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第18話

「それで、アイラさんはその、ヨシュアさんと、その後上手く行ってるんですか?」


「そうですわね?ヨシュア様は相変わらずです。私に何も言ってくれませんわ。でも、気にするの止めましたので。私、サッサとヨシュア様と結婚しますわ!」


そう。もうそれが一番良いと私、開き直りました。

そして、結婚後、メロッメロにさせますわ!


「そうなんですねぇ。ベロニカもフィクスさんとのお話進んでいるみたいです・・・・・アイラさん」


「何ですのティファ?」


「私どうしたら良いですかね?」


子鹿のように震えて、何事ですの?

何をそんなに動揺してますの?


「あれ以来、ハイトさん私にそういう話、一切して来なくなってしまいました。もしかして、その気が失くなってしまったんでしょうか?」


・・・・・・ティファ。

前々から思っておりました。・・・・貴女も大概ですわ。


「ティファ?結婚したくなったのであれば、ティファがハイト様にそう、伝えればいいのでは?」


「そうなんですけど!! あれだけ逃げ回って今更結婚したいとか・・・どうなんです? なんという身勝手さ!!」


え? それこそ今更では?

私も、人のこと言えませんけれど。


「よくよく考えたら、結婚すれば同じお家に住めますから、今よりは一緒に居られる時間増やせますし、ハイトさんの負担も減ると思うんです。だからハイトさんも急いでいたのかも知れません」


「では、私と一緒にドレス選びでも致しましょうか?ティファはハイト様のご両親とはお会いになられてますわよね?」


「形式的な場ではないです。それに、あくまで私はハイトさんの恋人なので・・・」


そうですのね?

でも、私の予想では、もうハイト様ティファの事、結婚相手だとご両親に伝えてると思いますわ。そして、承認もされているでしょうね。そもそも騎士団長を引き継いだのもティファを養う為ですわよ?絶対に。


「なんにせよ。ティファも準備をしておくに越した事はありませんわ。ハイト様の事ですから一切合切準備を整えてはいると思いますが・・・因みにティファ、貴女支度金はありますの?」


ないですわよねぇ。

それはきっとデズロ様達辺りから全て出るとは思いますが・・・。


「そうですねぇ。私も働いているとはいえ、こんな物です」


あら?貴女ちゃんと貸金庫に預けてらっしゃったのですわね?どれどれ?いちじゅうひゃくせ・・・っ!!


「これじゃあ足りませんかねぇ?相場がよく、分からなくて」


「・・・・・ティファ? 貴女こんなに、どうやって貯めたんですの?」


「え? 特に何も? 普通に働いた宿舎のお給料と、偶に開くお料理教室の受講料ですかね? まぁ、お金使いませんから」


それにしても、この短い期間でどうやったらこんな小金持ちになるんですの!! これ一般市民の貯蓄額の倍はありますわよ!!


「ここは家賃もタダですし。服も最近はお父さんが全部買ってくれますし。お菓子や果物は宿舎の方々や、商店の方々がくれますし。アレ?・・・ここはパラダイスですか?」


それは結婚も渋りますわよ。

貴女一生ここで楽しく暮らしていけますわ。ええ確実に。


「これだけあれば充分ですわ。寧ろ殆ど減りませんわ」


「え?そうなんです? それは助かります!」


ハイト様、このティファの貯蓄額を見たら凄くショックを受けるのでは?この勢いだといずれハイト様の稼ぎをティファが上回ってしまいますもの。あ、泣いて喜びますかしら?


「では、後はティファが伝えるだけですわね?頑張って下さいまし!」


ティファ?物凄い勢いでエンドウ豆の皮の筋取ってますけど、人の話ちゃんと聞いておりますの?


「ティファ?」


「プキュー!」


あら?ゴルド居たのです?

そういえば最近全く見かけませんでしたわね?

一体どこに?


・・・って、え?体が大きく・・・え?えええええ?


「やぁアイラ。久しぶりだね?今日も君はとても可愛らしいね?」


「ゴ、ゴルド?そ、その姿は・・・」


「ああ。これは仮の姿だよ?この姿なら君とも話が出来るからね?ティファ、帰ったよ」


な、な、な、な! 何故ゴルド子竜なのにそんなダンディな紳士の姿に? もっと子供の姿でも良いですのに!


「お帰りなさい。はい、クッキーですよー!」


「君はこの姿でも相変わらず動じないね?そんなティファも素敵だ」


な、なんでしょう。

ギャップ。物凄いギャップがありますわ。

先程まで「プキュ〜」とか言ってた子が、こんな流暢に女性を喜ばせる様なセリフをツラツラと・・・。もしコレが人間だったのなら完全に警戒対象ですわ!怪しすぎる!


「ギャドはササラの屋敷から出たよ。もう街で暮らしている。ここに来ると身バレするから暫くは潜んで様子を見るらしい。エルハドは大樹の枝を片付ける事が出来るまでの

間と思っているらしいが、ギャドはこのまま宮廷には帰らないつもりだね」


あら?もしかしてゴルドに色々調べてもらっていたのです?人の姿なら一人で動き回れますものね?


「・・・ゴルド。また好き勝手に色々覗いてましたね?駄目ですよー?一匹で行動したら危ないです」


「そうなんだけどね?どうしようもなくセラに会いたくなるのだよ?あの、可愛らしい私の天使に、ね?」


「そんな事言ってると、またギャドさんの逞しい筋肉に挟まれますよ?ゴルド?」


何やってますの? この子。


成る程、ティファ、ヤケにゴルドに厳しいと思ったらこういう事でしたのね?コレは警戒されますわよ。


「後、サンチェストがとても騒がしくなっているようだよ?」


え?それはまさか、白い植物の疫病?


「サンチェストの山から青い花が全て消えた。本当に人間は愚かだね」


え?ついこの間は、確か沢山咲いておりましたのに?

何故?


「あの花の意味に気付き、取り合いになったようだよ?そして、やっと自分達の過ちに気が付いたようだ」


「・・・・イノリさん達が、心配ですね。確か、キルトさんは、まだタジス村にいますよね?」


「その様だね?でも、ティファ。助けるのかい?」


ゴルド?何を仰るのです?コレは何の話なのでしょう?


「・・・決めるのは私ではないですよ?ヨシュアさんです」


「じゃあ、いい事を教えてあげよう。そのヨシュアを捕まえようとしている輩がいる様だ」


「・・・でしょうねぇ。でも、ヨシュアさんを捕まえるのは無理では?あの人も騎士ですよ?強いです」


なんだか、よく分かりませんがムカムカしてきましたわ。

サンチェストの領主は何をやっているのです?


「ヨシュアを捕まえなくても、ヨシュアの弱みを握ればいいと、考えているみたいだよ」


「「!?」」


・・・・ネル、キルト様・・・・イノリ!!

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