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第4話

あらあらあらあら?


「お帰り。とても楽しんで来たみたいだね?」


「おうアイラ?変わった格好してんな?どうした?仮装大会でもしてたのか?」


これは、つけられてたっぽいわね?

ティファ・・・新しい野菜との出会いに興奮してハイトさんの気配に気がつかなかったのかしら?それとも単純にハイトさんのスペックが高いのかしら?気になる所だわ。


「ハ、ハ、ハ、ハイトさん?なんで、ここに?お仕事は?」


「ん?僕がここに居たら、何かマズイのかな?ティファ?」


ティファ。ティファ。落ち着いて。

まぁ気持ちは分かるけど、バレて困るような事はしてないわよ?


「・・・・ヨシュア様もつけていたのですか?」


「お前にそんな呆れた顔をされるいわれはないな?ちょっと来い」


「ティファもおいで?理由は、わかるよね?」


うん。まぁ気持ちは分かるけど、駄目。


「二人共先に帰っててくれる?私この人達と話があるの」


「イノリ?何?話って」


「イノリさん?え?でも」


もう宿舎は目の前だから大丈夫でしょ?

心配ないから、そんな顔で見るんじゃない。そこの男二人。


「私、前々から貴方達にも言いたい事があったの。いい機会だから少し話をしない?」


「・・・・いいよ。場所を移そう。お茶でも飲む?」


「お、おい?ハイト?」


あら?意外とすんなり従ったわね?

もっと抵抗するかと思ったけど?この人ティファの事になると周りが見えなくなる所があるものね?


「じゃあ私がオススメのお店行きましょう?そんなに遠くないから」


酒場だけどね。

私は常連だからお茶も出してくれるのよ?


「マリーさーん!お茶頂戴」


「あらぁ?イノリちゃんと・・・ん?誰だい?その人達」


「私の取引先の人。ちょっと大事な話があるから、奥借りてもいい?」


「構わないよ。お茶を用意するから、持って行きな」


マリーさんって、本当いい人!私この人大好きなのよね。


「で?話って何?」


「今日の事の言い訳か?」


「まぁ、それもあるけど。そもそも、そんなに悪い事なの?私は知り合いを二人に紹介しただけよ?何もやましい事なんて無かったでしょ?」


あら?信じられないって顔してるわね?考え方の違いかな?でも、この違いが話をややこしくしてるのよねぇ。


「あのね?ヨシュアさんはアイラさんの婚約者で、ハイトさんはティファの恋人なのは知ってる。でも、だからって他の男性と交流するなと言うのは無茶な話だと思うわ。アイラさんだって社交界でヨシュアさん以外の人と交流するでしょう?ティファだって今回みたいに同業者や農家と交流する。ずっとこのまま閉じ込めておくつもりなの?」


「いや、そんなつもりはねぇぞ?ただアイラはあんな格好でアイツらに会わせる必要なかっただろ?」


聞いた?この独占欲丸出しの台詞。じゃあ聞くわよ?


「だったら。ヨシュアさんがちゃんとアイラを満足させてあげなさいよ。なんなの?婚約だけして放置とか。あの子も年頃の女の子なのよ?ちゃんとエスコートしてあげなさいよ」


「んな!!」


え?何驚いているの?まさか今までアレでちゃんとやれてるとか思ってたの?ハ?笑っちゃうんですけど?


「アイラの気持ちを知ってて一度拒絶したのに、本人に何も言ってあげないで婚約話進めたんですって?アイラ混乱してたわよ。可哀想になるぐらいに」


ん?え?まさかその事も気付いてなかったとかは・・流石にないわよね?そうよね?


「貴方がアイラに興味がなさそうに振る舞うから、あの子貴方が渋々自分と婚約したと思ってる。真剣に聞いてみたらって助言したら、今まで平等な立場で男性と話した事がないって言ってたから練習したらって言ったのよ。貴方に直接聞ける程アイラは素直じゃないしね」


「な、んだそれ。どんな思い込み・・・」


「好きならもっとガツガツ行きなさいよ!ハイトさんを見習って!でも、ハイトさんはヨシュアさんを見習って!」


「はい?」


「ガツガツ行きすぎだから!ティファドン引きだから!そもそも、まだまともに付き合ってないのに一足飛びに結婚って何?ティファは一般人なんだから正直貴方の愛は重い!逃げたくもなるわよ」


「え?そうなの?」


そうなの?じゃないわよ!貴方は分かってなかったの?


「・・・あのね?普通女の子は・・・もっと恋人の期間を楽しみたいものなの・・まぁ人によって差はあるけど・・・ティファはさ?今まで誰かと普通に恋愛した経験無いと思うのよ?ハイトさんが初めてなんじゃないかな?だからね?二人に共通するのは、結果を早く求めるんじゃなくて、その過程を大事にして欲しいの」


「・・・・恋人の・・・過程?」


「ハイトさんは一度ちゃんとティファに聞いてみた方がいいと思う。じゃないと、多分・・結婚出来ないかもね?」


ん?もしかして、物凄く衝撃を受けてる?固まってますけど?もしかして、両想いになれて完全に安心してた?

駄目だコリャ。


「ヨシュアさんは・・・・もう無理そうだから。とにかく出来ることから始めたら?」


「おい!何で俺へのアドバイスはそんな雑なんだ!アドバイスするなら最後までちゃんとしろ!!」


「え?欲しいの?私の意見なんか参考にならねぇとか思ってるでしょ?」


「そ、んな・・・事は」


図星ね。本当にアイラとヨシュアさんは似てるわね。

変に素直じゃないところまで。

コリャ進展なんて中々しないわ。


「今の貴方に言える事はただ一つ」


ゴクリ。


「手ぐらい繋いであげなさい!ヘタレ!!」

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