大公の語らい
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次の更新は11月の11日になります。
「当初からかなり状況が変わってしまいましたが、会議を続けたいと思います。また今回の会議に限っては秘書などの数の制限を撤廃致します。各々必要な人材を中に入れていただいて構いません。…幸い席は空いておりますから。」
初日より数が減った会議室。そこでザラスは大公達に告げる。従来の秘書の数ではこれからの議題に対応し兼ねる可能性があるのでその制限を解除したのだ。その言葉を聞き大公の護衛達は当主から言われた人数を呼びに各々の宿泊地へ走る。
「…必要な人員が揃うまで少し時間があるので私から礼を言わせていただきたい。我が街ホーランジアを守っていただき感謝する。」
「状況を考えれば当然のことじゃろうて。まさかイシュタルの馬鹿だけでなくハルザークまでも反旗を翻すとは思わなんだがな。武功でとりたてていただいた恩を忘れおって。」
ザラスの言葉にハイヘルムが答える。七大公の中でも最高齢の彼はみんなの意見を代弁するかのように言う。
「だから、でしょうね。ここ数代に渡ってハルザークの武勇は地に堕ちている。現当主も全く戦えないと聞く。その焦りからこのような愚かな行動を起こしたのでしょう。」
ハイヘルムの言葉を補完したのはライオルト家当主キアラ・ライオルト。現当主唯一の女性で銀色の美しい髪を持った女傑である。ライオルト家が司るのは日輪。魔法の適性を代々継承する一族であり、更にそれは女性に顕著に現れるとされる。
「私たちのような文官とは違い強さは遺伝に大きく依存すると聞きます。アルタイル殿はその辺どうお考えですか?。」
他の大公の話を聞いていた青年がアルタイルに尋ねる。歳はアルタイルより少し上と言ったぐらいの青年は左右両方の腕に筆を持ちこの会議の全ての会話を記録している。その上で疑問点などを自分で提議するのである。彼の名前はセガール・コフィン。優秀な文官を輩出してきた一族の長である。
「そうですね。確かに強さは生まれによって左右されるものもあると思います。しかし大半を決めるのはどれだけ狂気を受け入れることが出来るか。どれだけ自分を追い込めるか、だと思います。」
戦場に出ていた時とは異なる口調で話すアルタイル。そこだけ見れば儚げな青年である。しかし話す内容は苛烈に過ぎるが。
「儂も同意じゃな。結局のところハルザークは怠った。自分たちの原初が何かを忘れてしまったのじゃな。権力を持つ者にはそれ相応の責任が生じる。それを理解出来なかったからああなった。」
「…そこまでにしておきましょう。数も揃いつつあります。それと、今この街には王家の方がいらっしゃっております。」
「…うむ、まぁそうじゃろうな。してどなたが来ておるのかの?。」
「第二王女フランシス様です。」
「あぁ、あのお転婆娘か。お主の娘以上の跳ね馬じゃな。」
「あの、すいません。自分はフランシス様とお会いしたことがないのですが…どのようなお方なのでしょうか?。」
アルタイルが尋ねる。当主継承の折に王には謁見したがその娘とは出会う機会がなかった。王女の人となりを聞いてくださいと言う秘書の目線に押され尋ねる。
「そうじゃな、…さっきも言った通りかなりのじゃじゃ馬じゃな。平民に紛れ街を1人で闊歩するぐらいにはな。しかしかなりの切れ者でもある。…儂が知るのはそれぐらいじゃな。他の者の意見もそうは変わらんじゃろ?。」
ハイヘルムの問い掛けに皆が頷く。
「…してその王女様は何処に?。この街に来ている理由はこの会議じゃろ?。」
「それが先に始めておいてくれと。用事を終えてから向かうと連絡がありました。」
「ふふっ、相変わらず自由な娘ですね。まぁ、それを許されるだけの能力と実績がありますからね。」
「はぁー、それでは先に始めておくかの。ザラス殿頼む。」
「はい、それではこれより会議を始めます。」




