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第39話

「陛下、この度は、私などにご助力いただき誠に有難うございます」


「おー?ぱっと見別人だよね?でも、何で姿が変化したのかな?」


何でだろ?

一度心臓止まったからだろうか?


メリルちゃんもこれは分からないみたい。

メリルちゃんの薬で姿が変わることはないって言ってたから。


「あの領主、目を覚ましたよ。キルト目が見えなかったのによく殺さなかったね?偉い偉い」


「運が良かっただけですね。急所外れてて良かったです」


いやぁ。殺しちゃっただろうなと思ってたからラッキーだな?花の回収も順調に進んでるみたいだし、俺もタジス村に一度帰って花を植えるの手伝おうかなぁ。


「デズロ様とササラにもちゃんと御礼を言っておきなよ?カスバールに関しては、なんとかなったから気にしなくていいよ。親善交流って事で、無事メリルを彼方に返せば問題ないって事になったから」


本当にありがとうございます。


よく考えたら、うちの国カスバールに迷惑かけまくりだよなぁ。事情知らない時は何とも思わなかったけど今となってはとても後ろめたいよな。本当ごめん。


「はい。色々とご配慮いただき感謝致しております」


さて、デズロ様とササラ様はどこかなぁ。

ん?あのちびっ子は・・・。


「おう!ヨシュア久し振り!目覚めた時以来だな?忙しいのか?」


「お!キリトもう歩けんのか?身体大丈夫なのか?」


「大丈夫大丈夫!前より調子いいんだコレが・・・」


まだ見慣れないのか俺の姿を見るたび皆、変な顔するけどな!でも、この髪の色と瞳の色・・・何処かで覚えがあるような?何処で見たんだっけか?


「アレェ?キルト?本当に別人みたいだねぇ?綺麗な青い髪だねぇ?あれ?この色・・・・」


「なんだ、まるでマチ湖の精霊みたいだな?一度見た事があるが美しい青い髪と瞳だったぞ」


・・・・あ!!そっか!マチ湖の?


「そっか!俺意識を取り戻す前、マチ湖に居たんだ。シエルミンテと一緒に」


「シエルミンテ?何だそれ」


「ん?マチ湖の精霊の名前。名前がないって言ってたから俺が名前を付けたんだ」


「「え!?」」


ん?なんだ?何でヨシュアとデズロ様そんな驚愕の表情を?


「・・・・その名前、精霊は受け入れたの?」


「・・・さぁ?その後直ぐに目が覚めたからなぁ?でも、多分?気に入ってくれたらいいけど」


「アホか!!気に入られない方がいいに決まってんだろが!!お前マーキングされたぞ!!」


マーキング?何それ?


「アレェ?でも、マチ湖の精霊の運命の先はレインハートだって言ってたけどなぁ?何でキルト?」


「だが、大樹も最初ゼクトリアムに恋したのでは?それなら相手がキルトだとしてもおかしくはないが?」


・・・・あの?さっきから一体何の話なの?

誰が誰を恋してるって?


「・・・・もしかして、俺、何かまずい事でも?」


「あのな?精霊の類に名前を付ける行為は即ちその精霊と繋がりを強めるって事だ。一種の盟約だ」


え!?それはとてもマズイのでは?でも、あの子そんな事一言も・・・。


「その時精霊はなんて言ってたの?嫌がってなかった?」


「どんな名前なのか聞かせてって言ったから・・・そんな重大な事とか思わず・・・どうしよう・・・」


んーーーーーんーーーーー?・・・ま、いっか?


「お前、考えるの放棄しただろ?頭痛てぇ」


「あ、バレた?」


「一度精霊の真意を確かめに行かないといけないかな?次から次へと問題が起きるねぇ?エルハド?」


「・・・・そうだな。本当に、問題が尽きない」


「そうだ!俺の事で動いて下さり、ありがとうございました。カスバールとも・・・セルシス様は大丈夫だと言ってだけど、本当に大丈夫だったんです?メリルちゃんも」


ん?なんだ?デズロ様のその笑い。


「いやいや、彼方も逆に助かったみたいだよ?皆メリルに振り回されて疲れてたから。少しは休めるんじゃない?」


ああ。納得。

あの子もやっぱりデズロ様の血筋というか。

ある種デズロ様よりタチ悪そうだよね?

小さき女王様降臨って感じだもんな。


「それにしても、仮死状態の時に意識はマチ湖に飛んでいたとは・・・他に何を話したのか覚えてるか?」


「そうだなぁ・・・なんか、綺麗な音色を聴きました。その音が響くのは、俺達がこの地を慈しんで愛した時に出される音らしいですよ?」


「へぇ?興味深いねぇ?それが、精霊の力になるのかな?」


「そう言ってました。話を聞いた感じだと、それは無意識に精霊に流れていくみたいでしたね?」


あれは、本当に美しい音色だった。

もう一度、あの音、聴きたいなぁ。


「タジス村の皆や、サンチコアの人々。ずっと遠くの地からも流れてきてましたね。人によってその大きさはマチマチでしたけど」


「それは、どうやって出すんだろうな?この前からそれをずっと考えているんだが・・・」


そうなんだ?あれ?でも・・・。


「エルハド様からも多分出てましたよ?俺、精霊からこの周辺を一緒に見てましたから。その時・・・・」


・・・・ん?でも、範囲が広すぎて具体的には思い出せないな?


「そうなのか?私はその時、何をしていた?」


「んーーー?えっとぉ・・・デズロ様と何か話されてたと・・・何ですかね?内容までは分かりませんけど。大樹があった場所に立ってましたね?」


「そんな場所で何やってたんですか?お二人共」


「「・・・・・・・」」


「「ん?」」


何で黙る?まさか、また何か悪巧みを?

本当にそういう事だけは息ピッタリ合いますもんね?


「・・・つまり、その想いの形は問わないという事か」


そうですね?

アレは多分、俺達の幸せな気持ちを届けてるのかも。

それなら、なんか、納得。

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