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第11話

黒い契約が結ばれる予感ヒシヒシ。

「あら?ヨシュア様、ですか?」


「あれ?セラ様?どうしたんです?こんな所で」


「そんな畏まらなくても宜しいですわ。名ばかりの立場ですから」


そうは言ってもなぁ。そういう訳にもいかないだろ?

ギャドも偉くなったもんだよなぁ?本人は不服だろうがな。


「もう少しでギャド様の立場も前と同じ公爵に戻る予定で、そうすれば今よりお仕事で関われる事も増えると思いますわ」


ギャドも都合よく使われてんなぁ。

貴族廃止制度をキッカケに皇族の血縁者の立場も見直すって言ってたからな。思い切りが良すぎるよな。

下手すると国が傾くぞ。まぁ流石に皇族廃止はないだろうが・・・。やりそうな所が怖ぇよな。


ギャドは願ったり叶ったりみたいだがな。


「そりゃ楽しみですね。一体ギャドにどんな仕事があたえられるやら。アイツ剣と馬鹿力しか取り柄ないからなぁ」


「ふふふ!それを聞いたらギャド様も喜びますわ。最近ではそんな事言って下さる方ササラ様ぐらいしか、いらっしゃりませんもの」


そうだなぁ。まぁ罵詈雑言を浴びたいなら宿舎に来ればいつでも聞けるぞ?あの中だけはフリーダムだからな?

ティファを筆頭に!


「セラ様は今から研究所ですか?」


「はい!実はあの七色の石について調べているのです。被害が蔓延しない為にもどんなものか解明しておかなければなりませんから」


オイオイ。そんな危険な物大丈夫なのか?

この人皇族妃だろ?一応。


「仕組みは理解しておりますから大丈夫です。それに研究員は私一人ではありませんから。最近はラットさんも手伝ってくれておりますし」


アイツも結局宮廷職についたなぁ。

もっと違う仕事もあったと思うぞ?ここは安月給な上、人使い荒いぞ?もしやラット、職探しに失敗したな。


「それはよか・・ぐぇ!!」


「おーう。ヨシュア?こんな所でセラと何楽しそうに喋ってんだ?」


「あ!ギャド様!」


ちょっ!苦しい!苦しいって馬鹿力め!テメェふざけんな・・・・。っておい。


「・・・お前。暇でセラ様の後つけてただろ?」


「は?んな訳ねぇだろ。偶々通りかかったんだ」


嘘つけ。お前その顔、絶対ずっと見てただろ?

そんで仲良さげに話してたから我慢出来ずに出てきたな?

俺はお前と違って鈍くねぇからな?空気読めないとか周りは言いやがるが、アレは全部わざとだ、阿呆共め!


「セラ様も、あまりギャドのいない所で男性に声かけない方がいいですよ?じゃないと、その内コイツ、セラ様の背中に引っ付いて離れなくなりますから」


「んな!!そんな事俺はしねぇぞ!な、何言ってやがる!ヨシュア!!」


「・・・・・ギャド。嫉妬は醜いぞ」


「だ、だから違うと・・・・」


俺は分かってるんだぞ。

お前、俺とセラが並んで歩くのすげぇ嫌なんだろ?


お前とセラじゃ大人と子供だもんな?

まさか俺以外に背丈の悩みを抱える奴がいるとは思わなんだ。


でもお前ら、もう夫婦なんだからそんな事で悩むなよ。


「お仕事中お引止めして申し訳ありませんでしたセラ様。お迎えも来た様ですので私はこれで。ギャドも・・・」


まぁ久しぶりに会ったが元気そうで良かったぜ。

みんな心配してっぞ?ギャドが皇族とか、この国の未来大丈夫かってな!アッハッハ!


「ヨシュア。お前相変わらず怖いもの知らずだな?処すぞ?」


「え?馴れ馴れしいくらいの態度の方がいいのはお前だろ?なんで俺、処されるんだよ」


ざっけんなテメェ。ギャド!本当嫉妬は見苦しいぞコラ!

それは冗談として受け取っておいてやる・・・いや本当に・・・・冗談だよな?


「所で最近ティファが厨房で暴れてるらしいな?どうなってるんだあの二人は」


「さぁ?思春期なんじゃね?」


「お前に言わせたら、全てがそれで済まされるな?やばそうなら助けてやってくれ。俺はそっちに行けねぇからな」


そうだな。気が向いたらな。

俺は他人のゴタゴタに付き合ってやる余裕はねぇんだよ。


「全く・・・ん?」


噂をすればハイトじゃねぇか。

アイツもセルシス様に用事でもあったのか?ん?アレは。


「どうしました?珍しいですわね?こんな所で私を呼び止めるなど」


「最近はお互い忙しくて会えないからね。アイラ嬢フィクスとも会えてないでしょ?最近体の調子どう?」


思わず気配を消して隠れちまったけど・・一体なんの話だ?アイラの体?アイツ風邪でも引いてたっけか?


「やはり・・・気づいてらしたのですわね?お気になさらないで下さい。これは我ら一族の宿命ですわ。貴方も私もそれにふり回されていただけ。決してご自分の所為などと勘違いなさらないで下さいませね?」


「僕の母も役目を終えたけれど、そう長くは生きられないと思う。アイラ、今のうちにティファの妹に頼んで調べてもらうのはどう?もしかしたら、寿命を伸ばせるかも知れないし」


・・・・・おい。・・・マジで何の話してやがる。


「・・・・ハイト様。人の寿命は人それぞれですわ。ゼクトリアムの血筋の女性は皆、長生きは出来ませんでした。大樹が失くなった今、その影響がどう出るのかわかりませんが、軽々しく寿命を延ばすなどと仰らないで下さいませ」


「・・・・でも、君達はあの時、僕に力を奪われたよね?魔力がない代わりに君達の生命力が大樹に流れた筈だ」


そんな事。俺は一言も聞いてないぞ?コラ。


「それは私だけではありませんわ。ゼクトリアム、ヴァンディル両方の血を引く女性、皆んな等しくです。・・・あれは大樹がこの国から()()される為に必要な事でした。ですから、貴方が気に病む必要は全くないのです。貴方も、自分の寿命がいつまで続くのかなど分からないのでしょう?」


「・・・・ヨシュアに、言わないつもりなの?」


・・・・言わねぇな。絶対アイラは言わねぇ。

お前は、そういう女だもんな。


「馬鹿ですの?私、明日死ぬかも知れませんし、もしかしたら30年後になるやも知れませんが死にます。なんて、言う必要ありますか?こればかりは運もありますから、考えても仕方ありませんわよ」


「成る程ね。確かに・・・でも、そういう事情があるって事だけでも、知りたいかも知れないよ?」


そうだな。

こんな風に知るんだったら、直接アイラから言われた方がマシだったかもな。お前、明日死ぬかもしれないのかよ。


「嫌ですわ!そんな事より私は今!この瞬間少しでも長くヨシュア様と一緒に過ごして、私に夢中になってもらいたいのですわ!!そんな事している暇、ありませんから!」


「随分素直だね?僕に隠さなくていいの?」


「もう構いませんわ。それに、ハイト様も私の助言が必要になるかと思いますわよ?」


・・・・お前な。そういうの止めろよ。

なんか、さっきのギャドの気持ちが分かったぞ。

他の男の恋愛相談なんかに、のるんじゃねぇよ。


「ティファ。荒れてますわよ?ちょっとハイト様の行動を勘違いしたのかも知れませんわ。ハイト様最近は宿舎に長居出来ませんので、私がティファの情報を流して差し上げます」


「それは、どんな風の吹き回しかな?」


「・・・ティファにその気が無くとも。ティファはアレで男性にとても人気があるのです。だから、もっとティファを貴方に夢中にさせなければ駄目ですわよ?」


「・・・・・・・・は?」


おい。また話が急に変わったんだが?何の話だそりゃ。


「結婚したら安心だなんて、そんなものは理想論ですわ。男は簡単に浮気をし、女は自分だけの理想の男性を追い求めます。お互いが唯一無二の存在にならなければ、あっと言う間に失ってしまいますわよ。ギャド様はそれを、よくわかっておいでだと思いますわ。今の貴方には分からないかも知れませんが・・・」


・・・・・なんだ?なんか、妙に説得力が、あるぞ?

さっきギャド達と会ったからか?


「それで?私のティファ情報。必要ありませんの?」


ニッコリ。


「それは、アイラの条件にもよるかな?」


俺。嫌な予感しかしねぇぇえええええ!!

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