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地球と分子に挟まれて  作者: 半ノ木ゆか
第2章 生物圏
9/28

2-0. 生物階層

挿絵(By みてみん)


◆あらまし◆


 この章では、生き物を大きなまとまりで見たり、小さなまとまりで見たりします。



◆生物階層◆


 今の地球には、さまざまな生き物がひしめき合って暮しています。一方、私たちの体も細胞さいぼうという小さな生き物がひしめき合うことで成り立っています。


 こういうふうに、生き物は大きなまとまりで見たり、小さなまとまりで見たりできるのです。これを生物階層せいぶつかいそう (biological hierarchy) といいます。私は、こんにちの地球の生物階層は、おもに6つのそう (level) からなると考えています (図2-a)。



挿絵(By みてみん)

▲図2-a: 生物階層



 1つ目の層は群集ぐんしゆう (community) です。ある場所に住んでいる全ての生き物をまとめたものです。


 2つ目の層は集団しゆうだん (population) (註1) です。ある場所に住んでいる同じ種の生き物をまとめたものです。


 3つ目の層にはサンゴの群体ぐんたい (colony) などが含まれます。分裂した多細胞生物の個体などが離れ離れにならずに集まっているものです。


 4つ目の層にはヒトの個体こたい (individual) などが含まれます。分裂した細胞が離れ離れにならずに集まっているものです。


 5つ目の層は細胞さいぼう (cell) です。生き物のいちばん小さなまとまりのことです。


 6つ目の層は分子ぶんし (molecule) です。物質を形作っている粒のことです。



◆生態系の位置◆


 群集の上に生態系せいたいけい (ecosystem) を入れる人もいます。生態系は、群集と非生物的環境 (→3-0) を合せたものです。


 ですが、非生物的環境は群集の周りだけでなく、集団の周りにも、細胞の周りにもあります。非生物的な要素を加えただけで、新しい層に仕立てるべきではありません (Lidicker 2008, p.73)。


 集団と非生物的環境を合せて集団系しゆうだんけい (population system)、細胞と非生物的環境を合せて細胞系さいぼうけい (cell system) と呼びます。生態系は、集団系や細胞系と同じく、生物的要素と非生物的要素を合せた生物系せいぶつけい (biosystem) (Odum, Barrett 2004, p.4) であると考えるべきです。



◆他の章との関り◆


 この参考書は、第3章~第5章の各章も上の6つの視点に基づいて分けてあります。例えば「第4章 代謝」は、


・4-1. 群集の代謝

・4-2. 集団の代謝

・4-3. Xの代謝

・4-4. Yの代謝

・4-5. 細胞の代謝

・4-6. 分子と代謝


 というように、第2章と対応しているのです。




 生き物は地球のどこに住んでいるのでしょうか。また、生き物はどんな分子からできているのでしょうか。大きなまとまりから順に見ていきましょう。

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