表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/207

ユーリ・ガウス

 私の名前はユーリ・ガウス。貧しい村に暮らす獣人です。私には可愛い弟と妹がいます。でも…この村の稼ぎだけでは弟達を満足に育てることは出来ません。そこで私は私が持っているもので一番高く売れるものを売ることにしました。…自分自身。奴隷になることにしたのです。聞いた話では奴隷は売られた後手に職をつけることが出来その後も何とか暮らしていけるそうです。何より…2人が大人になるまでのお金を払ってもらえます。私はその日自分を売りました。


 私が買われたのはある奴隷商人のところでした。しかしそこでは手に職をつけることはありません。毎日宿屋を渡り歩き旅人さんの背中を流したりマッサージをしたりしました。時々変な笑い方をする人もいましたが頑張りました。しかし…生活はとても厳しかったです。1人もお客さんを取れない時は勿論、数が少ない時でもご飯も貰えない時がありました。それに殴られたことも。でも…私は逆らえません。あの子達の為に自分を売ったその時から覚悟はしていました。ただ…その、覚悟が甘かっただけです。


 買われて2年の月日が流れました。お金をどれだけ返せているのかわかりませんが同じ仕事を続けています。同じ歳くらいの女の子が普通に街を歩いているのを見ると羨ましく思います。けど…そんな時は目を瞑ります。見なければ知らないと変わらないですから。


 そんな私にある出来事が起こります。ある日訪れた宿屋。高級な宿の為お客様を獲得できる可能性が高い場所です。そこで私はあの方に出会いました。私とお話がしたい。それだけでお金をいただける。その時は何を言っているのかわかりませんでした。更には私が一番稼いだ時と同じくらいの額を払うと言うのです。結局その時は施しを受けたような気になるのが嫌で断りました。


 次の日。折角高級な宿で仕事をする機会を得たのに売り上げは微々たるものでした。当然激しい叱責を受けました。その時昨日の方が現れたのです。その方は魔法で私を癒してくれました。そして…私を買ってくれるといいました。奴隷商人が言った額は私が借りた額より膨れ上がっていました。それでもその方は私を買うと言ってくれたのです。それから私は店の奥に入れられました。なんでもその方が保護するように仰ってくれていたそうです。


 2日後その方は血に塗れた服を着て本当に現れました。その手には私の購入代金を携えて。その時は何故この方は私にここまでしてくれるんだろう?と疑問を抱いていました。しかしその疑問は氷解します。この方、ご主人様…いいえオウギ様はただ優しさのみで私を助けてくださったのです。私が返すものがないと言えば友になりたいと言いました。その言葉を受けて私は誓いました。この先何があろうとも私からオウギ様の元を離れることはあり得ない。その時は死する時のみだと。


 優しいオウギ様との暮らしは驚きの連続ではありますが素晴らしい日々です。私に戦うことを教えてくれ、仲間として扱ってくれます。本当はオウギ様が一人で戦った方が何倍も強いのに。その思いやりに私の心は熱くなります。この気持ちは何なんでしょうか?。


 どうやら大公様のご令嬢エリザベス様はオウギ様を気に入っておられるようです。偉い人に気に入られると色々お得だよ、と言うのは亡くなった祖母の言葉です。ですが…何故か胸がモヤモヤします。理由はわかりません。


 オウギさまが高価な服を買ってくださいました。私には勿体ないと思いましたが不肖ユーリ・ガウス着させて頂くことにします。…オウギ様が可愛いと褒めてくださいますから。


 オウギ様は世界を回ると仰っています。私は共に行きます。貴方が望むところまで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ