第1話
ゆっくり更新予定。
アイラとヨシュアのドタバタラブコメディ
始まります!
「意外ですわ。アイラ様程のお方でしたら、もっとその・・・他にも良い縁がおありだと思いますのに」
そのお話。何度目でしょう?
私いい加減聞き飽きましたが?
「何故・・・ヨシュア様と?」
「何故?彼の家からこの縁談のお話があったからですわ?それ以外何があると仰るのでしょう?」
ええ。ええ。そうですとも。
こうなりますわよね?ヨシュア様からの婚約の申し出を私が仕方なく了承した。
・・・・そう。思いますわよね?
ダァアアン!!
しかーーーーし!実際は違いますわ!!
ずっとずっとずーーーと!
初めて出会った時から!!
彼を好きだったのは私でしてよ!!
そう!私アイラ・ヴァンディルはヨシュア・エルカディア様に絶賛片想い中で御座います!!
それなのに周りから見たら、全く逆なんですのよ?
ヨシュア様の婚約を、私が渋々受けただなんて!!
そんな訳ないでしょう!!こんなに好きなのに!
「そうなのですね。お可哀想なアイラ様・・・心中お察し致しますわ」
うるさーーーーい!!私の事はほっといて下さいまし!!
「なんだお前。今日も面白い具合に不機嫌だな?」
「はい?誰がでしょう?気のせいではありませんの?」
私のこの顔を見て不機嫌だ、などと言い放つのは、私の兄か貴方ぐらいですわヨシュア様。
完璧な微笑みでもって貴女の隣におりますけれど?
「お前・・・ティファの飯食ってる時の自分のだらしない顔を一度鏡で見てみろ。アレを見た後、そんな作り笑いされたら誰でもドン引きだ」
貴女はさっきから私の機嫌を直したいのか、それとも状況を悪化させたいのか、ハッキリして頂けませんか?
いえ?明らかに喧嘩をふっかけておりますわね?
上等ですわ。
「それは私の台詞ですわヨシュア様。貴方のティファの料理を食している顔なんて、とても人様にお見せ出来るものではありませんわよ?顔面崩壊しておりますわ」
「それが本当なら俺の顔面どうなってんだよ?取り外し可能なのかコラ」
そうかも知れませんわね!
真実そうであれば目と鼻逆にして差し上げましてよ?
少しはまともな顔になるかも知れませんわね?プンスコ!
「だーかーら?なんなんだよ?何怒ってんだ?」
初めてお目にかかる方は、私の事をご存知ないと思いますが。私、少々天邪鬼な所が御座います。
自分でも駄目だと分かっているのですけれど・・・。
「ですから!全く少しも全然怒っておりません!!」
どうして、どうして!!
ヨシュア様の方から婚約話を持って来てしまったのです!!私の予定では、私がヨシュア様を振り向かせて、こちらから申し込む筈でしたのに!!
そうすれば、そうすればこんなに周りから誤解されずに済みましたのにー!!!馬鹿ぁーーー!!
「それで。不機嫌なまま昨日もヨシュア様と1日を過ごしたのですか?」
「・・・・・・ええ。せっかくヨシュア様とお会い出来ましたのに、また、やってしまいましたわ」
あれから結局ヨシュア様、呆れてそれ以上は何も仰りませんでした。私、一体何をしているのでしょう?
「でも、宿舎でもよくお会いになるのですよね?その時はどうなのです?」
「宿舎には他の方もいらっしゃいますから・・・あまり、その・・・ベタベタする訳にはいきませんし、お兄様の目もありますので」
あ、でもお兄様も最近は私の監視どころではありませんけれど。半端強制的に婚約者にされたベロニカの心中お察し致します。お陰で思いっきり避けられておりますけれどお兄様。
「・・・・アイラ様。そんな事では、いつまでたってもヨシュア様との距離は縮まないのでは?ヨシュア様それほど色恋沙汰に積極的ではなさそうですし・・・このままでは本当に、このお話無くなってしまうやも・・・」
「え!?」
そ、そんな!!それは嫌です!
どんな形であろうとヨシュア様と近づけるチャンスを逃す訳には参りませんわ!!
「次こそは・・・次こそは・・手ぐらい握ります!ありとあらゆる手段を用いてヨシュア様に手を繋ぎたいと言わせてみせますわ!!」
「・・・・そこは、素直にアイラ様から手を繋ぎたいとお願いすれば良いのでは?」
「そんな恥ずかしい事、私の口からは言えませんわ!!憤死してしまいますわ!!」
覚悟して下さいませヨシュア様。
きっと貴方を私に夢中にさせてみせますわ!!
メロッメロッのぐでんぐでんに、させてみせます!!
うふふふふふふふ!!
「・・・・・・今。恋の成就への近道が遠のいた気配がしましたわ。恋は盲目、ですのね。アイラ様」
ん?セラ様、何か仰いましたか?
ハッ!こうしてはおれません!早速作戦を立てなければ!
妥当!空気読めない男子ですわ!!