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第15話

「ねー?エルハド最近付き合い悪いよね?なんで、そんなギャドの後ばかり付きまとうの?」


「そうか?そういえばそうだな?何というか逃げられると捕まえたくなる衝動に駆られるんだ」


何それ?

エルハドはギャドを小動物か何かと勘違いしてるのかな?

そして自分に懐かせたいのかな?まぁ、確かにあそこまで嫌がられたら意地にもなるかもねぇー?


でも、それにしても珍しい行動なんだよねぇ。


「おーい!ササラいるかー?って・・ゲ!!」


「お?噂をすれば。おいギャド!お前が余りにも私から逃げ回るから私がお前を追い回していると勘違いされたぞ?」


「いや!勘違いじゃねぇよ!あんた俺を追い回してんだろうが!!」


・・・・・僕もそう思う。


もう諦めなよー。元々一緒に暮らしてたわけじゃ無いのにいきなり"お兄様"とかギャドが言えるわけないじゃん?

ティファとは違うんだから、ギャドは。


「エルハド様・・・余りギャドを揶揄わないで下さい。ギャドが頻繁に執務室に逃げ込んで来ると苦情が入っています。もう、ギャドの事は諦めて下さい」


「それは断る」


・・・・・・・え?エルハド?


「な、何なんだよ本当に。そんなに俺に言わせたいのかよ・・・どんだけ兄弟が欲しかったんだアンタ」


「ならお前もうずっとここにいろ。何か仕事がしたいならさせてやる。私の側で働け」


「ーーーーーな!?」


・・・・あはは。エルハド?僕なんだか昔の事を思い出しちゃったよ?君僕にも昔そんな事言ったよね?


でも、僕の事情とギャドは全く違うよね?


・・・・・お前。どうした?


「お前がここに来てからずっと観察していたが、お前はやはり人を率いる才能がある。それも、常人以上の。私の息子達よりお前は王の資質がある。だが、今更お前を皇帝には推せんからな。お前は外に行かずここにいろ」



「・・・・エルハド様。ギャドをここに縛り付けるのは難しいですよ?それに、彼は貴方の義理の弟です・・今回の処置は王位継承権から切り離す為の物ではなかったのですか?」


エルハド。こっちを見みろ。

君、本当におかしいよ?・・・・何がって・・お前そんな風に人に執着を見せたりしないだろ?


「そうだな。だが、そんな事しなくてもいいぞ?ギャドが皇帝になっても別に構わないからな?」


「エルハド様・・・いくらアンタの頼みでもそれは聞けねぇよ。それならアンタは俺を殺すべきだった」


ササラ?気付いているよね?うん。


マズイな。こんな密室では魔法を使えない。

僕もササラも力が強いからね。だけど、本気のエルハドを魔法なしでは止められないよねぇ。どうしようかな?


「殺す?そんな事はしない。お前は・・・」


「失礼します!ササラ様ー!この前の事なんだけど・・ん?ギャド?お前もいたのか?」


「ヨ、ヨシュア?いや、俺は・・・」


「あ、エルハド様、デズロ様もいらっしゃったんですね?もしかしてお邪魔でしたか?」


いや、気が抜けた。


さっきまでの異様な空気が何処かに行ったよ?

ヨシュアの空気読め無ささも、たまには役に立ったね?


「あれ?エルハド様・・・それは、なんです?首の所色が変わってますが?」


「ん?そうか?何もしてないが・・・何か引っ掛けたか?何処だ?」


「失礼します・・・ここの・・丁度襟で隠れていますが・・・・」


ブワッ!!


「「「!?」」」


え?何?何かの魔法?何処からか攻撃されたの?

いや、違うね?この魔力の波動は・・・ヨシュア?


「げぇえええ!!ちょっ!待て待て待て!いきなりなんだ!出て来んな!」


「え?何?ヨシュアの魔法なの?」


「魔法っていうか・・・極たまに変な物に触れると発動するんですが・・・植物が生まれるんです」


え?意味わかんないよ?

それってエルハド大丈夫なの?首から滅茶滅茶青い植物が生えて来てるんだけど?いつ止まるのコレ?


「あ、身体に害は無いので大丈夫です。恐らくですが・・・エルハド様、悪い物にでも触れました?」


あ、止まったね?そして、さっきからエルハド、ピクリともしないね?大丈夫じゃないんじゃないの?コレ。


「・・・・・・・・ギャド」


「お?おう?なんだよ?」


「お前は今すぐセラとここを出ろ。そして暫く私達には近づくな」


え?嘘でしょ?もう影響は受けないって言ってなかったっけ?エルハドいつ触れたの?・・・・・・大樹に。


「私とした事が・・・完全に油断してしまった。大樹の影響は完全に消えてはいないらしいな。ギャド、お前は皇家の血が濃すぎる。それが私を惹きつけるんだ。危なかった・・・」


「マ、マジか・・・・嘘だろ」


「ギャド。来い!エルハド様に近寄るな。取り敢えず今日は私の屋敷に避難しろ。理由は・・エルハド様が適当に考えて下さい!!」


ササラ。怒らないでササラ。


お前、僕とギャドの事になると本当に人格変わるよね。

でかいギャドがどうしていいか分からずキョロキョロしてるよ。一度落ち着こうか?


「とにかく!貴方達が安全だと保証されるまで決してギャドに会わないで下さい!デズロ様!エルハド様をお願いします!」


「・・・・・はーーい?任されたよ〜?」


「・・・・・・・・・」


「で?いつなの?ハイトが戻る前?戻った後?」


「・・・・・戻った後だ。セルシスが持っていた枝があるだろう?それが、何故か枯れなかった。それを処理する方法をどうするか話している時、保管してある枝を見に行った。恐らくその時何かの拍子に触れたのかもしれない。気をつけていたはずなのだがな・・・」


・・・お?コレは本気で悔しそうだね?

エルハド今まで何かに意図的に操られる経験なかったもんね?余程屈辱だったのかな?


「それにしても、ヨシュア助かったぞ。お前なんなんだその能力。そんな便利なものなんで今まで隠してた?」


「隠してないですし、便利でもないです。コレ、私の意思では出せないので。今回は運が良かったですね。しかし、何故今回使えたのでしょう?もう何年もこのヘンテコな能力は出てこなかったんですが」


「あーーそういえばそんな事言ってたね?結局待てど暮らせどその能力出てこなかったから忘れてたよ僕」


でも、ちょっとソレは興味があるね?

少し・・・・調べさせてもらおうかな?


あと、地味にそこで落ち込むの、やめてくれる?

エルハドさん。

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