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第37話

スキルUPを果たした変態女降臨。

本気でヨシュアを愛でるようです。

「アイラ。ヨシュアが来たぞ、客間で待ってもらっている」


ですわよね。

恒例のこの時間がこんなにも辛い時間になる日が来るなんて・・・。ああ、どんな顔で会えばいいのかしら?


「・・・・失礼致します」


あら?ヨシュア様の姿が、な・・・・。


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・クゥン」


・・・・・・・・え?


バタン。


・・・え?今狼の姿をしたヨシュア様がいましたわ。

しかも、何故か、つぶらな瞳で見つめられて"クゥン"とか、鳴かれたのですけれど?


ガチャリ。


あら?今度は遠くにいますわ。


と、とにかく部屋に入らなければ。

落ち着いて。冷静に。お、お茶でも・・・。


これはきっと、また私を懐柔させようという罠ですわね?

分かっておりますわよ? いくらモフ好きの私でも、その手に引っかかりませんわ。


ん?ヨシュア様がクルクル回り出しましたわ。

なんでしょう?まさか寝床?寝床のポジショニングを確認しておりますの?え?嘘ですわよね?


ポフン。


「・・・・フゥ」


にゅあーーーーーーー!!!


な、な、な、なんですの!! 可愛い!しかもさっきから、ご機嫌で振られている尻尾がとても愛らしいですわ!!


イギギギ!

今すぐ抱きついて思いっきり撫で回したいですわ!!


「そ、そんな事をしても無駄ですわ。サッサと姿を戻したらいかがですの?」


あら?無視ですの?腹立たしいですわ!ちょっと文句言ってきますわ!文句を言う為に近づくだけですので!

勘違いなさらないで下さいまし!!フン!


「ヨ、ヨシュア様? おふざけになるのも大概に・・・」


「クゥン」


「・・・・・・・もしや、この子ただの犬?」


「ワン」


・・・・・・・これは、この前私が言った事を気にして?

私が、ヨシュア様の姿も声も聞きたくないと言ったから?


「・・・・・・・ただの犬ならしょうがないですわね」


そうですか。そちらがそのつもりなら、こちらも考えがありますわ。絶対元の姿に戻して差し上げます。

そして、お帰り頂きます。


「私。犬は大好きですので」


チュッ


「!?」


はは!固まってますわね。


いい気味ですわ。貴方は犬ですから好き勝手させて頂きますので。覚悟しておいて下さいませ。


「本当に、綺麗な毛並みですわ。どうしたらこんなに艶々サラサラになるのでしょう」


普段ヨシュア様に出来ない事を沢山させて頂きますわ。

これは、報復ですから。


「もし貴方がヨシュア様ならこんな風に触れられませんわ?貴方はヨシュア様なのでは?」


「・・・・・・・・・・・・・ワン」


本当に腹立たしいですわ、この方。

ちょっと考えましたわね?間が長かったですわ。

今、折れなかった事を後悔する事になりますわよ?




「アイラ。お前ヨシュアに変な事していないだろうな?」


「変な事とは?何を仰りたいのですか?喧嘩ならしておりませんわよ?」


「・・・・そうか。それならまぁ、いいが」


ふん!ザマァみろですわ!




「え!!ア、アイラさん思い切った行動に出ましたね。あのヨシュアさんを思いっきり愛でるなんて・・・ゾッとします」


ちょっとティファ?

折角無事に帰って来た貴女に会いに来たのに、私の話は宜しくてよ。


「そんな事より。キルト様は無事なのですわよね?」


「はい!あ、メリル!アイラさんです!私の友人ですよ?この子はメリル!私の妹です!」


「お初にお目に掛かりますわ。アイラ・ヴァンディルと申します」


「初めまして。私はメリルです」


あら?何故そんなモジモジされてますの?

聞いてたお話とちょっと違いますわ。


「一丁前に恥ずかしがってますね。アイラさん可愛いですから照れてるんですよ。この子、可愛い人に弱いんです」


「ちょっとお姉ちゃん!? 余計な事言わないで!! 変な奴だって思われるじゃない!!」


「え?メリルは変人ですよ?今更です」


「キィーーーー!! 殺意! やっぱり嫌い!」


・・・・・・ティファ。相変わらずですわね。

わざとですの?


「半端無理矢理こちらに招いたと伺っておりますが。こちらにはいつまで?」


「それが、リディ・・・カスバールの皇帝様が好きなだけ満喫してから帰って来いって言ったので、サウジスカルを観光して帰ろうかと。あ、勿論問題になってる山も診てみようかと思ってます」


「え?メリルが人と丁寧に話すなんて。明日は空に要注意です。鎧、必要でしょうか?」


「ちょっと?槍なんて降ってこないからね?戦場じゃあるまいし・・・・え?もしかして今の本気で言ったんじゃないよね?お姉ちゃん?」


とにかく、順調に事が進んで良かったですわ。

売られた花の情報も繋がりのある国には通達済みですし、花の回収も行われています。一部は使われてましたが・・・そこまで被害は広がっていませんわ。


後は、サンチェス領のあの山から出て来る汚染を止める事が出来れば完璧なのですけれど・・・・。


「アイラさんご飯たべて行きます?」


「いえ、今日はヨシュア様の屋敷に伺う事になっておりますので、このまま向かいますから」


「・・・・アイラさん。程々にしてあげて下さいね?ヨシュアさんも成人の男性ですので」


あら?

ティファにしてはまともな忠告ですわね?

でも、お断りですわ!


「嫌ならヨシュア様が変幻を解けば宜しいのです。意地になってるヨシュア様が悪いのですわ!!」


そのまま私に愛想を尽かせばいいのです!

もう貴方には振り回されませんわ!!

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