1-0. 地質年代表と系統樹
◆あらまし◆
この章では、地球の生き物の歴史を見ていきます。
◆地質年代表◆
その前に、まだ生き物がいなかった時代を振り返ってみましょう。
この宇宙は、今から約138億年前にできたと考えられています。天の川銀河ができたのは約100億年前、太陽系や地球ができたのは約46億年前だとされています。
下に載せた図は地球の歴史を表しています。これを地質年代表といいます。
▲図1-a: 地質年代表 (日本地質学会 [2023] に基づき作成)
地球の歴史は4つの大まかな時代に分けられています。この大まかな時代を累代 (eon) といいます。累代を小分けにした時代を代 (era) といいます。代を小分けにした時代を紀 (period) といいます。紀を小分けにした時代を世 (epoch) といいます。世を小分けにした時代を期 (age) といいます。
今は顕生累代新生代第四紀完新世メガラヤ期です。
◆系統樹◆
今、地球には数えきれないほどの種類の生き物が暮しています。一見すると姿形も暮しぶりも十人十色ですが、詳しく調べてみれば共通点のあることがわかります。
①細胞でできている
地球の生き物は、小さな袋でできています。この袋を細胞といいます。ヒトの体も細胞がたくさん集まってできています。(→第2章)
②DNAをもつ
地球の生き物は、細胞のなかに細い紐をもっています。この紐は脱酸核糖核酸 (DNA) と呼ばれています。DNAは生き物のおおまかな特徴を決めています。(→第2章)
③体のなかの状態を一定に保つ
地球の生き物は、体のなかの状態を一定に保とうとします。この性質を恒常性といいます。(→第3章)
④物質をばらばらにしたり組み合せたりする
地球の生き物は、物質をばらばらにしたり組み合せたりできます。このおこないを代謝といいます。(→第4章)
⑤子をつくる
地球の生き物は、自分で自分の子をつくれます。親の特徴が子に伝わることを遺伝といいます。(→第5章)
このような共通点があるので、地球のすべての生き物は、はるか昔に生れた1種類の生き物の子孫だと考えられています。
▲図1-b: 系統樹
生き物の血筋を系統 (phylogeny) といいます。そして、系統を表した図のことを系統樹 (phylogenetic tree) といいます。
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たった1種類だった生き物が、どのようにしてさまざまな系統に枝分れていったのでしょうか。また、それらの変化はいつ起ったのでしょうか。古い時代から順に見ていきましょう。