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第13話

ブラックティファ再び

「盗み聞きはいけないな?ヨシュア」


「阿呆。お前気付いてただろが」


気付いてなかったのはアイラだけだ。あの阿呆。

さて。どうすっか。


「で?アイラの寿命はそんな削られてんのか?ってわかんねぇか・・・」


「そうだね。僕も大樹に還って初めて知ったから。まさか、母以外からも生命力を奪ってたとは思わなかった。大樹の呪いはゼクトリアム全ての者にかけられていたんだね。だから、ゼクトリアムから切り離されてもヴァンディルは僕達を守っていたんだ。そうしなければ、今度は自分達がその役目を果たさないといけないからね」


難儀だなぁ。自分達の祖先がしでかした事を何も知らないハイト達が引き継いでたんだもんなぁ。


下手な事はするもんじゃねぇな。

ティファは大丈夫なのか?

ゴルドと誓約を交わしちまったけどよ?心配だ。


「魔力の代わりに生命力を奪われる、か。でもよ、アイラピンピンしてるよな?何でだと思う?」


「なんでって。なんでだろうね?多かれ少なかれ皆あの事件で体が弱ってる筈だけど・・・・」


そうだよな?でも、アイラは結構元気だぞ?

俺はなんとなく、見当がついている。


「他の令嬢とアイラ。何が違ったのか、少し考えりゃわかんだろ?」


「・・・・・・・あ!!」


そうだよ。本当に、アイラの奴、最強に運を引き寄せる奴だな。宿舎にあんなに通ってなきゃ出会わなかったからな。


「ティファの料理?」


「そ!アイラの中にはティファの魔力がたんまり蓄積されてた訳だ。つまり、そのお陰できっとそれ程多くは生命力を削られてない。まぁ確実ではないけどな」


「ティファ・・・最強だね」


だな。本当アイツが女神に見える。普段は女神とは程遠いキャラだがな。ポヤポヤだからな。


「・・・だけど、念の為、俺の方でもアイラの削られた生気を安定させる処置をしておく。俺このままササラ様とその事を相談してくるわ。だからお前は心配すんな」


「おかしい。ヨシュアが頼もしく見えるなんて・・・」


「ああん?俺は普段から頼り甲斐がある男だろうが!気付くのが遅ぇ!!」


ん?もう何となくわかってると思うけど、つまりそういう事だ。じゃなきゃ今まで散々我慢してたのに、いきなり初心のアイラにベロチューかますわけ、ねぇだろがい!!


俺の長年の我慢と苦労が!!!


「ヨ、シュア・・さ・・・」


まだ、もう少しだな。

もう少し流し込まねぇと・・・思ったより気の流れが不安定になってるからな。もう少し頑張れ・・・俺!!


「・・・・ん!」


ぐぅうううううううう!!早く終わってくれ!

俺そろそろ我慢の限界が近ぇ!!自分で決めた事とはいえ・・・これは辛い!


そろ、そろ・・・良さそうだ!


「・・・・・はっ・・アイラ・・」


「・・・・・・ふっ?」


うっ・・・わぁ・・・・。

なんつー顔を・・・アイラさん。


いや、当然だ。

これだけ好き勝手にキスすればそうなるよな?俺も正直今すぐ押し倒したい気満々だ!俺は正直な男だ!!


パタリ。


「・・・・アイラ?お、おい?」


しまった!いきなり魔力を注ぎ込んだから体がビックリしたんだな。完全に目を回してる。取り敢えずベッドに寝かせ・・・・・。いや、マズイダロ。


「せいせいせいせいせいせーーい!!」


「おい。ティファ」


「なんでしょう!!今私とても忙しいのですが?」


「アイラの調子が少し優れないみたいでよ?お前の部屋のベッド貸してくれないか?」


スタン。

スタスタスタスタ。


「構いませんが。何故私の?ヨシュアさんの部屋では駄目なんですか?」


おぅ。怖えな。目が怖え。なんか、察したな?ティファ。


「・・・・俺の部屋だと。俺が自由に入れるだろ?それは色々問題だ」


「・・・・・・分かりました。大丈夫ですよ」


「悪いな」


ハイトよ。俺も人の事言えないけどよ?お前ら恋人同士なんだからもっと好きなようにしたらいいんじゃね?


なんでティファ怒らせてんの?お前。


「あ、部屋までは俺が運ぶわ。扉開けてくんねぇ?」


「・・・・・?一体どうしたんです?さっきまでお元気そうでしたのに」


「詳しい事は後でな。そういえばお前、またイノリの同業者とちょくちょく会ってるんだって?」


「はい!果物お安くしてもらってます!訳ありで傷物の他では売れない物などを破格のお値段で!とても助かります!!」


やっぱりなぁ。全然心配する様な内容じゃねぇな。

そもそもティファが他の男と恋愛とか想像出来ねぇよ。


「お前、街の男とかにナンパとか、されてねぇよな?カスバールではそれなりにモテてたんだろ?」


「あれはモテてたんじゃなく、いやらしい目で見られていただけですね?お風呂を覗かれそうになったり、人のいない所に連れ込まれそうになったり、夜部屋に忍び込まれたりしました!」


「ああん!!」


おい!なんだそりゃ!!カスバールは獣の巣窟か!マトモな人間はいなかったのか!!


「大丈夫ですよ?言っても聞かない輩は戦場に出るたびに内密に処理しましたから。勿論度を越した輩だけですよ?」


ゾクリ。


あ。成る程〜。本当の意味で処した訳だな?ウンウン。

お前本当苦労人だったんだな!!ここに来れて良かったな!そりゃティファ、俺達を見て狼狽もするわ!

俺達ビックリするぐらい無害。本当に無害だからな!!


「・・・・だから、ベロニカを側に置いたんだな」


「そうですね。あの子の方が狙われやすかったので。無茶苦茶鍛えて返り討ちさせられるぐらいには成長させました。・・・・本当に、ここの国の方々は健全真っ当ですよね!!ホッとします!」


あははははは!なんでだろうな?あんま嬉しくねぇな?

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