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候翼の指輪

「…バカな…木刀だぞ?。そんなことが出来るわけ…木刀が耐えれるわけがない。」

 亀裂の入った地面を見ながら男達が驚愕の声を出す。


「早く始めましょう。余り時間はかけたくありません。」


「くそっ、が。調子に乗るなよ。」


「俺が出る。頼むぞ。」

 双剣を持つ男が前に進みで剣舞をもってオウギに襲いかかる。


『ギンッギンギンッ…ギギギギッ…』

 その剣戟を木刀で弾き鍔迫り合いになる。


「くそが…だが今だ!。」

 剣を弾く勢いをりようし後ろに下がる。すると男の影から燃える炎の玉がオウギに向かう。


『ドゴーン‼︎』

 爆発した燃える玉はオウギのいた辺りを燃やす。


「はっ、あの威力にはビビったが所詮剣士だろ。この魔法は防げまい。」

 リーダー格の男がオウギのいるであろう場所を見ながら得意そうに言う。


「…時間をかけたくないと言ったはずです。…『底なき沼地』」

 煙が晴れたとき無傷のオウギが地面に手を当て魔法を唱えていた。


「な、うわっ⁉︎なんだ、なんだよこれ…体が…たす……れ。」

 魔法を放った男が地面に沈み込み姿が見えなくなる。


「アルク!。くそっ、どうなってるんだ!。テメェ近接系の職業じゃねーのか。」


「僕は何も言ってませんよ。僕はノージョブだ。取るに足らない根無し草ですよ。」


「…バカにしやがってぇ。…『闘気覚醒』。死にやがれ。」

 大剣を持ったリーダー格の男が纏う空気が変わる。赤いオーラを噴出させ剣もそのオーラを纏う。


「闘気覚醒ですか。剣士系でレベル5以上の適正で使えるという…羨ましいですね。僕は…最高レベル3なので。」


「ごちゃごちゃウッセーンだよ。こうなったからにはテメェには…くたばる他ないんだよ!。」

 大剣を持っているとは思えない速度でオウギに斬りかかってくる男。


「…『居合・絶空』。」

 オウギは木刀を腰に構え斬りかかる男と相対する。


「バカが。この状態の俺と正面から斬り合うだと⁉︎。」

 オウギをバカにしたように言い大剣を振り絞る。ギチギチと音がしそうな上腕筋がその威力を物語っていた。


『…ガインッ‼︎。…パキキ…バリンッ‼︎』


「…かはっ…バカな…。俺の剣が。」

 交差した2人。オウギのもっている木刀が男の大剣をへし折り男の体に一撃を加えていた。


「…隙あり!。」


「おっと…危ないなぁ。『連舞・牙突』。」

 双剣を持った男が攻撃終わりのオウギに斬りかかりオウギの上の服を少し斬り裂く。オウギは突きの連続を見舞い男を吹き飛ばす。


『チャリ…』

 双剣がオウギの服を掠め首から下げた指輪が露わになる。


「あ、服切れちゃったか。」


「な、なな、ななな…その指輪は候翼の指輪っ‼︎。どうしてお前のような男がそれを持っているっ‼︎。」

 オウギの首から下げた指輪を見た途端リーダー格の男が慌てふためく。


「え?これは…人助けをしてそのお礼にって言って貰ったんですよ。」


「…そのニ対の羽はノードルマン様の家紋。と言うことはお前は大公ザラス・ノードルマン様が認めた男。…今までの無礼は全て謝罪する。なんなら俺の首を差し出す。その代わり…俺の仲間は助けてやってくれ。こんな奴らでも俺にとっては可愛い後輩達なんだ。」

 先程までの様子とは打って変わり神妙は面持ちでオウギを見つめるリーダー格の男。その目には確かな覚悟が宿っていた。


「え、いきなりどうしたんですか?。」


「その指輪のことを聞かされていないのか?。」


「はい、ただ俺にあげるとしか。」


「その指輪は候翼の指輪。この国を治める七人の大公が当代最強と信じる者に渡す印。そしてニ対の翼が意味するは民の自由と世界の平和…ノードルマン家の家紋だ。」


「…(エリザベス様…価値わかってなかったんじゃないかな。あんなことだけでそんな大事なものあげちゃダメでしょ。)…僕は別にこの指輪でどうにかするつもりはありませんよ。ただ自由に生きたいだけなんです。」


「…分かった。お前にこちらから干渉しない事を約束する。なんならギルドで正式に文章を残してもいい。だからこいつらの命は助けてやってくれ。」


「あなたにも何もしませんよ⁉︎。あ、そうだ…沼解除。多分気絶してるだけだと思いますよ。」

 オウギが地面に手を当てるとアルクと呼ばれた魔法使いが浮き出してくる。


「俺たちを許してくれるってのか?。一方的に絡んだ俺たちを…。」


「どれ程の器の大きさをしているんだ。…俺の名前はコール。あんたの名前を聞いてもいいか?。」


「僕の名前はオウギです。」

 2人は握手を交わすのだった。


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