこで顔が真っ赤に?
・・・・・怪しい・・・。ジーーーー。
「・・・・・からの?」
「・・・・わ、私が逆に撫で回されましたわ」
・・・・ファ!?
なでまわ・・・撫で回された!?
な、な、なんですそれ!どういう意味です?
「も、もう。私の事は良いのです!!ティ、ティファはどうだったのです?カスバールでは。その、ハイト様と少しは、進展が?」
「あ。お肉を氷冷庫から出さないといけませんね?忘れるところでしたぁ」
「・・・ちょっと?ティファ?」
それこそ聞かないでください!
あるわけないです!二人きりじゃないのに!!プンッ!
「・・・ああ。そうでしたわね?オマケが居たのでしたわ・・・メリル様もいらっしゃいましたしね?」
「そうなんですよ。あの子本当いいタイミングで訪ねて来るんですよ。全て絶妙なタイミングでした。私の中の空気読めない人ランキング上位に食い込みます。あの子」
ハイトさんを紹介した時も凄い微妙な反応でした。
不審者を見るような目でハイトさんと私の周りをグルグル回って。イラッとしたので、すかさずチョップかましました。その後ビービー泣いて、とても鬱陶しかったです!
「ティファにそんな事言われては、さぞかしメリルは不服でしょうね?」
「え?何故?事実を述べただけですが?」
でも、キルトさん間に合って良かったです。
メリルは変人ですが医療魔法の腕は確かですし、薬師としての腕もレベルは最高レベルです。
カスバールでも、とてもいい待遇を受けていましたから、心配ありませんし、色々安心しました!
たまには里帰りも、良いものです!
「ティファただいま。アイラ嬢また一人で来てたの?危ないよ?来るならヨシュアと一緒においでよ」
「・・・・ハイト様も、昔に比べてお変わりになられましたわねぇ・・・」
そうなんですか?
確かに、私が出会った頃のハイトさんと今のハイトさんは大分雰囲気変わりましたよね?とても、表情豊かになったと思います!
「ああ。でも、私に内緒でヨシュア様にバラした事は根に持ってますの。ハイト様?」
「ん?なんの話ですか?何をヨシュアさんにバラしたんです?」
「え?いや、ちょっとアイラ?」
ハイトさん?珍しく焦ってます?
一体何の内緒話ですか?ムムム?不埒な内容なのでは?
「もう過ぎた事ですもの、なんとも思っておりませんわ。家同士の取り決めでハイト様が私と結婚の約束をしていた事など。余計な心配ですわよ?」
「・・・・・・・・え?」
「ティファ。いや、これは違うんだよ?色々事情があって・・・・・」
ダァァァン!!
「あ、野菜買い忘れましたぁ。ちょっと出てきますね?」
「あら?そうですの?では、ハイト様もご一緒に行ってらっしゃいませ」
あ、胡桃。
確か胡桃が売ってましたね?アレを買ってきましょう。
簡単に砕けなくて良い感じです。
「いえ?ハイトさんは別に、必要アリマセンガ?」
「待って!本当に待って!ちょっとアイラ!?」
「貴方はもう少し乙女心を理解する努力をなさって下さいまし。ほら、行ってしまいますわよ?」
へぇ?ふぅーん?アイラさんと?
アレですか?私が振り向かなかったらアイラさんとですか?それはそれは!ムキーーー!!
「ティ、ティファ!勘違いしないで!アイラも言ってたよね?家同士の口約束だよ?それに、僕はちゃんと断ったし・・・・」
「別に、気にしてません。そんなに慌てなくても」
ちょっとだけ拗ねただけです。
別に、隠す事ないのに。
ハイトさんが私の事好いてくれてるって知ってますし。
アイラさんだってヨシュアさんがいますし。
「・・・・・わざと隠してた訳では・・・わざわざ、言う必要ないかと、思って・・・」
ムグーーー。
そうでしょうね?
こんな事でいちいちムクれられたら面倒ですもんね!
すみませんね!面倒くさくて!プンスコ!!
「・・・・・もしかして、嫌だった?アイラが僕の婚約者だったって知って・・・」
「嫌ですよ!!」
「え?ティファ?」
アイラさんが嫌とかそうじゃないです!
私がハイトさんと出会えなかったら、もしかしたら私以外とそうなってたとか想像するの、とても嫌です!それに!
「私よりもアイラさんの方が数倍可愛いし、背も低いし女の子らしいです!そ、それに胸も大きい・・うぐぐ〜!」
「・・・・ティファ」
「私、もっと可愛く生まれたかった・・・私、可愛くないです・・・」
こんな事、今までどうって事なかったんですけどね?
なんでですかね?
ハイトさんと並んで歩くたび、窓越しに映る自分の姿を見て思うんです。
私、ハイトさんと不釣り合いなんじゃないかって。
「嬉しいな、ティファ」
「・・・・・はい?」
人の不幸を喜ばないでくれませんかね?
私、真剣なんですが?
「・・・僕も、同じ事考えてた。僕は、ティファに不釣り合いなんじゃないかって」
ハイトさんが私と釣り合わない?何故そんな事を?
意味不明ですね?
「ずっと、ギャドやフィクスが羨ましかった。ティファはとても綺麗だし、あの二人と並ぶと本当にお似合いなんだよ?ティファは気づかなかっただろうけど」
・・・・そういえば。ハイトさん偶にそんな事言ってましたかね?もしかして、物凄く気にしてました?
「・・・・・でも、私が好きなのは、ハイトさんです」
「・・・うん。僕が好きなのはティファだよ」
・・・・・あれ?何故私達こんな事を?
す、凄く恥ずかしいんですけど?
「あ、じゃ、じゃあ・・・仲直りします」
「・・・・うん。黙っててゴメンね?」
リーーーーーーーーン
リーーーーーーーーン
「・・・・・はい。大好きです」
あれ?なんで私こんな事を?




