表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/207

気丈な貴婦人 激昂のオウギ

次回更新はお休みします。

次の更新は9月16日になります。

 サイドユーリ


「おら!さてさてここで待機してもらおうか。お貴族様にはこんな地べたに座る経験早々出来ないだろ?。ほらほら、遠慮せずに腰を下せよ。」

 気絶したユーリとそれを抱き抱えたティーシャは馬車に運ばれ目隠しをした後とある場所に到着していた。そこで引き摺られるように地面に押し付けられる。


「うっ!…あなたたち…何が目的なの。それにここはどこ!。」

 目隠しをされたままティーシャは周りにいるであろう男達に吠える。この状況でも気丈に振る舞うのはそばで気絶するユーリに目がいかないようにするためであった。


「そんなの、答えると思うか?。けへへ、なぁ、あんたは今誰かが助けに来ると思ってるだろ?。なぁなぁ、それはないんだよ。」


「…主人は優秀です。あなたたちの足取りぐらいすぐに追えます。…それにオウギ…」


「甘い、甘いよお貴族様!。俺たちはその護衛に用があったんだぜ?。なんでも凄腕で転移魔法の使い手だそうじゃないか。…対策してないと思うか?。」

 その言葉に周りの男達も笑い声をあげる。


「この場所には転移魔法、そして探知魔法を遮断する結界が張ってある。だから転移どころか探知すら出来ない。そして外観を偽装する魔法もかけてある。つまりお前らが発見されることはないんだよ。」


「…それだけの魔道具を用意するなんて随分お金があるのね。」


「はっ!そんなことを俺は知らねーな。まぁ搾り取る所から搾り取るだけだろうな。」


(…相手は…貴族なの?。このタイミング…。まさか…大公家のどれか、…ってことになるわね。)


「さて…と後はボスが脅して、服従させて、殺すだけだ。それまで俺たちは暇なんだよ。」


「…!。……」

 この場の雰囲気が変わったにティーシャが気付く。


「お貴族様ってのは…どんな具合なのかね。ゆっくりお相手してもらおうか。」

 そして周りからは服を脱ぎ去る音が聞こえる。


「…わ、私が…相手をします。だから…この子には手を出さないで。」

 全てを理解してもなおティーシャはユーリを守ろうとする。


「へへ、それはあんたの努力次第だな。壊れず、俺らの相手をし続ければそのガキには手を出さんさ。精々頑張って耐えるんだな。ぐへへへ‼︎。」

 その言葉の後近づいてきた男がティーシャの着ている服に触れ脱がそうとする。それに対して怯えを隠し抵抗しないティーシャ。


(…あなた、ごめんなさい。でも…私はこの子を見捨てることはできないわ。)

 引き裂かれる衣服、迫る荒い呼吸、ティーシャは覚悟を決める。頭をよぎるのは最愛の旦那ザラスのこと。


「…それじゃあ、俺から…」


『ビュォォォーン‼︎』

 風の音が響く。目隠しの為研ぎ澄まされた感覚がこの場の焦燥を感じ取る。


「…お前は…‼︎。一体どうやって!。魔道具は機能しているはずだ。」

 突如現れた何者かに動揺する男達。


「黙れ。」

 発せられたのは聞き覚えのある声。しかし声は同じでも受ける印象はひどく違う。冷たい心臓を鷲掴みにされるような感覚を味わう。あの穏やかな青年と本当に同一人物なのか確証を持てなかった。


「…っち、ボスめ、しくじったな。…だが…ここで殺しちまおう。どうやったか知らないが…この人数をなんとか出来ると思うなよ。」

 武器を持つ音が辺りに響く。


「…黙れ…と言っている。」


「…調子にのるなよ。お前が会談の時にやった奴は俺の部下だ!。死ねぇ‼︎。」


「…僕は何も欲しない。…だけど奪われるのは…耐えられない。…奪う者を許さない。」

 禍々しい魔力が膨れ上がる。ティーシャは本当にオウギなのか更に確信が持てなくなっていた。


「…な、なんだそれは!。お前は…どんな適性を持っている!。魔法使い?闇魔導?…はぁはぁ…」

 怯える周りの男達。呼吸を荒くして震えている。先程までの威勢は完全に削がれていた。


「…『形なき絶望』。」

 唱えられ魔法は記憶にあった。だがその内容は一切が開示されていない。魔の深淵に値するとされる魔法だった。


「…あ、あぁ…!。うわぁぁぁ‼︎、なんなんだよこれは!答えろ!。やめろ、近づくな。こいつらがどうなっても良いのか!。」

 更に怯える男達。すると自分の首にナイフの刃が当てられる。人質にされている、足を引っ張ることは本意ではない。それならばと


「…オウギさん!私に構わずやって…」


「煩いぞ!このクソ女が!。」

 ティーシャを殴る男。殴られたティーシャは口から血を流し気絶してしまう。


「…さ、さぁ、大人しくしてろよ。さもないとこの女とガキを殺すからな。」

 大人しくなったオウギを見て人質は有効だと思った男は更に警告する。だが男は気づかない。自分が龍の逆鱗に触れていることに。


「…殺してやる。」

 オウギの目が黒く染まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ