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アシュゲルク家への旅立ち

「最後まで見守ることは出来ませんが、これから頑張ってください。」

 次なる目的地が決まったオウギ達。トーチカ達鬼人族の移住も終わり街に馴染み始めたので旅を続けることになった。


「いやいや、坊やには世話になり過ぎたくらいだよ。あの緩やかに衰退していくしかなかった場所から外の世界への扉を開いてくれた。それだけで十分なのに住居や人の縁まで。もし何か困ったことがあったら相談しておくれ。微力ながら力になろう。」

 トーチカがオウギの手を握りしめて言う。トーチカは決意していた。目の前のオウギが自らを必要とするならその身を省みることなく死力を尽くそうと。それが一族を救ってくれた者へのせめてもの恩返しだと。その為に牙を研ぐ事を続けると。


「安心してくだされ、オウギ殿。この街は変革への灯火。これからの時代の先駆けになる街です。今までのような差別は私が許しません。ザラス・ノードルマンの名にかけてです。」

 最後まで見届けることが出来ないオウギにザラスが頼もしい言葉を放つ。オウギは間違いなく世界を変える。これまでオウギと接してきたザラスは確信していた。そのオウギが望むのは平等な世界。ならばその先駆けとなるであろうこの街の優先度は計り知れない。


「そうです、オウギさん。僕はもう少しこの街に残ることにします。彼らに教えないといけないこともありますから。ある程度したら他の街に僕の護衛としてついてきてもらうつもりです。少しずつ人の目に触れるようにしていきます。」

 未だ根深く残る鬼人族への偏見。突然いきなりそれが解消されることはない。だが大公、それも武の大公であるアルタイルが認めたとなれば人々からの印象は変わる。それを考えてのアルタイルの発言。


「アネッサよ、あんたはこれから数々の経験をするだろう。良いかい、鬼人族の強さは想いの強さだよ。大切な者を沢山作りなさい。それがあんたの力になるからね。…そして後悔のない強さを手に入れるんだ。もしもの時に全てを守れるようにね。」


「…はい、分かりました。」


「ユーリさん、また時間があれば我が家に来て欲しい。妻と娘が君に会いたいと言っていた。」


「ザラス様の奥様がですか⁉︎。…ありがたいお言葉です。必ずまた訪問させていただきます!。」


「今回は戦うのはやめておこうか。まだそんなに期間が経っていないからね。…次だ、次に君がどれだけ強くなっているか…楽しみにしているよ。」


「ふん、後悔するがいい。私に勝てる機会を失った事を。私は強くなる。最強の龍になってオウギに降りかかる全ての災厄を取り払う。…オウギを除く人間の中の最強なんかに…負けない。」

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