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第3話

出だしはアイラですが。


語りはヨシュアです。

世の女性達は一体どうやって好意を持っている相手にアピールするのでしょう?


私、今まで生きてきてずっと好意を寄せられる側として過ごしてきました。


ですから、自分から誰かに自分の想いを伝えた経験がありません。


その方法も手段も全く思い浮かびませんわ。



****



「なんだ?今度は何を始めるんだ?」


「何の事でしょう?別に何も企んでなどおりませんが?」


「あれ?ヨシュアさんお早いお帰りですね?今日はもっと遅くなると聞いてましたが?」


なんだよ。

俺が早く帰って来るとまずいのか?あん?


「私達は今から少しお出かけしてきます。アイラさん!行きましょう!」


「え、ええ。ヨシュア様、またお会いしましょう」


おい。

怪しいぞ。アイラが俺を見つけて俺を置いて出て行くなんぞいつもならありえねぇ。必ず俺もついて来いとか駄々こねるんだアイツ。何か良からぬことを企んでやがるな?


「・・・・さんが、場所を・・・そこで・・・」


なんだぁ?本当に怪しいな?

こりゃつけて行った方が良さそうだな?


「・・・・ヨシュア」


「な!・・・・もご!!」


「し!!静かに。ティファ達にバレる」


ハ、ハイト?お、お前いつの間に背後に?

っつーかなんでお前帰って来てんの?


「僕の五感が嫌な感じを感知したんだよね。ティファ・・・良からぬことを企んでる気がする」


お前そのティファに対する異常なまでの感知能力をどこで身につけて来やがった?あ、コイツ正真正銘の人外だったっけ?忘れてたわ。


「後をつけるよ?絶対にバレないでね。ティファ、滅茶滅茶気配に敏感だから」


いや、だからなんでお前はそのティファを出し抜ける能力をこんな所で無駄に発揮してんだ?もっと仕事に役立てろよ!!騎士団長様よぉ?


まぁ俺もつけるつもりでいたから別にいいんだけどよ。


それにしてもティファとアイラはよく出かけんなぁ。

なんだかんだで仲良しだよなぁ・・・ん?あれは、イノリか?なんだ。女三人で待ち合わせかよ。


お?あの店は確かイノリが食材を売ってる店だな?

なんだよ、料理のリサーチかなんかか?


「珍しいね?あの三人が料理店に入るなんて・・・アイラとイノリなら絶対にティファの料理の方がいい筈だけどね?」


そうだよな?まぁティファに誘われて渋々付き合ってるって事も・・・あ?もう出てきた?ん?なんか、違和感が・・・・。


「本当におかしくありません?私違和感しかないのですけれど・・・」


「大丈夫大丈夫!平民に見える!可愛いわぁ!こんな可愛い子街で見かけたら男は放っておかないわよねぇ?ティファも綺麗だし・・・羨ましいわ」


「イノリさんだって可愛いですよ?多分黙ってればモテます!」


「おーい?それは褒めてないわよ?ティファー?」


お、オイオイオイオイ?お前らアイラにそんな格好させて何処に連れて行く気だ?平民ごっこでもする気なのか?無理があるぞ?そいつ気位が本当に馬鹿みたいに高いからな?


「何ごとも勉強よ?アンタ達普段宿舎の騎士としか交流がないから、男性に対して偏った認識しかないんじゃないの?世の中には男なんて沢山いるのよ?色んな人と出会って交流して経験を積まないと恋愛スペックなんて上がらないわよ?私があなた達と仲良くなれそうな人達を紹介してあげるわ!」


・・・・・・・あああああん?


ちょっと待てやイノリ。お前今なんつった?

アイラに男紹介するとか言った?

え?なんでだ?その人俺のこ・ん・や・く・しゃ、なんですが?なんで他の男を紹介する必要あんだよ!!


「確かに・・・私貴族の男性としか殆ど接点ありませんわ。でも、平民の方とまともにお話が出来るかしら?私こう見えて結構賢いですわよ?」


「あ、そうなの?じゃあ今日限定で馬鹿になって?」


「あ、はい」


あ、はい。じゃねぇよ!!


アッサリ受け入れてんじゃねぇぞコラ!!

おまっお前本当に・・・・アホがぁあああ!!


「ふーーーーーーーーーーん?他の男と遊びに、ねぇ?」


ヒュッ。

あ。俺動揺のあまり隣にいる奴の存在・・・忘れてたわ。


「そう。ティファ、僕以外の男と遊びに行く気なんだね?それは中々面白い。面白いよね?ヨシュア?」


いや!俺は悪くねぇぞ!?あの馬鹿どもが悪いんだぞ?

勘違いすんなよ?


「おーーい!イノリ!ここだここー!」


「あ!ザック!悪いわね?こんな所まで来てもらっちゃってぇ」


「うわぁ。え?何この可愛い子達。本当にイノリの友達なの?こんにちは!俺はネル!イノリとは同業者のライバルかな?」


「俺はザックだ!建物の装飾なんかを作る仕事をしてる。像工師だ。よろしくな?」


・・・・・すげぇまともそうな奴等が来たぞ。

そして普通に良い奴そうだ。

まぁ、イノリの知り合いなんだから当たり前か。


「こんにちは!イノリさんとキルトさんにはいつもお世話になってます!!宿舎料理人のティファです。よろしくお願いします!」


「「ティファさん!」」


ん?なんだ?初対面ぽいのにティファの名前に反応したな?なんでだ?


「なんだよ!アンタがティファさんかぁ!アンタがイノリに飯の作り方を教えてくれたおかげでよ!イノリの飯が旨くてさ!ありがてぇ!」


「本当にね?話はいつも聞いてるよ?今度俺の家の野菜も是非ティファの所で使って貰いたいなぁ」


「え!ネルさんの所ではどんな野菜を?」


「俺の所はね糖菜って言う甘みがある青野菜を作ってる。あと果物も多いよ?木を何本も所有しているからね?」


「なんと!!それは気になります!」


「あ、君の名前は?君はどうやってイノリと知り合ったの?」


アイラ完全に置いてけぼりだな。これは、無駄な心配だったか?そもそもティファは庶民なんだから、アイツらと馴染めても何ら不思議じゃねぇもんな?


「・・・わ、わたく・・わたしは」


「「うん?」」


「お、兄さんが・・宿舎の騎士で・・・たまに兄に会いに行っていますので、それで・・・・」



・・・・・・・・・・・うん?


「ちょっとイノリ!良くやった!こんなに可愛い子をよくぞ連れて来てくれた!!俺は初めてお前に感謝した!」


「なんなんだ!この、普段俺達の周りには決していないタイプの女の子達・・・神は・・・いた・・」


「・・・ちょっと?それは一体どういう了見なの?」


「「そのままの意味」」


俺は、なんだか頭が痛くなって来た。

お前、慣れない環境で言葉使いも辿々しかったのかもしれんがな?・・・お前ぇえ!なんで俺にも見せた事ない可愛い顔でソイツら見上げてんだ!ああん?


イラッとした。俺はすげぇイラッとしたぞ?


「これは・・・お仕置きが、必要だね?」


おう。俺も今、そう思ってた所だよ。気が合うじゃねぇか?珍しくな?

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